骨端線を損傷すると、骨の成長が止まってしまう場合もありえます


骨端線は柔らかい軟骨でできており、転倒や運動時における捻挫や突き指などが原因で、損傷を受けて離開することがあります。
ただ、骨端線を損傷しても、ズレを正して固定するなどの治療により自然回復が目指せます。

しかし、損傷の程度によっては、骨の成長が通常よりも早い段階でストップしてしまう可能性もあります。そのため、骨端線が回復しても継続して、定期的に専門医の診察を受けることが大事です。

骨端線の損傷が骨の成長を妨げる場合があります

骨端線というのは、15歳~18歳位までに間に子どもの骨に存在し、大人になるにつれて自然になくなっていくもので、骨端軟骨板とか成長軟骨などと呼ばれています。
骨端線は子どもの骨の発育させる役割を担っており、大人になって骨端線がなくなると骨の成長もストップします。

また骨端線は軟骨でできているので、レントゲンでもはっきり見えず、うっすらとしか写りません。
さらに、軟骨なので周囲の骨に比べるとかなり柔らかく、強い衝撃を受けると損傷することがあります。

骨端線を損傷は、骨端線以外の骨の骨折を伴う場合もあり、腫れや皮下出血などが見られ、激痛を感じるとされています。

ただ骨折が完治し、腫れや痛みなどが治まったとしても、骨端線が損傷を受けたのであれば、本来よりも早く骨端線の骨の成長がストップする可能性があります。
骨端線の骨の成長が早期に止まると、骨が伸びない成長障害が起こるリスクが生じます。

また、周囲の成長し続ける骨とバランスが取れなくなり、その部位が変形したり、運動機能障害が生じたりすることもあります。

子どもの頃の骨端線の損傷は、転倒などが原因で生じることがあります


ケガによる骨端線の損傷は、特に手首に多く、他にも手の指や足首などの部位で起こりやすいとされています。最も多いのが、転倒した際に手首を地面などについた際の衝撃で損傷するケースで、全体の約4割を占めます。

手がブラブラして力が入らなかったり、神経を圧迫してしびれを感じたりすることもあります。
大人なら骨折してしまう所が、子どもの場合は骨端線の損傷になるのです。

さらに、手の指はボールを使っている際に、ボールで手の指を突く形の損傷も多いようです。
足首の場合は、運動時の起こりやすい捻挫によって骨端線が損傷するケースがあります。

ただ捻挫などで患部が腫れて、痛みがあるのにレントゲンをとっても異常が見られない場合があります。骨端線の損傷は、骨がズレることで外見からも判断しやすい場合とそうでない場合があります。
レントゲンで骨が正常なら、骨端線の異常ではなく捻挫と診断を受けることもあります。

捻挫であっても、骨を固定することで時間がかかりますが、骨端線は自然に治癒していくとされています。

骨端線が回復しても、経過観察のために定期的に専門医を受診することが大事です

骨端線を損傷した際は、まずレントゲンで損傷部位を確認します。
骨端線の損傷程度が軽く、ズレが小さい場合は、そのままギブズで動かないように固定します。
しかし骨端線の損傷程度が重くてズレが大きいと、ギプスだけでは不十分なのでワイヤーを使って固定する手術が行われることもあります。

骨端線のズレが小さい場合は、元の位置に戻るまでには約1ヶ月はかかりますが、骨折を伴っていたり、ズレが大きかったりするとさらに3ヶ月程かかるとされています。
ただ、骨端線が元の位置に戻り、損傷が治ったからといって安心はできません。

骨端線は一度ダメージを受けると、本来であれば18歳位までの骨が成長し続けるのに、18歳頃より早く骨の成長が止まる可能性があるからです。
損傷による後遺症、変形や運動機能障害はすぐに起こるわけではないので、お子さん自身や親御さんも気づきにくいものです。
早期に異常を発見し障害や変形を未然に防ぐためにも、定期的に専門医の診察や検査を受けられることをおすすめします。

(まとめ)骨端線を損傷すると骨が成長しづらくなるって本当?

1.骨端線を損傷すると、骨の成長が止まってしまう場合もありえます

軟骨組織で形成されている骨端線は、転倒時などの衝撃で損傷を受けやすく、離開してしまうこともあります。損傷が治癒しても、その後の骨の成長に阻害する可能性もあるので、定期的な診察や検査を受けることをおすすめします。

2.骨端線の損傷が骨の成長を妨げる場合があります

骨端線は軟骨組織でできているので柔らかく、強い衝撃や継続的な弱いダメージをうけることで、離開してしまう場合もあります。骨端線の損傷程度によっては、軟骨組織の増殖がストップし、骨の成長の妨げるケースもあります。

3.子どもの頃の骨端線の損傷は、転倒などが原因で生じることがあります

骨端線の損傷は手に起こるケースが最も多く、全体の4割を占めます。転倒により地面に手首を強くつくことや、ボールによる手の突き指などが要因となっています。
さらに足の場合は、運動時や転倒によ足首を捻挫すること骨端線も損傷しやすいとされています。

4.骨端線が回復しても、経過観察のために定期的に専門医を受診することが大事です

骨端線の損傷が治っても、一度軟骨組織にダメージを受けることで、骨の成長が止まってしまう可能性もあります。骨の変形や運動機能障害などの後遺症を防ぐためにも、継続的に専門医の診察や検査を受けることが大事だと考えられます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
田邊雄医師
たなべ ゆう/Yu Tanabe

 

経歴
2003 年 富山県立富山中部高等学校卒業
2011 年 金沢医科大学医学部医学科卒業
2011 年 順天堂医院 初期研修医
2013 年 順天堂医院 初期研修修了
2013 年 順天堂医院 整形外科入局
2014 年 順天堂大学大学院 整形外科学講座
2013-2018 年 下記順天堂医院関連施設にて勤務・研修
(順天堂本院、順天堂練馬、伊東市民病院、宮川病院、杏雲堂病院、浅草病院、東部地域病院、賛育会病院、王子病院 等)
2018 年 日本整形外科学会認定 整形外科専門医取得
2018 年 順天堂大学大学院 医学博士取得
2018 年 SBCグループ・西新宿整形外科 入職
2018 年 西新宿整形外科  医院長
2019 年 ロコモアドバイスドクター 就任
(「ロコモ チャレンジ!推進協議会」公認)

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 田邊雄医師