変形性膝関節症(2)
“膝が痛い”ときの検査と治療の基本

X線検査で膝関節の隙間を確認

膝の痛みを訴えて医療機関を受診した際は、
「いつから痛みが起こったのか」
「どの部分が痛むのか」
「どのような時に痛むのか(立ち上がったとき、歩きだしたときなど)」
「これまでどのような病気をしたか」
といったことを質問されます。

また、O脚やX脚がみられるか、膝を動かしてみて、動く範囲や痛みの出方なども確認されます。関節部の腫れや熱をもっていないかも、重要なチェック項目です。

このような問診、視診、触診などを通して、変形性膝関節症が疑われる場合には、X線(レントゲン)検査を受けることになります。X線検査では、膝の関節の隙間の様子がはっきりとわかります。

膝関節に異常のない人では、関節を滑らかに動かす役割をもつ軟骨がきちんと残っていて、関節の隙間が明確に確認できます。一方、変形性膝関節症の人では、軟骨がすり減り、関節の隙間が狭くなっていて、重症だと骨と骨がぶつかり合っている状態です(図1)。

このほか、関節液検査、血液検査、MRI検査といった検査を行う場合もあります。変形性膝関節症は、他の病気がない1次性と、他の病気が背景になっている2次性があり、これらの検査をすることで、他の病気の有無がわかるからです。

膝が腫れている場合、注射器で関節液を抜き取る関節液検査をすると、その性状の違いから診断に役立つ情報が得られます。関節液(図2)は、関節内を満たしている液体で、関節を保護、維持するための重要な役割(関節の潤滑と軟骨への栄養供給)を担っています。この関節液が、変形性膝関節症では正常な場合と同様に透明な黄色で、関節リウマチなどの関節炎では濁った黄色をしています。

血液検査では、CRP(炎症反応)やリウマチ因子を調べます。関節リウマチではCRPとリウマチ因子が陽性となることが多く、変形性膝関節症ではCRPやリウマチ因子は通常、陰性です。MRI検査では、関節軟骨や半月板、骨内の病変などがわかります。

運動療法は、基本となる治療法

変形性膝関節症の治療は、病気の進みぐあい(病期)によって方針が異なります。病期は次の3段階に分けられます。

軽度・・・
関節の隙間はまだ残されているが、狭くなっている。立ち上がるときなどに、痛みを感じる。
中等度・・・
関節の隙間がかなり狭い。膝に水がたまって腫れている。膝の曲げ伸ばしが難しく、正座ができない。
重度・・・
節の隙間がなくなっている。安静にしていても、膝に痛みを感じる。

病期にかかわらず、治療の基本は運動療法です。ふとももの筋肉(大腿四頭筋)を鍛えると膝関節への負担が軽減され、膝の痛みを和らげることができます。また、運動によって膝関節の柔軟性を高めることも、膝関節を動かせる範囲の拡大に役立ちます。

重度の場合は、膝関節を人工関節に置き換えるなど、なんらかの手術を考えることになります。また、軽度や中等度の場合は、薬物療法を行うのが一般的です。

近年は、軽度や中等度の患者を対象に、ADRC(脂肪組織由来再生幹細胞)による治療や、PRP(多血小板血漿)療法といった新しい治療を採り入れるクリニックも増えてきました。

一方、2次性の膝関節症の場合は、膝の痛みの原因となっているもとの病気を治療する必要があります。関節リウマチ、痛風、偽痛風、化膿性関節炎、半月板損傷・靱帯損傷、大腿骨顆部骨壊死といった病気が、膝の痛みの原因となっていることがあります。

《参考資料》
日本臨床整形外科学会, 健康相談(仮想クリニック). 変形性膝関節症
http://www.jcoa.gr.jp/health/clinic/knee/koa.pdf