睡眠障害は身長が伸びない原因になることがあります


子どもの身長を伸ばすためには、十分な睡眠をとることが重要です。
身長を伸ばすための要素として食事、運動、睡眠が欠かせないと言われており、このうちどれかが欠けても身長が伸びない原因となります。

骨端線の近くにある骨芽細胞には新しい骨を作る働きがありますが、この骨芽細胞にとって潤滑油のような存在になっているのが成長ホルモンです。
成長ホルモンは睡眠中に最も多く分泌されるため、睡眠に何らかの問題があると身長が伸びないという事態を招きます。

睡眠と成長ホルモンには深い関わりがあります

成人(特に高齢者)と比較すると、子どもの睡眠には次のような特徴があります。

  • 睡眠時間が長い
  • 睡眠が深くなる傾向がある
  • レム睡眠が多くなる

また年齢によっても子どもにとって必要な睡眠時間は異なってきます。
生まれたばかりの頃は15~16時間ほどの睡眠時間を必要としますが、小児期に入ると12時間ほどとなり、思春期に至ると8時間と次第に短くなっていきます。

8時間の睡眠時間というのは成人の睡眠時間とほとんど変わりませんが、決定的な違いはレム睡眠の割合が成人よりも多いということです。
レム睡眠には脳内にある情報を整理するという働きがあり、眠りが浅い状態なので夢を見やすいことでも知られています。
子どもにとってレム睡眠は学習したことを記憶するために、とても重要なものになります。

そしてレム睡眠とは反対に深い眠りの状態にあるのがノンレム睡眠になりますが、このノンレム睡眠中に成長ホルモンが最も分泌され、子どもの身長を伸ばすことに繋がります。
ノンレム睡眠の深さには段階がありますが、特に眠りに落ちた直後のノンレム睡眠の時に集中的に成長ホルモンが分泌されると言われています。

そのため、睡眠が十分にとれないと成長ホルモンの分泌を妨げ、身長が伸びないリスクが高まります。

睡眠障害の症状は不眠症だけではありません

眠れない、または眠りが浅くなる経験は誰にでもあるものですが、ぐっすりと眠ることができない日があまりに続く場合は、睡眠障害の疑いがあります。
代表的な睡眠障害には、次のようなものが挙げられます。

不眠症および過眠症

睡眠障害と聞いて最もイメージされやすいのが不眠症です。
寝つきが悪い、眠りが浅いというのはすべて不眠症の症状に当てはまります。
不眠症が続くと頭痛や腹痛が起きたり、イライラしやすくなったりします。

不眠症とは反対に眠り過ぎてしまうのが過眠症です。
夜きちんと寝ているにも関わらず日中に激しい眠気を覚えたり、昼間から眠り続けたりするようであれば、過眠症の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は成人にも多い症状ですが、子どものうちから発症することもあります。
いびきや無呼吸は肥満が原因で気道が狭くなったり、鼻づまりなどで鼻の奥のリンパが腫れたりすることで起こりやすくなります。

呼吸がスムーズにできなくなることから眠りが浅くなり、成長ホルモンの分泌量が減る恐れがあります。

概日リズム睡眠障害

体内時計が狂うことで昼と夜のバランス感覚が崩れ、日常生活に影響を及ぼしやすくなります。
朝起きるべき時間に起きることができず、不登校の原因となりやすいと考えられています。

身長が伸びない睡眠を、身長を伸ばすための睡眠へ変えていきましょう

良い睡眠を得るならば、どれだけ長く眠れたのかという「量」よりも、どれだけぐっすりと眠れたかという「質」を重視するべきです。
塾や習い事などで現代の子ども達は多忙であると言われ、質の良い睡眠をとりにくい環境にあると言われています。

深い眠りにつくためには、心身共にリラックスできる状態にすることが大切です。

  • 就寝直前にテレビやスマートフォン、パソコンなどの画面を見ないようにする
  • 運動は日中に行い、夕方以降は運動をしないようにする
  • 入浴は布団に入る1時間前には済ませる
  • シャワーではなく、湯船に入って身体を温める
  • 就寝前に血糖値を上げないよう、就寝2時間前までに食事を済ませる

睡眠の質が改善されず、成長ホルモンの分泌に不安がある時は迷わず専門医療機関に相談してください。

(まとめ)身長が伸びないことと睡眠に関係はある?

1.睡眠障害は身長が伸びない原因になることがあります

子どもの身長が伸びない原因は数多くありますが、睡眠に関する問題も身長が伸びない原因となります。身長を伸ばすために必要な成長ホルモンは睡眠時間中に多く分泌されるため、不十分な睡眠が続くと身長は伸びづらくなります。

2.睡眠と成長ホルモンには深い関わりがあります

子どもの睡眠は成人と比べて深く長く、レム睡眠の割合が多くなる傾向があります。寝入りばなのノンレム睡眠中に最も成長ホルモンが分泌されるので、睡眠に問題が起こると身長が伸びない可能性が高くなります。

3.睡眠障害の症状は不眠症だけではありません

睡眠障害には不眠症だけでなく、いくつも症状があり、子どもの成長を妨げる原因となります。不眠症の他に過眠症、睡眠時無呼吸症候群、概日リズム睡眠障害などが睡眠障害の主な症状とされています。

4.身長が伸びない睡眠を、身長を伸ばすための睡眠へ変えていきましょう

睡眠は量(睡眠時間)よりも質を重視すると、良い睡眠に繋がります。就寝直前のテレビやスマートフォンの使用をやめる、湯船に浸かって身体をほぐすなど、リラックスできる状態に持って行くことが良い睡眠に繋がります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 齋藤まい医師