学校と専門医療機関では低身長の判断基準が異なります


低身長の判断基準は、学校での判断方法と専門医療機関での診断方法で違いがあります。
学校ではパーセンタイルという方法を用いて、子どもが低身長であるかどうかを評価します。

パーセンタイル法では同年齢の子どもを伸長の低い順に一列に並べ、その子どもが身長の低い方から何番目(何パーセント)に位置するかを調べます。
この方法では100人中3人が低身長であると判断されます。

一方、専門医療機関ではSDスコアという方法を用い、成長曲線というグラフ上で視覚的に診断をします。SDスコアでは平均身長との差もわかりやすく、パーセンタイル法よりも好まれる傾向にあります。

成長曲線は低身長の判断基準となります

成長曲線には横断的標準成長曲線と縦断的標準成長曲線と呼ばれるものがありますが、一般的には横断的標準成長曲線を利用することが多くなっています。
横断的標準成長曲線とは、ある年度を決めて測定した大勢の子どものデータを基に、年齢ごとの身長と体重の平均値を曲線で繋いで作成したグラフのことです。
成長曲線は男女別に分かれており、さらに0~6歳の子どもを対象としたものと、0~18歳までを対象としたものがあります。

この横断的標準成長曲線のグラフに子どもの身長を記入することで、その子どもの身長が平均身長に対してどれくらい差があるのかを見ることができます。
また、その子どもの成長パターンもわかりやすくなり、どのような成長過程を辿ったのかを一目で確認することができます。

平均値より上の場合は「+1SD」、「+2SD」の曲線が下の場合には「-1SD」、「-2SD」、「-2.5SD」と「-3SD」の曲線が描かれます。
SDとは標準偏差のことを指しますが、SDスコアが「−2SD」より低い身長の割合は1,000人あたり23人と言われ、これに該当すると低身長と診断されます。

低身長を招く原因となるのは骨やホルモンに関わる疾患です


子どもの低身長の原因として考えられるものには遺伝や体質的な要素が絡んでいることも多くあります。しかし、時には骨やホルモンに何らかの問題が生じたことで低身長になっている場合もあります。

ホルモンの病気

甲状腺機能低下症や、成長ホルモン分泌不全性低身長症などが挙げられます。
甲状腺ホルモンの分泌が不足すると身長が伸びづらくなりますが、出産の際に脳腫瘍などで脳にダメージを受けてしまうことで、低身長になってしまうこともあります。

脳の下垂体に障害が生じ、下垂体から成長ホルモンがうまく分泌されず、身長が伸びにくくなって徐々に低身長の兆候が現れてきます。

このような病気に対して専門医療機関では成長ホルモンを投与することで、身長を伸ばす治療を行います。

子宮内での発育不全

早産によって生まれた子どもは子宮内発育不全と呼ばれ、3歳を過ぎると身長が伸びるスピードが落ちることがあります。
このような場合にもカウンセリングの上、専門医療機関にて成長ホルモンの投与を受けられることがあります。

身長のデータを取って成長曲線に記録しましょう

子どもが低身長に当てはまるのかどうか、気に病む保護者の方はとても多く見受けられます。
子どもの成長には個人差もあることから、なかなか判断しづらい場合も多いため、身長のデータを成長曲線に記録することはやはり有効であると言えます。
数値として身長の伸び方を残すことで視覚的にわかりやすくなり、専門医療機関を受診した時にスムーズにカウンセリングを進めることができます。

もし次のパターンに当てはまる場合は、信頼できる専門医療機関を一度受診してみましょう。

・成長曲線上で身長が、-2SD以下に当てはまる
・135cm以下の男の子、130cm以下の女の子で、曲線が上向きになっている
・11歳以下の男の子、10歳以下の女の子で身長が平均以下であり、曲線が上向きになっている

成長ホルモンの治療は早い年齢のうちから始めることが効果的です。
気になる症状があれば専門医療機関に相談しましょう。

(まとめ)子どもが低身長かどうかを判断する基準とは?

1.学校と専門医療機関では低身長の判断基準が異なります

低身長の判断基準には学校で用いられるパーセンタイル法と、専門医療機関で用いられるSDスコアという方法があります。SDスコアの方が平均身長との差がわかりやすく、パーセンタイル法よりも好まれることが多いです。

2.成長曲線は低身長の判断基準となります

横断的標準成長曲線とはある年度を定め、測定した多数の子どものデータを基に、年齢ごとの身長と体重の平均値を曲線で繋いでグラフ化したものです。SDスコアが「−2SD」より低い身長の場合、低身長であると診断されます。

3.低身長を招く原因となるのは骨やホルモンに関わる疾患です

子どもの低身長の原因には遺伝的なものや体質的なものが多いですが、まれに病気が原因で低身長になることがあります。甲状腺機能低下症、成長ホルモン分泌不全性低身長症、子宮内での発育不全などが挙げられます。

4.身長のデータを取って成長曲線に記録しましょう

子どもが低身長であるかどうか判断の基準とするには、やはり成長曲線に身長の記録をすることが役立ちます。気になる症状があればすぐに専門医療機関を受診し、不安に思う点について相談してみましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
田邊雄医師
たなべ ゆう/Yu Tanabe

 

経歴
2003 年 富山県立富山中部高等学校卒業
2011 年 金沢医科大学医学部医学科卒業
2011 年 順天堂医院 初期研修医
2013 年 順天堂医院 初期研修修了
2013 年 順天堂医院 整形外科入局
2014 年 順天堂大学大学院 整形外科学講座
2013-2018 年 下記順天堂医院関連施設にて勤務・研修
(順天堂本院、順天堂練馬、伊東市民病院、宮川病院、杏雲堂病院、浅草病院、東部地域病院、賛育会病院、王子病院 等)
2018 年 日本整形外科学会認定 整形外科専門医取得
2018 年 順天堂大学大学院 医学博士取得
2018 年 SBCグループ・西新宿整形外科 入職
2018 年 西新宿整形外科  医院長
2019 年 ロコモアドバイスドクター 就任
(「ロコモ チャレンジ!推進協議会」公認)

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 田邊雄医師