舟状骨骨折

舟状骨は手関節にある8つの手根骨の一つで手首の親指側にあり、手根骨の中でも重要なものの1つです。船のような形状の骨なので舟状骨と呼ばれています。
舟状骨は、親の列にあるため他の指の列とは45度傾いて存在します。そのため舟状骨の骨折は、通常のレントゲン写真の撮り方だと骨折は見えにくく、見過ごされたまま長期間放置してしまうことも少なくはありません。舟状骨骨折は長期間放置されると偽関節※になりやすいのが特徴です。

※偽関節とは、骨折した骨がつかず、関節のように動いてしまうもの呼びます。

症状

急性期では、手首の母指側が腫れ、痛みがでてきます。急性期を過ぎると一時的に症状が緩和しますが、放置して関節になってしまうと、手首の関節の変形が進行し、手首に痛みが生じて力が入りづらく、また動きにくくなってしまいます。

原因と病態

■原因

スポーツや交通事故などで手のひらをついて転倒したときに起こることが多いです。

■病態

舟状骨骨折には、様々な折れ方があります。最も多い骨折部位は、舟状骨のくびれている部分の腰部です。舟状骨は、指先の側から手首に向かって血行があるため、腰部に骨折が生じるとその中枢側の血行不全が起こりやすく、偽関節になりやすいと言われています。

また、この舟状骨骨折は、強い痛みがあまり現れないことが多く、骨折していることに気づかず、捻挫したと思ったまま長時間放置したため、偽関節になることが多いのが特徴です。

診断

手首の痛みが続き、動きにくくなった場合、舟状骨骨折や舟状骨偽関節を疑い、レントゲン撮影が重要です。
しかし、初期段階には骨折線が写らず見逃されてしまい、偽関節になる原因となることが多いため、疑わしい場合は、CTやMRIをとると骨折部の有無がはっきりします。

治療

舟状骨は血行が悪いため、非常に治りにくい部位のため、早期発見できた場合でも6週間以上の長期間の固定が必要となる場合があります。近年では治療期間の短縮するために特殊なねじを使用して骨折部を固定することも積極的に行われています。

また、偽関節になってしまったものは、放置すると手首全体に悪影響を及ぼすことが多いため、手術が必要になってきます。
詳しくは整形外科医にご相談ください。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 川原 昭久 院長 Akihisa Kawahara

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
  • 【資格】
    日本専門医機講認定 整形外科専門医
  • 【学会発表実績(筆頭演者として)】
    神奈川整形災害外科研究会