腓骨神経麻痺

症状

下腿の外側から足の甲ならびに小指を除いた甲の背側にかけて感覚に障害が生じ、しびれが生じたり、触った感じが鈍くなります。
足首(足関節)と足指(趾)が背屈出来なくなり、下垂足(drop foot)になってしまいます。

原因と病態

■原因

最も多く見受けられるのは、腓骨頭部(膝の外側)が外部から圧迫されてしまうことにより生じるものです。下肢の牽引等で仰向けに寝た状態が続いたり、ギプス固定をしている際に腓骨頭部が後ろから圧迫を受けると起こります。
ガングリオンなどの腫瘤、腫瘍、開放創、挫傷、腓骨頭骨折やその他の膝の外傷などでも生じます。

■病態

膝関節の後ろ側で坐骨神経から腓骨神経が分かれ、腓骨神経が膝の外側にある腓骨頭の後ろを巻きつくかのように走行します。その部分は神経の流れが乏しく、骨、皮膚、皮下組織の間に神経があるため、外側の圧迫によって簡単に麻痺が生じてしまいます。

診断

下垂足が発症し、前述した感覚障害があり、ティネルサイン(神経傷害部に衝撃を与えた際、その支配領域に疼痛が放散する)があると障害部位が特定できます。腰部椎間板ヘルニアや坐骨神経障害との判別が必要な場合があります。確定診断では筋電図検査、レントゲン検査、MRI検査、超音波検査などを必要と判断された場合、行います。

治療

骨折や脱臼等の外傷、腫瘤によるものは早期に手術が必要とされます。原因が明らかでなく、回復の兆しが見られた場合は保存的治療にて治療を行います。3ヶ月様子を見て回復しなかったり、麻痺が進行するものの場合は手術が必要になります。

■保存的療法

圧迫の除去・回避、患部の安静、投薬、運動療法などが用いられます。

■手術療法

骨折、脱臼などの外傷で手術が必要と判断された場合や、腫瘤のあるものは手術を行います。神経損傷が認められた場合は、神経剥離、神経縫合、神経移植の手術が行われます。手術で回復の望みが見込めないものは腱移行手術(他の筋肉で動かせるようにする手術)を行います。詳しくは整形外科医にご相談ください。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 川原 昭久 院長 Akihisa Kawahara

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
  • 【資格】
    日本専門医機講認定 整形外科専門医
  • 【学会発表実績(筆頭演者として)】
    神奈川整形災害外科研究会