子供の身長は遺伝以外の要素も関係します


子供の身長には、両親の遺伝が関係するのは確かですが、親が低身長でも子供が高身長になることはあります。
そのため、あくまで一つの要素として考えておくことが大切と言えるでしょう。

遺伝以外にも、身長の伸び方には環境的要素などが関係しているのです。
環境的要素には、食生活や生活習慣などがあります。

心理的要素などが関係してくることもありますが、まずは食事・睡眠・運動を充実させることが大切です。

低身長の遺伝は家族性低身長症です

子供の低身長の原因が特定できない場合は、突発性低身長症と診断されることがあります。
これは低身長症の約7割を占める原因で、その中に含まれているのが家族性低身長症です。

この家族性低身長症とは、つまり医学的に認められた遺伝による低身長と言えます。

低身長に遺伝が関係することがあるということを前提に、子供の最終身長を予測する計算式もあります。1950年代初頭にアメリカで発表された計算式ですから、かなり昔ながらの考え方と言えますが、遺伝から割り出す子供の最終身長予測の計算式を気にするという人はいらっしゃるでしょう。

どの程度の確率で親の身長が子供に遺伝するのかは、未だ解明されていません。
実際、親が低身長でも子供がはるかに高身長になる例は多く、逆のパターンもあります。

平均的には、日本人の身長は昔に比べて大きく伸びています。
栄養状態や生活環境も変わっていることから、これらが身長の伸びに影響していることは間違いありません。

先天的な要素と後天的な要素が関係して、子供の成長は決まってくるようです。

病気以外の低身長の原因は4つ挙げられます


病気以外で子供の身長が低くなる要因には、栄養・睡眠・運動・愛情の欠如が挙げられます。
小食や偏食が続く子供は、栄養不足によって低身長になりやすくなります。
栄養バランスの良い食事を、カロリーも考えながら食べさせることが大切です。

睡眠中には、骨の成長を促して身長を伸ばす成長ホルモンが多く分泌されます。
特に深い眠りに入っているときに分泌されやすいため、熟睡できる環境を整えることが大切です。

日中に適度に体を動かしておくと、夜熟睡しやすくなります。

3つのライフスタイルに関係する要素に加えて、愛情の欠如が身長の伸びに関係することに違和感を覚える方もいるかもしれません。
医学的にも愛情遮断性低身長という症状があり、強いストレスがきっかけとなって起こるといわれています。

虐待やいじめ、子供時代にショックな体験をするなどが原因です。
情緒が不安定になると、睡眠や食事に影響が出てくるため、成長ホルモンの分泌に影響が出てきます。
子供が安心して過ごせるように配慮することが、低身長を防ぐことにもつながります。

思春期の過ごし方が身長の伸びに影響を与えます

思春期は、生後からの1年に次いで急激に身長が伸びる時期と言われています。
思春期の到来は男女それぞれに平均があり、どちらかというと女児のほうが早く思春期を迎える傾向にあります。

身長がどのくらい伸びるかというのも、この思春期で決まっています。
女児の場合は22cm前後、男児の場合は25cm前後ほど思春期で身長が伸びると言われており、思春期が訪れる前の身長は重要な要素です。

思春期は、遅く迎えたほうが成人身長が高くなる傾向にあるといいます。

眠りを誘うホルモンにメラトニンがありますが、メラトニンには性成熟を抑制する働きもあります。
つまり、メラトニンを多く分泌させれば、思春期を遅く迎えることができて身長をグンと伸ばせるというのです。

メラトニンは夜暗くなると分泌され、眠りの質にも深く関わっています。
よく寝る子は育つというように、メラトニンを多く分泌させて自然と眠りについていると、成長ホルモンが多く分泌されます。
これにより、身長が無理なく伸びる可能性が高まってくるのです。

(まとめ)子供の身長と遺伝の関係は?

1.子供の身長は遺伝以外の要素も関係します

子供の身長は親からの遺伝を無視することはできないものの、環境的要素に左右されるのも事実です。睡眠・食事・運動といった環境的要素をまずは充実させることで、身長が伸びる可能性が高まってきます。

2.低身長の遺伝は家族性低身長症です

低身長の原因を特定できない症状の中に、家族性低身長症があります。遺伝による低身長は、医学的にも認められているわけです。
ただし、実例を見ると、遺伝とは無関係なように子供の身長が表れていることもあります。
環境的要素も、大きく関係する証拠です。

3.病気以外の低身長の原因は4つ挙げられます

栄養・睡眠・運動といった3つの生活環境要素は、子供の低身長に大きく関係しています。この他、愛情の欠如やストレスを受けるといった心理的な要因によって低身長になる子供もいます。
子供の精神状態には、十分に配慮してあげることが重要です。

4.思春期の過ごし方が身長の伸びに影響を与えます

思春期を過ぎると、最終身長、つまり成人身長を迎えるといいます。つまり、思春期が来るのを遅らせると、身長が伸びる機会を増やせるとも考えられるのです。
眠りに誘うメラトニンというホルモンが多く分泌されると、思春期を遅く迎えられるともいいます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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院長 齋藤まい医師