転移性脊椎腫瘍

症状

癌によって脊椎が侵され、背部痛や腰痛などが生じ、脊髄を圧迫してしまっている場合には麻痺を引き起こす場合もあります。

原因と病態

癌細胞が脊椎の骨に流れていき、そこで癌細胞が繁殖することによって骨を破壊します。骨を破壊されたことにより、脊椎が支えられなくなると最終的に骨折にまで至ります。骨折によって生じた骨片や腫瘍の膨らみにより脊髄が圧迫されると今度は麻痺が起こります。

診断

レントゲンでの骨の損壊具合(融解・骨折)、MRI検査での腫瘍病変によって診断されます。他の骨に転移していないかどうか、それを調べるために骨シンチグラフィーにて検査します。また、病的骨折のリスクを確認する場合、CT検査を実施します。

治療

原因となる癌に対し、化学療法・ホルモン療法を行うのが基本です。骨融解型から骨硬化型へ薬剤を用いて変化させます。局所的な場合、腫瘍が肥大化したことによって症状が出ている場合には、放射線照射を行います。放射線照射や化学療法は骨破壊が進んで脊柱の支持性が無くなってきた場合無効なため、脊椎固定術といった手術が必要になります。

転移性脊椎腫瘍は、全身と局所のバランスを取りながら、癌の種類や病気の進行具合など症例ごとに最適な治療方法を選択しなければなりません。どの治療が適しているとは一概には言えないので症例ごとにあった治療法を検討し、治療を行なっています。

転移性脊椎腫瘍について医師が解説

原発巣は胃癌や肝癌などの消化器系癌、肺癌、甲状腺癌、乳癌、前立腺癌や腎癌の血行性転移によるものが多い。腫瘍は腰椎に好発し、次に胸椎、頸椎、仙椎の順の頻度である。検査としてレントゲン以外に、骨シンチグラフィーやMRI等有用である。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 沼倉 裕堅 院長 Hirokata Numakura

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
    日本再生医療学会
    日本四肢再建・創外固定学会