成長ホルモンが年齢別基準値に満たない場合、低身長症になりやすいです


成長ホルモンは「GH」と呼ばれており、GHの尿中濃度における同年齢同性別の平均値が成長ホルモンの年齢別基準値だと考えられています。
この値に満たない場合、成長ホルモン分泌不全性低身長症などの疾病にかかっている可能性が高いと言えます。成長ホルモン分泌不全性低身長症が認められた場合、成長ホルモン治療が受けられます。

成長ホルモンが分泌不全になると、低身長症になる恐れがあります

子どもの成長が他の子よりも遅い、同年齢の子どもよりもはるかに身長が低いなどといった悩みを抱えている親御さんもいらっしゃるでしょう。
ひょっとすると、その原因は成長ホルモンの分泌量にあるかもしれません。

成長ホルモンは「GH」と呼ばれており、尿中濃度の同年齢同性別の平均値が成長ホルモンの年齢別基準値だと考えられています。
もし、この値が少なすぎる場合、何らかの疾病にかかっている、またはかかってしまう可能性が高いといえます。

成長ホルモンの年齢別基準値の単位は「(pg/mg・Cr)」とされており、年齢や性別ごとに区分されています。
例えば、6~7歳の男児であれば尿中のGH濃度は17.4が年齢別基準値とされていますし、12~13歳の女児であれば21.9とされています。

この値が年齢別基準値よりも低すぎると、成長ホルモン分泌不全性低身長症などの疾病にかかっている恐れがあります。
成長ホルモン分泌不全は、通常、脳の下垂体から分泌される成長ホルモンが正常に分泌されないことで起きると考えられています。
脳の腫瘍によるものなど原因が判明する場合もありますが、ほとんどの場合は原因不明であるのが現状です。

子どもの低身長症を招く疾病にはいくつかあります


子どもが低身長症になる原因は、成長ホルモン分泌不全だけではありません。
もしかすると、他の疾病が原因で低身長症になっている可能性があります。

ここでは、子どもの低身長症を招く疾病をいくつかご紹介します。

ターナー症候群

染色体に異常がある場合、低身長症になる可能性があります。一つは、ターナー症候群と呼ばれる疾病で、女性特有の症状だと考えられています。
2000人に1人という低確率の病気で、本来あるはずの2本のX染色体が一本しかないことで起こるといいます。

プラダー・ウィリー症候群

もう一つはプラダー・ウィリー症候群と呼ばれる疾病で、15番目の染色体に異常がある場合に起こるといわれています。
10000人に1人という低確率の病気で、肥満や発達障害などの症状を伴う場合もあります。

軟骨異栄養症

骨や軟骨に異常があるために成長が阻害され、胴体に比べ手足が短いというような症状になります。軟骨異栄養症は遺伝性であることが多いですが、子どもだけに発症するケースもみられます。
この病気の特長としては、胴体に比べて手足が短く、頭部が大きく突出しているなどが挙げられます。
またこのほかに、腎機能の低下が原因となる場合もあります。

成長ホルモン治療を受けるには一定の基準があります

成長ホルモン分泌不全性低身長症やターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、軟骨異栄養症、腎機能低下の疾病による低身長症が認められた場合、小児慢性特定疾病における成長ホルモン治療の助成対象となります。
つまり、医療費の助成を受けた上で成長ホルモン治療を受けることが可能ということです。
成長ホルモン治療は、成長ホルモンの投与により身長の増加が期待できる場合に行われることが原則となっています。

そのため、治療開始はもちろん、継続や終了に関しても一定の基準が設けられています。

例えば、成長ホルモン分泌不全性低身長症の場合このような基準が設けられています。

・初年度は年間成長速度が6.0cm/年以上または治療中1年間の成長速度と治療前1年間の成長速度との差が、2.0cm/年以上であること
・治療2年目以降は、年間成長速度が3.0cm/年以上であること

終了の基準は、男子の場合156.4cmに身長が達したときで、女子の場合は145.4cmの身長に達したときだとされています。

(まとめ)成長ホルモンが年齢別基準値に満たないとどうなるの?

1.成長ホルモンが年齢別基準値に満たない場合、低身長症になりやすいです

GHとも呼ばれる成長ホルモンの量は尿中濃度により決定され、同年齢の平均値が年齢別基準値とされています。成長ホルモンが年齢別基準値に満たない子どもは、成長ホルモン分泌不全性低身長症の可能性があります。

2.成長ホルモンが分泌不全になると、低身長症になる恐れがあります

GHの尿中濃度が年齢別基準値よりも低い場合、成長ホルモンが分泌不全である可能性が高く、低身長症などの疾病にかかっている可能性があります。成長ホルモン分泌不全は、ほとんどの場合が原因不明だといわれています。

3.子どもの低身長症を招く疾病にはいくつかあります

子どもが低身長症になる原因は、成長ホルモン分泌不全以外の疾病が原因である可能性もあります。例えば、ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、軟骨異栄養症、腎機能低下による疾病などが挙げられます。

4.成長ホルモン治療を受けるには一定の基準があります

特定の疾病による低身長症が認められた場合、成長ホルモン治療を受けることが可能になります。ただし、継続や終了に関しても一定の基準が設けられています。
男子で156.4cm・女子で145.4cmの身長に達した時点で治療は終了します。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 齋藤まい医師