自己血輸血

輸血の必要性

手術の中でも輸血をしなければなら無い手術があります。
中でも、脚部における人工関節置換術、背骨などの範囲の広い手術・固定術等の手術では輸血の必要性が高くなります。
また、輸血の必要性がない小さな手術でも、胃や十二指腸潰瘍等の症状で出血が伴う場合、稀ではありますが輸血することがあります。

輸血の副作用

「同種血輸血」では他人の血を輸血する為、その人の持つウイルスによって病気や感染症に感染してしまったり、血の繋がりがある人から輸血した際に起こる輸血後移植片対宿主病、免疫力の低下、等の副作用が引き起こされます。
医療技術が発達した現在では血液中のウイルス検査の精度が上がった為、ウイルス感染のリスクは下がりましたが、完璧に血液感染を避けることはできません。
その為、自分の血液を用いた自己血輸血が推奨されています。

自己血輸血の方法

■貯血式自己血輸血

手術までの待機時間中に採血を行い、手術中に輸血する手法です。

■術前血液希釈式自己血輸血

予め多量の血液を採血し、点滴で薄めて手術を行い、手術が終わった後に輸血を行う方法です。

■術中回収式自己血輸血

手術中にでた血液を掻き集め、生理食塩水で浄化した後に赤血球のみを輸血する方法です。

■術後回収式自己血輸血

手術終わりに血液をチューブで集め、フィルターを介して輸血する方法ですが、血液洗浄を行う場合と行わ無い場合があります。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 沼倉 裕堅 院長 Hirokata Numakura

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
    日本再生医療学会
    日本四肢再建・創外固定学会