3つの骨と2つのクッション

人体には約300か所の関節がありますが、その中でも最も大きいのが実は膝の関節です。

膝関節は太ももにある大腿骨と脛にある脛骨のつなぎ目にあり、膝の皿と呼ばれる膝蓋骨とともに構成されています。 弾力のある滑らかな関節軟骨が大腿骨と脛骨、大腿骨と巣膝蓋骨のそれぞれの接触面を多い、骨と骨が直接ぶつかるのを防いでいます。
また、大腿骨と脛骨の間には半月板という三日月型の軟骨の板があり、ジャンプしたり歩いたりするときの衝撃を吸収する役割をしています。

膝関節は全身の体重を支える重要な役割を持っていますが、球状の大腿骨と平面的な脛骨の組み合わせにより接触面が小さいため負担も大きくなります。
歩行や走行時には体重の1ただ立っているだけの状態に比べて1.5~3倍階段の昇り降りでは2~3倍、走行時は5倍の負荷がかかると言われています。

4つの腱、筋肉、滑膜

膝関節の周りは4つの腱と筋肉、滑膜に取り囲まれています。靭帯は強い繊維質の束でできており、大腿骨と脛骨の間をつなぐ役割を持っています。

膝の前後左右の動きを一定の範囲にとどめて安定性を維持するのが目的で、ストッパーの役目もあります。その為靭帯には筋肉のような伸縮性はありません。
また、膝を曲げる動きをする時は膝屈筋が、膝を伸ばす際には大腿四頭筋、膝蓋腱などの筋肉が働いています。 加齢や運動不足によりこれらの筋肉の働きが弱まると膝の負担も増加します。

さらに膝関節全体は関節包という袋に包まれており、関節包の内側にある骨膜からは関節液が分泌され、その内部を満たしています。 この関節液が潤滑油の役割を果たし、膝のスムーズな動きを支えています。

膝関節の働きについて

下肢には3つの重要な関節があり、上から股関節、膝関節、足関節と呼ばれています。

中でも中心となるのが膝関節で、歩く・座る・正座する・走るなど下肢を動かす機能と立ち上がった時に体重を支える支持性という最も重要な役割を担う関節です。 膝関節の可動域は屈伸運動の場合歩くときは60度、しゃがむときは100度、正座をするときは140度と非常に広いのが特徴です。
普段何気なく行うこれらの動作は膝関節が正常に働いてこそ可能な動きなのです。 膝関節の構造上どれか一つでも欠けてしまうと、途端にこの機能は失われてしまいます。
けがや病気など原因は様々ですが、体を支える大切な役割を担う膝の負担を気遣うことは健康年齢を維持する上で非常に重要なことを覚えておきましょう。