質のよい睡眠、バランスのよい食事、適度な運動、標準体重をキープ

「子供の身長が低いのは、自分の背が低いから」と諦めていませんか?
たしかに子供の身長は、親の影響もありますが、それだけでなく、食事や生活習慣も関係しているのです。
そこで今回は、子供の身長を伸ばす方法や日常的に意識したいポイントをご紹介していきます。

子供の身長を伸ばすための4つのポイント

子供の身長の伸びには、食事や生活習慣が大きく影響しています。
特に重要とされる4つのポイントをご紹介しましょう。

質のよい睡眠

子供の身長の伸びに重要な役割を果たす「成長ホルモン」の約3分の2は、睡眠中に分泌されるといわれています。
このため、「寝る子は育つ」といわれるように、睡眠は、身長にとって欠かせない重要な要素の1つです。
成長ホルモンは、特に「深い眠り」に陥っているときに分泌されるので、生活リズムや、睡眠環境を整えて、熟睡しやすくすることが大切です。

バランスのよい食事

身長の伸びに関わる栄養素といえば、骨を伸ばす「タンパク質」、骨を丈夫にする「カルシウム」、骨の構成成分の「マグネシウム」、タンパク質の合成や骨の発育に関わる「亜鉛」などが知られています。
ただし、栄養素というのは、すべての栄養素がバランスよく体の中に充足することで、はじめてその効果を発揮するので、「これさえ摂っておけば大丈夫」というものはありません。
タンパク質やミネラルはもちろんですが、炭水化物、脂質、ビタミン、食物繊維も、過不足なく摂取することが大切です。

適度な運動

適度な運動は、成長ホルモンの分泌を促すとともに、骨に刺激を与えて骨の成長を促進します。
また運動をすることで、お腹が空いて食欲が増進したり、ほどよく疲れて熟睡できたりもします。
ただし、「このスポーツをすれば背が伸びる」というようなものはありません。
大切なのは、子ども自身が好きだと思える運動を定期的に長く続けていくことです。

標準体重をキープ

肥満になると、成長ホルモンの分泌が悪くなる傾向があります。
少しぽっちゃりしているくらいなら問題はありませんが、過度な肥満は、身長の伸びを妨げる可能性があるので注意しましょう。

また痩せすぎて栄養不足だと、生命維持のために、優先的に栄養が使われるので、身長を伸ばすことができません。
ただし、少食の子に無理に食べさせようとすると、食事自体が苦痛になってしまう可能性もあります。
「おやつを食べ過ぎていないか」「運動不足や運動のし過ぎではないか」など、なぜ食欲が出ないのかを考えましょう。

思春期の過ごし方を見直すことも重要

思春期は、生後からの1年に続いて身長が急激に伸びる時期。
思春期の到来は、女の子の平均が9歳前後、男の子の平均が11歳前後になります。
思春期の間に伸びる身長は女の子で22cm前後、男の子で25cm前後とほぼ決まっており、思春期が訪れる前の身長によって思春期を終えた後の最終身長(成人身長)が決まります。
そのため、思春期が遅く訪れた方が、最終身長が高くなる傾向にあるのです。

思春期の訪れをできるだけ遅くして身長が伸びる可能性を高めるには、性成熟を抑制する作用を持つメラトニンというホルモンをしっかり分泌させることが大切です。
メラトニンは夜間に暗くなると分泌され、睡眠にも深く関わっています。
思春期くらいの年齢の子供は習い事や宿題、またはゲームなどで寝る時間が遅くなりがち。睡眠が十分にとれていないとメラトニンが不足してしまいます。
メラトニンが十分分泌されるよう生活リズムを整え、睡眠をしっかり摂るようにしましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師