成長ホルモンをサポートするホルモンの原料がヨウ素です


成長ホルモン放出ホルモンが分泌されると成長ホルモンや甲状腺刺激ホルモンなどが生成され、骨の成長を促します。

ヨウ素は甲状腺ホルモンの原料になる栄養素ですから、不足する事によって発育不全を起こす要因です。成長ホルモンが十分に出されている状態に加えて、ヨウ素など発育に必要な栄養素を取り入れる事によって、身長が伸びやすい環境作りを意識しましょう。

食事からヨウ素を過不足なく取り入れます

ヨウ素が不足すると甲状腺ホルモンが生成されにくい状態になって、心身の発育を妨げるリスクがあります。食事から過不足なく取り入れるのが基本ですから、多すぎず少なすぎない量に調整しましょう。

先天的にヨウ素不足を起こしている状態は「先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)」と呼ばれて、皮膚の乾燥やむくみ、体重増加不良などが代表的な症状です。
成長ホルモン治療以外のアプローチを考えていく必要があって、足りない甲状腺ホルモンを医薬品から摂取するなど薬物療法を中心とした取組みが検討されます。

ただ、子どもの成長にヨウ素が重要な役割を担っているとはいっても、過剰な摂取は禁物です。
日本人はヨウ素を取りすぎる傾向があるとも言われており、長期間の積み重ねによって、甲状腺機能低下症や筋力低下、体重減少などの症状が起こるリスクもあります。

ヨウ素が多い食品に片寄ったメニューの日には、大豆食品を一緒にとるなど体外への排出を促して、過剰摂取にならないように工夫しましょう。
ヨウ素を含んだサプリメントも売られていますが、本当に摂取する必要があるのかを今一度考え直してください。

ヨウ素の摂取基準は年齢によって異なります


厚生労働省が発表している2015年度版 日本人の食事摂取基準によると、ヨウ素の推奨摂取量は以下のようになっています。

  • 1~2歳 50マイクログラム/日
  • 3~5歳 60マイクログラム/日
  • 6~7歳 75マイクログラム/日
  • 8~9歳 90マイクログラム/日
  • 10~11歳 110マイクログラム/日
  • 12~14歳 140マイクログラム/日

カットわかめ100gには8500マイクログラムものヨウ素が入っていますから、水で戻す前の状態で小さじ1杯くらいをとっただけでも、摂取過剰になってしまいます。
焼き海苔、きざみこんぶなど食卓の常備菜に登場しやすい食材もヨウ素豊富なものは多くて、推奨量をクリアするのは簡単です。

30代、40代と両親の年代でも推奨量は同水準で、130マイクログラム/日とれば充分とされています。
ヨウ素の取り過ぎは甲状腺疾患のリスクを高める事から、過不足ない量について、家族全員で意識したいところです。

日本人の食事摂取基準には、1日あたりのヨウ素上限量も明記があります。

  • 1~2歳 250マイクログラム/日
  • 3~5歳 350マイクログラム/日
  • 6~11歳 500マイクログラム/日
  • 12~14歳 1200マイクログラム/日

この水準を超えないように意識しながら、日々のメニューを考えてみましょう。

ヨウ素サプリメントは慎重な判断が必要です

成長ホルモン治療を検討している親子をターゲットに「身長が伸びる」事をイメージさせるようなサプリメント商品もありますが、慎重な判断が必要です。
ヨウ素が含まれるサプリメントはとくに過剰摂取につながりやすい傾向があって、逆効果となりかねません。

現在のところ、サプリメントが低身長改善に役立つという科学的な根拠はありません。
ヨウ素を配合した商品に限った事ではなく、アミノ酸やビタミンなどを配合したものにしても同様ですから、うたい文句に惑わされずに必要性を考えてみましょう。

サプリメントは医薬品ではないので、どんな栄養素をどのくらい含めるかはメーカーの判断にゆだねられます。医師の処方箋がなくても手に入る気軽さは魅力ですが、配合されている栄養素や期待される働きを理解したうえで購入しないと、思うような効果は得られません。

ヨウ素以外の栄養素に関しても食事からバランスよく取り入れるのが基本で、どうしても足りない分についてだけサプリメントの使用が検討されます。
耳当たりのよい言葉に惑わされず、正しい知識を持った有識者に相談するのも一案でしょう。

(まとめ)成長ホルモンをサポートするヨウ素とは?

1.成長ホルモンをサポートするホルモンの原料がヨウ素です

ヨウ素は、成長ホルモンが分泌されるタイミングで産まれる甲状腺ホルモンの原料になります。骨の発育を成長ホルモンとともに支える役割があって、身長を伸ばすには重要な成分です。

2.食事からヨウ素を過不足なく取り入れます

ヨウ素不足は成長不良を起こしやすい反面、摂り過ぎから生じるリスクも意識しましょう。日本の食生活はヨウ素過剰になりやすいとも言われるため、日々の食事による過不足ない摂取が求められます。

3.ヨウ素の摂取基準は年齢によって異なります

ヨウ素の摂取基準は年齢によって異なりますが、海草類を取り入れた食事なら簡単にクリアできる水準です。子供だけでなく大人のヨウ素摂取も過剰傾向になりやすく、健康管理の一貫として摂取量を調整しましょう。

4.ヨウ素サプリメントは慎重な判断が必要です

子供の発育を促すサプリメント、栄養補助食品にはヨウ素配合商品も多いのですが、本当に必要かを考えてみましょう。身長を伸ばすサプリメントはない、というのが一般的な見解で、期待される効果を正しく理解したうえで判断していく必要があります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
田邊雄医師
たなべ ゆう/Yu Tanabe

 

経歴
2003 年 富山県立富山中部高等学校卒業
2011 年 金沢医科大学医学部医学科卒業
2011 年 順天堂医院 初期研修医
2013 年 順天堂医院 初期研修修了
2013 年 順天堂医院 整形外科入局
2014 年 順天堂大学大学院 整形外科学講座
2013-2018 年 下記順天堂医院関連施設にて勤務・研修
(順天堂本院、順天堂練馬、伊東市民病院、宮川病院、杏雲堂病院、浅草病院、東部地域病院、賛育会病院、王子病院 等)
2018 年 日本整形外科学会認定 整形外科専門医取得
2018 年 順天堂大学大学院 医学博士取得
2018 年 SBCグループ・西新宿整形外科 入職
2018 年 西新宿整形外科  医院長
2019 年 ロコモアドバイスドクター 就任
(「ロコモ チャレンジ!推進協議会」公認)

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 田邊雄医師