低身長のお子さんでも身長の伸び率を上げることは可能です


お子さんが低身長であると診断されたからといって、身長の伸び率が上がらないわけではありません。

子どもが低身長となる原因はいくつも考えられますが、思春期を過ぎる前で成長ホルモンの不足がもたらす低身長であれば、身長の伸び率を上げることはできます。
専門医療機関による成長ホルモン治療のほか、保護者の方がご家庭でできる工夫もたくさんあります。

低身長は治らないと決めつけて諦めてしまわず、まずは専門医療機関のカウンセリングを受けてみましょう。

子どもの低身長はさまざまな疾患が原因となります

子どもが低身長となってしまう原因には、さまざまな疾患が考えられます。
標準的な子どもの成長の過程と比較して、成長に遅れが見られることを「低身長症」と呼ぶこともありますが、この低身長症を引き起こしている原因の中に、さらに原因となる疾患が隠されています。

低身長の原因とされる疾患には以下のものがあるでしょう。

・成長ホルモン分泌不全性低身長症
・SAGA性低身長症
・ターナー症候群
・性腺機能低下症
・軟骨無形成症
・ヌ-ナン症候群
・プラダー・ウィリー症候群
・消耗性慢性疾患
・愛情遮断症候群
・非内分泌性低身長症
・脳腫瘍
・慢性腎不全

低身長で専門医療機関を受診する子どもの中で、何らかの疾患が原因で低身長となっている子どもの割合は、決して多くはないとされています。
実際に治療を受けるのは全体の20~30%とも言われており、病気以外の原因で低身長となっている場合は、そもそも治療をする必要がなく、また治す方法もありません。

裏を返せば、疾患が原因で低身長となっているのであれば回復の見込みがあるため、専門医療機関にて適切な治療を受けることが良いと言えます。
注意点として、すべての疾患が専門医療機関での治療を受けられる対象ではなく、あくまで成長ホルモンの分泌に異常が見られる疾患に限られます。

骨端線の閉鎖に関わりのない下記の疾患であれば、専門医療機関での成長ホルモン投与による治療が利用できます。

・成長ホルモン分泌不全性低身長症
・SAGA性低身長症
・ターナー症候群
・プラダー・ウィリー症候群
・慢性腎不全
・軟骨無形成症

骨端線の閉鎖を伴わない低身長の治療は専門医療機関で受けることができます


成長ホルモン治療とは自宅で毎日、自己注射によって成長ホルモンを投与するという治療法になります。投与するタイミングは就寝前が最も効果的とされ、子どもの体重によって投与する量が変わってきます。

注射が苦手な子も多いですが、成長ホルモン治療で使われる注射器はペン型であったり、針がとても細いものであったりと、子どもに痛みや恐怖感をなるべく与えないような配慮がなされています。
自宅で治療を開始する前には、専門医療機関で注射器の使い方などの指導を受けられます。

治療を始めるにあたり、不安な点があってもここで解消することができます。
成長ホルモン治療が骨端線の閉鎖を伴わない場合と限られているのは、骨端線が閉じてしまうといくら成長ホルモンを投与しても身長を伸ばすことができないためです。

規則正しい食生活を実践しましょう

日々の食事の内容は、子どもの身長を伸ばすために非常に大切なものとなります。
口から体内に取り入れた食べ物が、人間の身体を作り上げているからです。

毎日の食事を振り返ってみた時に、気づいたことはないでしょうか。
例えば好き嫌いが多かったり、お菓子が食事の一部となったりしているのであれば、それは規則正しい食生活とは言えません。
食物アレルギーの場合は別として、子どもの好きなものを重点的に食べさせ、嫌いなものは避けるといった食生活では身長が伸びやすい身体作りができません。

また身長を伸ばすためにカルシウムを多く含んだものを食べさせることは、身長を伸ばすことにはならないことがわかっています。
カルシウムの働きは骨を作ることなので、骨を伸ばすタンパク質を摂らなければ身長は伸びません。

栄養素に偏りのない、バランスの良い食事を心がけていきましょう。

(まとめ)低身長と診断されたら身長の伸び率はもう上がらない?

1.低身長のお子さんでも身長の伸び率を上げることは可能です

低身長だから子どもの身長の伸び率が上がらないということはありません。思春期を過ぎる前で成長ホルモンの不足がもたらす低身長であれば、身長の伸び率を上げられる可能性があります。
諦めてしまう前に、まずは専門医療機関のカウンセリングを受けましょう。

2.子どもの低身長はさまざまな疾患が原因となります

子どもの低身長を招いている疾患には、数多くのものがあります。成長ホルモン分泌不全性低身長症など骨端線の閉鎖に関係のない疾患であれば、専門医療機関での成長ホルモン投与で高い効果が望めます。

3.骨端線の閉鎖を伴わない低身長の治療は専門医療機関で受けることができます

成長ホルモン治療は自己注射によって行いますが、専門医療機関での指導を受けてからとなるため、安心して治療を始められます。骨端線の閉鎖を伴わないことが条件とされているのは、骨端線が閉じると成長ホルモンを投与しても身長が伸びないためです。

4.規則正しい食生活を実践しましょう

食物アレルギーである場合を除き、子どもの好き嫌いに任せているような食事内容では、身長が伸びやすい身体作りができません。タンパク質を中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
田邊雄医師
たなべ ゆう/Yu Tanabe

 

経歴
2003 年 富山県立富山中部高等学校卒業
2011 年 金沢医科大学医学部医学科卒業
2011 年 順天堂医院 初期研修医
2013 年 順天堂医院 初期研修修了
2013 年 順天堂医院 整形外科入局
2014 年 順天堂大学大学院 整形外科学講座
2013-2018 年 下記順天堂医院関連施設にて勤務・研修
(順天堂本院、順天堂練馬、伊東市民病院、宮川病院、杏雲堂病院、浅草病院、東部地域病院、賛育会病院、王子病院 等)
2018 年 日本整形外科学会認定 整形外科専門医取得
2018 年 順天堂大学大学院 医学博士取得
2018 年 SBCグループ・西新宿整形外科 入職
2018 年 西新宿整形外科  医院長
2019 年 ロコモアドバイスドクター 就任
(「ロコモ チャレンジ!推進協議会」公認)

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 田邊雄医師