ヘバーデン結節

へバーデン結節は指の第一関節(DIP関節)に変形や痛みが生じる原因不明の疾患です。2つのコブ(結節)ができるのが特徴です。様々な程度の変形があり、強い変形にならない場合もあります。

症状

ヘバーデン結節

人指し指から小指にかけての第一関節に変形や腫れや手のひら側への曲がる状態が起こり動かしづらくなります。それに伴い痛みを感じることもあり、痛みのために拳を強く握ることが困難になります。親指にみられる場合もあります。
ミューカスシスト(粘液嚢腫)と呼ばれるゼリー状の髄液を嚢胞した水ぶくれのようなものが第1関節の近くにできることもあります。

原因と病態

■原因

病気を発症する原因は不明です。40歳代以降の女性に多くみられ、手を良く使う人は発症しやすい傾向があります。遺伝性があるかは証明されていませんが、血縁者にヘバーデン結節を発症している人がいる場合は、体質が似ていることを考慮し、指先に負担をかけないように注意するといいと言えます。

■病態

レントゲン検査を行い、関節隙間の狭小化、骨棘などの関節に変性が見られる場合に診断します。
「ブシャール結節」や「関節リウマチ」は同じく指に変形を生じる症状が現れますが、第2関節が主に障害されるなど症状が異なります。

診断

第一関節に変形・突出・疼痛などがあり、レントゲン検査をおこなった際に関節の隙間が狭くなる、骨棘が認められるなど関節に変性が見られる場合に診断できます。

治療

■治療

患部の安静・固定や投薬、患部のテーピングなどの保存的療法を行います。急性期の場合、関節内にステロイド注射を行う場合もあります。

保存的療法で改善がみられない場合や変形が進行し日常生活に支障をきたす場合は、手術を行うこともあります。こぶとなっている結節を切除するものや関節を動かないように固定してしまう方法が行われます。

■予防

普段から指先に負担がかかり過ぎないように心がけ、痛みが出てしまった場合は安静にし、痛みが出ても手を使わなければならない場合テーピングなどがお勧めです。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 沼倉 裕堅 院長 Hirokata Numakura

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
    日本再生医療学会
    日本四肢再建・創外固定学会