骨端線の成長は遺伝の影響を受けることがありますが身長に影響するのは遺伝だけではありません


骨端線の成長が、両親からの遺伝を受け継ぐことはあると言われています。

しかし、子供の身長は骨端線の遺伝だけが影響するとは限らないという意見が、遺伝子研究の専門家から挙がっているようです。
子供の顔立ちが両親と似るケースが多いように、骨端線の成長も両親からの遺伝をある程度は受け継ぐと言えます。

ただし、子供の身長の伸び方は生活環境による影響も大きいため、両親の身長が高くなくても骨端線が成長する可能性は十分にあります。

骨端線の成長に影響するのはホルモンの働きです

両親からの遺伝を受け継ぐ可能性はあるのですが、骨端線の成長に影響するのはホルモンの働きによるところが大きいと言われています。

人間が体内に持っているホルモンの種類は100種類以上もあるとされ、それぞれが正常な働きをすることで、身体のさまざまな機能に深く関わっています。
子供の身長を伸ばす働きをするホルモンは成長ホルモンと甲状腺ホルモン、性ホルモンの3つになるのです。この3つのホルモンの分泌が不足すると骨端線が成長せず、子供の身長が伸びにくくなります。

成長ホルモン

脳から受けた指令により、下垂体から分泌されるホルモンです。
筋肉や臓器で行われている代謝を促す働きがありますが、肝臓に作用するとソマトメジンC(IGF-I)という物質を作り出します。

ソマトメジンCには軟骨を増やす効果があり、骨端線の成長に大きく影響するのです。

甲状腺ホルモン

甲状腺ホルモンには代謝を促す働きや、交感神経を活発にする働きがあり、また身体の発達にも関わりを持ち、骨を成長させて子供の身長を伸ばしてくれます。

成人女性に多いと言われるバセドウ病は、甲状腺ホルモンのバランスが崩れることで起こるものです。

性ホルモン

性ホルモンは主に思春期に骨を成熟させ、急激な身長の伸びと関係しています。
二次性徴や成長のスパートと呼ばれる時期に分泌が多くなり、成人身長へと導いてくれるのです。
成長のスパートを迎えるタイミングには個人差があります。

子供が低身長になる原因は数多くあります


子供の身長が伸びにくくなる原因は、さまざまなものが考えられます。
両親の遺伝の影響だから仕方ないと決めつけずに、原因がどこにあるのか探ることが大切です。

骨端線の成長を妨げている原因によっては、成長ホルモン治療で改善することができるでしょう。

SGA性低身長症

子宮内での発育が十分ではないと、生まれてくる子供は標準よりも小さい身体になります。

SGA性低身長症と診断されても、多くの子供は3歳までに身長が伸びると言われていますが、まれに身長の伸びが見られないこともあるそうです。
一定の条件を満たす場合は、成長ホルモン治療の対象となります。

成長ホルモン分泌不全性低身長症、甲状腺機能低下症

出産の際になんらかの原因によって脳の下垂体にダメージを受けると、成長ホルモンの分泌が低下し、その後の身長が伸びにくくなります。

また甲状腺ホルモンの分泌が少ない場合も同様に、低身長の兆候が見られることがあるそうです。不足しているホルモンを補うことで、骨端線の成長を促すことが可能です。

睡眠不足が骨端線の成長を妨げると考えられています

両親からの遺伝を受けているかいないかに関わらず、乱れた生活習慣が子供の身長が伸びにくい環境を作り出していることがあります。

偏った食事や運動不足などが指摘されていますが、睡眠不足が骨端線の成長を阻害していることが多くの研究結果から証明されているのです。

成長ホルモンは就寝中にもっとも多く分泌されることがわかっており、睡眠と骨端線の成長には深い関係があります。
しかし現代の子供はスマートフォンやゲームの普及で寝る時間が遅くなり、睡眠不足になりやすいそうです。
子供の身長が伸びづらいのは、質の良い睡眠をとれていない可能性が考えられるでしょう。

睡眠ホルモンの一種であるメラトニンは、電子機器の影響で分泌量が減少することがあるとされています。
メラトニンの不足が睡眠障害を招き、結果的に低身長を引き起こすと考えられています。

子供の睡眠環境について、改善できる点は積極的に改善しましょう。

(まとめ)骨端線の成長は遺伝の影響を受ける?

1.骨端線の成長は遺伝の影響を受けることがありますが身長に影響するのは遺伝だけではありません

骨端線の成長は両親の遺伝の影響を受けることがありますが、両親の身長が高くなくても子供にそのまま遺伝するとは限りません。
子供の身長は生活環境の影響を受けるため、遺伝だけが身長の高さを決めるわけではないのです。

2.骨端線の成長に影響するのはホルモンの働きです

子供の骨端線の成長は両親からの遺伝の影響を受ける可能性があります。
しかし、遺伝だけが子供の身長を決めるのではなく、成長ホルモンや甲状腺ホルモン、性ホルモンの働きが関わってきます。

3.子供が低身長になる原因は数多くあります

子供の低身長は遺伝だからと諦めずに、専門のクリニックを受診して原因を突き止めることが大切です。
骨端線の成長を妨げている原因によっては、成長ホルモン治療の対象となり、治療を受けることができます。

4.睡眠不足が骨端線の成長を妨げると考えられています

長期的な睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、子供の身長を伸びにくくしていると考えられています。
両親からの遺伝を受けているかどうかに関わらず、乱れた生活習慣が骨端線の成長に影響することを覚えておきましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 齋藤まい医師