身長が伸びない子に酔い止めを飲ませることは推奨できません


酔い止めの成分である「メクロジン」が骨の成長を促進することを発見したことで、子どもの低身長には酔い止めが効果的であるという説が生まれました。
メクロジンは治療法が未だ確立されていない、軟骨無形成症という難病の治療に役立つと言われている成分です。

しかし、これはあくまで難病の治療法として、研究が続けられているものです。
酔い止めはあくまで乗り物酔いなどの症状を抑える薬ですから、正しい用法でない利用の仕方は推奨できないと言えるでしょう。

身長が伸びないことにお悩みの場合は、専門医療機関に相談し、しかるべき治療を受けることが大切です。

本来の目的とは異なった酔い止めの服用を不安視する声もあります

インターネット上で、酔い止めを飲み続けたことで実際に身長が伸びたという話を目にすることがあります。
その真偽については不明ですが、専門家の間では酔い止めの本来の目的とは異なる服用に対し、副作用の危険性が指摘されています。

大学の研究グループが行った試験では、マウスにメクロジンを投与した結果、骨が伸びたのを確認できたという報告が上がっています。
メクロジンは低身長などが引き起こされる軟骨無形成症の治療に有効な成分として期待されていますが、まだ臨床実験の結果は得られていません。

つまり現段階では、人間が使用した場合の効果や適切な投与量などが判明していないことになります。
このメクロジンにまつわる研究結果が、市販の酔い止めを飲むと身長が伸びるという意味に誤解されたものと考えられています。

また、一部の市販の酔い止めには「スコポラミン」という成分が配合されており、このスコポラミンには排尿困難や光に過敏になり過ぎてしまうなどの副作用が報告されています。
そのため、身長が伸びない悩みを解消するために独断で酔い止めを摂取すると、思わぬ副作用が起こるということも十分に考えられるのです。

投薬によって身長を伸ばすのであれば、専門の医療機関など信頼性の高いクリニックを受診しましょう。

身長が伸びない悩みには成長ホルモンの投与が効果的です


投薬により身長を伸ばす治療は、専門医療機関で受けることができます。
子どもの身長外来を設けている医療機関ではメクロジンの服用ではなく、成長ホルモンを注射することで身長が伸びない子ども達の悩みを解消することに努めています。
思春期が終わる頃には骨の成長線である骨端線が閉じてしまうため、成長ホルモンを投与する時期は、なるべく早い方が効果が出やすいと言われています。

成長ホルモンの注射はほとんどの場合、在宅注射によって行われます。
小さなお子さんであっても、保護者の方がサポートをすることで成長ホルモンの投与を受けることができます。
お子さんが注射を嫌がることを心配される方もいらっしゃいますが、注射針が細くて短いため、痛みを感じたとしてもほんの一瞬チクッとする程度です。
痛みを感じづらい注射のやり方についてはクリニックで教えてもらうことができるので、心配はいりません。

成長ホルモンは服用では効果がなく、注射での投与のみ効果を発揮するものです。
注射の必要性についてお子さんともよく話し合い、クリニックとの連携も同時に深めていくことが必要です。

たんぱく質が骨の成長をサポートします

成長ホルモンの投与と併せ、骨の成長を助ける栄養素を効率良く摂取して、身長が伸びない悩みを解消しましょう。
カルシウムは骨を丈夫にする栄養素としてよく知られていますが、実際に骨を伸ばすものとして効果が期待されているのはたんぱく質です。

たんぱく質が豊富に含まれているのは肉や魚、大豆などの豆類になります。

肉類にはたんぱく質も豊富に含まれていますが、食べ過ぎは肥満の原因になるので注意しましょう。
肥満は身長が伸びない原因のひとつと考えられているため、魚や豆類などと合わせてバランス良く摂取すると良いでしょう。

また、たんぱく質の過剰な摂取はカルシウム不足を招くことがあるため、適量を心がけてください。
身長を伸ばすのに効果的な献立について、お子さんの嗜好を踏まえながら、さまざまな料理にチャレンジしてみましょう。

(まとめ)身長が伸びない子に酔い止めを飲ませると背が伸びる?

1.身長が伸びない子に酔い止めを飲ませることは推奨できません

酔い止めを飲むと身長が伸びると言われるのは、含有成分であるメクロジンが骨の成長を促進することが判明したためです。しかし、酔い止めはそもそも身長を伸ばすための薬ではありませんから、異なった用法での摂取は推奨できないでしょう。

2.本来の目的とは異なった酔い止めの服用を不安視する声もあります

酔い止めを本来の目的外で服用する行為について、専門家の間では不安視する声が上がっています。一部の酔い止めにはスコポラミンが含まれ、副作用が報告されているためです。
身長を伸ばすためには、信頼性の高い専門の医療機関などを受診しましょう。

3.身長が伸びない悩みには成長ホルモンの投与が効果的です

子どもの身長外来を設けている医療機関では、成長ホルモンを注射することで身長が伸びない子ども達への治療を行っています。成長ホルモンは基本的に在宅注射となるため、わからない点などについてはクリニックに相談しましょう。

4.たんぱく質が骨の成長をサポートします

カルシウムは骨を丈夫にする栄養素ですが、たんぱく質は骨を伸ばす栄養素として知られています。肉類にたんぱく質が多く含まれていますが、食べ過ぎは肥満の原因となるので摂取量には注意をしましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 齋藤まい医師