膝関節症の症状

初期の段階だと症状があまり出ない人も多く、あったとしてもなんとなく膝に違和感を感じる程度だったりします。
特徴としては歩き始めや階段の上り下りなど、動き始めにちょっとした痛みを感じることが多いようです。しかし、少し休んだり、歩きだしてしばらくたつと痛みが和らぐため、なかなか受診にまで至ることが少ないようです。 中期になると膝に水が溜まるようになり、膝関節全体が熱をもって腫れ上がります。膝の曲げ伸ばしで痛みを感じるようになり、日常生活に支障が出るようになります。
さらに後期になると、膝の可動域が狭まり、正座やいすに座る動作もつらくなってきます。少し動いただけでも激痛を感じるようになり、最悪寝たきりになる人も。そうならないためには初期の段階での早めの治療が肝心なのです。

膝関節症の原因と病態について

膝関節炎とは膝関節の軟骨がすり減り、関節炎や変形を起こして痛みが生じる病気です。
正常な膝関節は関節の表面が軟骨で覆われており、衝撃を和らげたり、動きを滑らかにする働きをしています。 しかし、軟骨がすり減り、骨と骨との間隔が狭くなると、骨を支えられずに膝の曲げ伸ばしや立ち上がり、歩行時の膝にかかる負担が増加します。
そのため、半月板の損傷や軟骨の損傷が起こり、炎症を起こしてしまいます。また、関節液が大量に分泌されて水が溜まるとともに、潤滑油の役割をするヒアルロン酸が減少し、ますます動かしにくくなっていきます。
軟骨の摩耗がさらに進むと骨同士が直接ぶつかるようになり、骨が棘状に変形してしまいます。 そのため膝を動かすたびに強い痛みを感じるようになり、歩行がままならないため日常生活において大きな障害となってしまいます。

予防法と治療法について

予防方法としては、膝を深く曲げて座らない・和式トイレを使わない・ベッドを利用するなどして日頃から膝に負担を掛ける行動をしないように心掛けます。
また、膝が冷えると痛みが起こりやすくなるため、日頃からサポーターなどで保護し膝を冷やさない様に工夫します。逆に立ち仕事などの後に膝が熱をもって痛みが出た時はすぐに冷やすようにしましょう。 膝関節症の治療は痛みを取る対処療法と運動療法が効果的です。痛み止めや腫れ止めで痛みを軽減させるとともに、ヒアルロン酸の注射により、関節の動きを滑らかにします。膝の曲げ伸ばしの回復、膝を支える筋力の回復にはリハビリテーションが用いられます。 理学療法士の指導のもと、可動域訓練と筋力訓練を行います。少しずつでも毎日続けることが大切で、自宅でも積極的に行うようにしましょう。入浴後の体が温まっている時に行うと痛みも少なく、非常に効果的です。