子供の身長が小さい原因には成長期の栄養や睡眠、病気などがあります


子供の成長には個人差がありますが、同年代の子よりも身長が小さいと感じたときには、成長曲線で身長を確認してみるといいでしょう。

成長曲線には年齢ごとの平均身長と、その平均身長の上下+2SD~-2SDの標準偏差範囲の幅が記載されています。
SDは標準偏差のことで、「SD=(身長-平均身長)÷標準偏差値」で計算できます。
身長が-2SDより低い場合や、急に成長曲線と比べて身長の伸びが悪くなった場合には、遺伝ではなく病気などが原因の可能性もあるとされているのです。

子供の成長には成長期と成長ホルモンが大きく関係しています

子供の身長は生まれたときには50cm程ですが、急激に身長が伸びる第一次成長期の期間が終わる5歳頃には約110cm(-2SDは100cm)になると言われています。

そして5歳から12歳までの学童期の間には平均で約40cm身長が伸びて152cm程(約140cm)の身長になり、男女の身長の伸びが大きく異なる思春期(第二次成長期)に入るのです。

12歳から16歳の第二次成長期には、男子が約170cm(約159cm)、女子が約158cm(約147cm)の平均身長まで身長が伸びてから成長が止まると言われます。

実際には約95.5%の子供の身長が標準偏差の範囲内に入っていると言われ、身長が-2SD以下で低身長と定義される子供は約2%いるとされています。
-2SD以下の状態でも、遺伝などが原因で成長が遅いなど、成長ホルモンの分泌に異常がない場合には、徐々に身長が伸びて約7割の割合で最終的な身長が標準範囲内に入ると言われているのです。

ところが残り約3割の低身長児の場合には、成長ホルモンの分泌異常の問題や病気にかかっていることが考えられます。
このように病気などが原因の場合には、身長が標準範囲まで伸びにくくなり、さらに成長期が早く終わる可能性もあるのです。

子供の身長が伸びにくくなり低身長になる病気もあります


子供の身長が始めは成長曲線の標準偏差の範囲内に入っていても、途中から身長の伸びが悪くなり、標準偏差から外れるケースもあります。
事故で脳に外傷ができたときや脳腫瘍ができたときには、脳下垂体が損傷を受けて成長ホルモンや甲状腺ホルモンの分泌が悪くなる可能性があるのです。

成長ホルモンなどの分泌が悪くなると身長が伸びにくくなり、徐々に低身長になると言われます。
また身長が標準偏差の範囲内であっても、急に身長の伸びが悪くなった場合には病気にかかっているため身長の伸びが滞っている可能性があるのです。

ターナー症候群などの染色体疾患の場合にも発育が悪く身長が伸びにくいため低身長となります。
SGA性低身長症(子宮内発育不全)もあり、生まれたときの身長がもともと小さく、3歳になっても身長の伸びが見られないために低身長となる病気です。

他にも軟骨異栄養症のように骨や軟骨の異常のために身長が伸びない病気もあります。

胴体と比べて手足が短いなどの特徴があり、遺伝で発症する場合と遺伝ではなく突然発症する場合があるのです。
他にも心臓や肝臓、腎臓など、重要な内臓が病気になると、必要な栄養を体に取り込むことができなくなるため身長が伸びにくくなると言われます。

専門の医療機関では身長の伸びの改善が期待できます

内臓疾患が原因で成長に影響が出ている場合には、その病気が改善されることで成長のために必要な栄養を摂取することができるようになります。
それ以外の脳下垂体に異常があるケースや、染色体疾患、SGA性低身長症などの病気が原因の場合には、主な症状とされる低身長の改善ができるように専門の医療機関で相談するといいでしょう。

専門の医療機関では、低身長の大きな原因とされる成長ホルモンが正常に分泌されているかどうかなどの検査のあとに、適した治療を受けることができます。

また、遺伝のため健康には問題がないけれど背が小さいような場合や、原因がはっきりしない低身長の場合などでも、専門の医療機関で低身長を改善するための治療を受けることが可能です。
成長期に身長を伸ばすためには、必要な成長ホルモンや甲状腺ホルモンを投与することで改善が期待できるでしょう。

子供の成長には、成長期に十分な栄養や睡眠をとり、適度な運動を行うことも大切です。
栄養の摂取などに気をつけていても子供の身長の伸びが少ないと感じるときには、成長期が終わる前にできるだけ早めに専門医に相談することで、より身長が改善されやすくなるでしょう。

(まとめ)子供が小さいのは成長期にどんな問題があるから?

1.子供の身長が小さい原因には成長期の栄養や睡眠、病気などがあります

子供の成長には遺伝もあり個人差があります。しかし、年齢ごとの成長曲線と比べたときに身長が標準偏差の範囲よりも下に位置する場合や、身長の伸びが急に悪くなったという場合には遺伝ではなく病気の可能性も考えられます。

2.子供の成長には成長期と成長ホルモンが大きく関係しています

子供には第一次成長期と第二次成長期があり、その時期が成長期の中でも急激に身長が伸びやすいと言われます。低身長でも、身長に関係する成長ホルモンが正常に分泌されている場合には、徐々に標準身長に近づく傾向にあるのです。

3.子供の身長が伸びにくくなり低身長になる病気もあります

子供の身長の伸びが急に滞るか、標準偏差よりも下に位置している場合には低身長とされます。とくに急に身長が伸びなくなった場合には病気が原因で低身長になっている可能性があるのです。

4.専門の医療機関では身長の伸びの改善が期待できます

成長ホルモンの分泌などに問題が生じている場合や、成長に問題が生じる染色体疾患などの病気が原因の場合には、成長期が終わる前に早めに専門医に相談することで身長の改善が期待できます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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院長 齋藤まい医師