低身長の治療前に血液検査をするのは臓器に異常がないかを調べるためです


専門医療機関では、臓器に異常がないかを調べるために血液検査を行います。
低身長の治療前の流れとしては、問診、診察、検査となるのが一般的です。

検査は血液検査以外にも骨の検査や尿検査などを行い、低身長の原因がどこに隠されているかを丁寧に調べていきます。
また血液検査では、IGF-I(ソマトメジンC)という成長ホルモンと深い関わりを持つ成長因子について調べ、成長ホルモンが正常に分泌されているかを検査します。

小児慢性腎不全は低身長の原因となります

小児慢性腎不全は10万人に2.90人の確率で起こるとされる、腎臓の機能が低下する病気です。
腎臓の機能が正常な腎臓と比べて60%未満まで下がると、腎機能低下と診断されます。

小児慢性腎不全はさらに腎臓の機能が低下した状態が3ヶ月以上続いているというもので、国から難病として指定されています。

腎臓には体内の老廃物を捨てたり、水分量や電解質、血圧などを調整したりする役割があります。
また骨を作るために必要なビタミンDを活性化させる役割も持つため、腎臓の機能が低下すると低身長の原因となることがあります。

小児慢性腎不全がもたらす症状はそれだけにとどまらず、あらゆる症状を引き起こします。
むくみ、疲労感、食欲不振、高血圧、めまい、頭痛などは自覚症状があるので小児慢性腎不全を発見するきっかけになりますが、まれに自覚症状がないまま、発見が遅くなってしまうこともあります。
小児慢性腎不全の原因は先天性の腎臓障害や腎尿路奇形などによるものが多いですが、難治性ネフローゼ症候群やIgA腎症などが原因となるケースも見られます。

小児慢性腎不全はステージ1~5に分類され、最も症状が重いステージ5では末期腎不全という、かなり深刻な状態となります。
通常は投薬や食事療法などで治療を試みることができますが、ステージ5の場合は透析による治療を行うことがあります。

小児慢性腎不全が原因の低身長は成長ホルモン治療の対象となります


専門医療機関では、低身長の治療として成長ホルモンの投与を行っています。
成長ホルモンによる治療は全ての低身長症を対象としてのものではなく、あくまで成長ホルモンの不足がもたらす低身長について治療可能としています。

小児慢性腎不全は成長ホルモンの受容体となるものが少ないことから、IGF-1が低下してしまいます。
また性ホルモンが活性化しづらくなるため、成長ホルモンの分泌量が減ってしまうこともわかっています。このことから、小児慢性腎不全は成長ホルモン治療の対象と認められており、専門医療機関の指導の下で成長ホルモン治療を受けることができます。

食事療法や透析など、すでに小児慢性腎不全に対する治療を行っている場合は、専門医療機関の医師に一度相談をしたほうが良いでしょう。
透析はあくまでも一時的な治療に過ぎないことから、小児慢性腎不全患者のご家族には腎移植という選択肢もあります。

腎移植が成功すれば透析から解放されるだけではなく、合併症である低身長も改善される可能性があります。
小児慢性腎不全が低身長を招いている場合は、特に医師との連携を確かなものにし、信頼関係を築くことが大切になります。

小児慢性腎不全による低身長は小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象です

小児慢性特定疾病医療費助成制度とは、国から指定難病と認められた病気の医療費に対して、所得に応じた助成金が支給されるという制度です。
いくつかの条件がありますが、腎機能の低下による低身長は小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象となっています。

小児慢性特定疾病医療費助成制度の認定を受けるには、お住まいの都道府県にある保健福祉担当課や保健所などの窓口への申請が必要です。
用意する主な書類は、特定医療費支給認定申請書、診断書、住民票や健康保険証の写し、市町村民税(非)課税証明書などとされています。

必要書類を提出した後に都道府県による審査が行われ、審査に通って認定されると医療受給者証が交付されます。
詳しいことは、子どもの低身長治療を行っている専門医療機関に相談してみましょう。

(まとめ)低身長の治療前に血液検査をするのはどうして?

1.低身長の治療前に血液検査をするのは臓器に異常がないかを調べるためです

専門医療機関で低身長の治療前に血液検査を行うのは、臓器に異常がないかを調べるためです。また成長ホルモンが正しく分泌されているかについても、血液検査でIGF-Iという成長ホルモンと深い関わりを持つ成長因子についてを調べることで判明します。

2.小児慢性腎不全は低身長の原因となります

小児慢性腎不全は国から難病指定されている、腎臓の機能が著しく低下する病気です。合併症としては低身長のほか、むくみ、疲労感、食欲不振、高血圧、めまい、頭痛などを引き起こすことがあります。

3.小児慢性腎不全が原因の低身長は成長ホルモン治療の対象となります

小児慢性腎不全は成長ホルモンの受容体となるものが少なく、性ホルモンも活性化しづらいことから、成長ホルモン治療の対象と認められています。食事療法や透析など、すでに小児慢性腎不全に対する治療を行っている場合は、専門医療機関に相談をしましょう。

4.小児慢性腎不全による低身長は小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象です

小児慢性特定疾病医療費助成制度とは、国から指定難病と認められた病気の医療費に対して、所得に応じた助成金が支給される制度です。小児慢性腎不全による低身長は、小児慢性特定疾病医療費助成制度の対象と認定されています。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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院長 齋藤まい医師