低身長の治療には医療保険が適用されます


低身長の治療とは成長ホルモン治療のことを指しますが、専門医療機関で成長ホルモン治療が認められると、医療保険が適用されます。
日本の医療保険制度では国民のすべてが医療保険に加入することを義務づけており、加入者は基本的に3割の自己負担額で治療を受けることができます。

医療保険が適用されれば成長ホルモン治療にかかる費用を安く抑えられますが、子どもの成長ホルモン治療は治療期間が長くなるため、どうしても負担額がかさんでしまいます。
このような治療費の負担を考慮し、日本では医療保険の適用だけでなく、さまざまな助成制度が設けられています。

成長ホルモン治療は小児慢性特定疾病制度の助成対象となります

小児慢性特定疾病制度とは、患者となる子どもの家庭が負担する医療費を軽減するために設けられた制度です。子どもの病気であればすべてが助成の対象となるわけではなく、対象となる疾患については定められています。

対象となる疾患には慢性腎疾患、内分泌疾患、先天性代謝異常、染色体や遺伝子に変化を伴う症候群などがあります。
成長ホルモン治療で、小児慢性特定疾病制度の対象となる疾患についても別途定めがあり、次の疾患が対象とされています。

・成長ホルモン分泌不全性低身長
・ターナー症候群
・軟骨無形性症、または軟骨低形成症
・プラダー・ウィリー症候群
・ヌーナン症候群
・慢性腎不全による低身長症
・後天性下垂体機能低下症、または先天性下垂体機能低下症

成長ホルモン治療で小児慢性特定疾病制度の助成を受けるには、治療開始基準と治療継続の認定基準を満たすことが条件となります。
疾患ごとに基準が異なり、現在の身長や1年間における成長の度合いなどについて、性別や年齢ごとに細かく定められています。

小児慢性特定疾病制度の対象は基本的に18歳未満の児童とされていますが、継続して治療が必要と認められた場合に限り、20歳になるまで延長して制度を利用することができます。
また男の子であれば156.4cm、女の子であれば145.4cmになると、助成は終了となります。

小児慢性特定疾病制度を利用するには手続きが必要となります


小児慢性特定疾病制度を利用するためには、申請手続きをすることが必要となります。
健康保険や各種共済などの場合は子どもを扶養する者、一般的には両親が申請手続きをすることになります。国民健康保険の場合には、患者となる子どもの保護権を有する者が申請者となるとされています。

小児慢性特定疾病制度の申し込みをするにはまず、小児慢性特定疾病の指定医となっている専門医療機関を受診します。
医療意見書という書類を出してもらい、住んでいる地域の保健所や自治体の窓口に提出をします。

審査を経て、小児慢性特定疾病と認定されることで医療券が公布され、専門医療機関での治療費が助成されます。

助成される金額には上限があり、世帯所得などの条件によって異なります。
また申請手続きをするにあたり、必要となる書類はほかに何種類もあります。

・申請書兼同意書
・受診医療機関申請書
・世帯調書
・医療保険証の写し
・住民票

小児慢性特定疾病制度は有効期限が1年と定められており、医療券の有効期限が切れる前に毎年手続きが必要となります。

小児慢性特定疾病制度以外の助成制度を受けられることがあります

小児慢性特定疾病制度は審査に通ることで助成の対象とはなりますが、もし審査に通らない場合でも他の助成制度を利用することで治療費の負担を軽くすることができます。
小児慢性特定疾病制度以外の主な制度は下記になります。

乳幼児医療費助成制度

義務教育前の6歳までを対象とした制度になります。
医療保険で負担した治療費について助成され、自治体によって助成内容が異なります。

子ども医療費助成制度

6~15歳の義務教育を受けている子どもが対象となります。
対象年齢は自治体によって違いがあり、0歳から15歳としているところや他の名称で制度を設けている場合もあります。

成長ホルモン治療は思春期を過ぎてしまうと効果が出なくなる可能性が高いため、早い時期に治療を開始することが重要です。
専門医療機関に相談しながら、医療保険の適用や各種助成制度を利用して治療に臨みましょう。

(まとめ)低身長の治療に保険は適用されるの?

1.低身長の治療には医療保険が適用されます

専門医療機関で成長ホルモン治療が認められると医療保険が適用され、治療費を安く抑えることができます。成長ホルモン治療は長期間にわたるため、治療費がかさんでしまうことを考慮して、医療保険の適用以外にもさまざまな助成制度があります。

2.成長ホルモン治療は小児慢性特定疾病制度の助成対象となります

小児慢性特定疾病制度は18歳未満を対象とした、医療費の負担額を軽減するために設けられた制度です。継続して治療が必要と認められた場合には20歳になるまで助成制度を受けられ、成長ホルモン分泌不全性低身長、ターナー症候群などの疾患が対象となります。

3.小児慢性特定疾病制度を利用するには手続きが必要となります

小児慢性特定疾病制度は専門医療機関での手続きなどを経て、医療券が交付されることで利用することができるようになります。有効期限が1年のため、医療券の有効期限が切れる前に毎年手続きをする必要があります。

4.小児慢性特定疾病制度以外の助成制度を受けられることがあります

小児慢性特定疾病制度以外にも、乳幼児医療費助成制度や子ども医療費助成制度を利用して治療費の負担を軽くすることができます。これらの助成制度や医療保険を利用して、低身長の治療に臨みましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
田邊雄医師
たなべ ゆう/Yu Tanabe
経歴
富山県立富山中部高等学校卒業
金沢医科大学医学部医学科卒業
順天堂医院 初期研修医
順天堂医院 初期研修修了
順天堂医院 整形外科入局
順天堂大学大学院 整形外科学講座
下記順天堂医院関連施設にて勤務・研修
(順天堂本院、順天堂練馬、伊東市民病院、宮川病院、杏雲堂病院、浅草病院、東部地域病院、賛育会病院、王子病院 等)
日本整形外科学会認定 整形外科専門医取得
順天堂大学大学院 医学博士取得
SBCグループ・西新宿整形外科 入職
西新宿整形外科  医院長
ロコモアドバイスドクター 就任
(「ロコモ チャレンジ!推進協議会」公認)

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 田邊雄医師