鼠径部痛症候群

症状

鼠径部痛症候群

起き上がった際やランニング時、キック動作など腹部に力を入れたときに鼠径部やその周辺に痛みが生じます。

原因と病態

他の競技と比べてサッカー選手に多く、一度なると治りにくいという特徴があります。

体幹から股関節周辺の筋や関節の柔軟性の低下による拘縮や骨盤を支える筋力低下による不安定性、体幹と下肢の動きが効果的に連動することが出来ず不自然な使い方によって、これらの機能が低下して、痛みと機能障害の悪循環が生じて症状が慢性化していきます。
何らかの原因で可動性、安定性、協調性に問題が生じたまま、無理にプレーを続けると、体幹から股関節周辺の機能障害が生じやすくなります。また、片足で立ってキックを行うサッカーの動作そのものが発症の誘因になります。

診断

サッカー選手など片足立ちでキックを行うスポーツをしていて、鼠径部周辺に痛みがあり圧痛などがあれば診断可能です。

治療と予防

■治療

可動性、安定性、協調性の問題を評価して、それらを修正するアスレチックリハビリテーションを行います。マッサージ、筋力訓練、協調運動訓練などが基本となります。

■予防

受傷した後、そのまま無理にプレーを続けない。
股関節周辺の拘縮予防や筋力低下の予防。
運動前の準備運動に体幹から下肢を効果的に連動させる協調運動を取り入れる。
オフ明けは注意。協調運動を取り入れた準備運動を行ってください。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 沼倉 裕堅 院長 Hirokata Numakura

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
    日本再生医療学会
    日本四肢再建・創外固定学会