膝関節捻挫

膝関節捻挫とは

関節に力が加わって、通常の範囲を越えて骨同士が動いた場合に起こる怪我のうち、骨折や脱臼はレントゲン検査で診断がつきますが、レントゲン検査で異常がない関節の怪我は、とりあえず捻挫という診断になります。
しかし、捻挫という診断のままでは治療方針もたちません。その後の診察やMRI検査で靱帯や半月板、軟骨損傷などの最終診断の確定に至る必要があります。

症状

怪我をした関節の腫れや痛みが見られます。これらの症状は一般には損傷の程度と一致しますが、前十字靭帯などの痛みを感じにくい靭帯もあるため、痛くないから大丈夫と考えてはいけません。また、かなり高度の靱帯損傷があっても、ほとんどの場合、1~2ヶ月以内に日常生活に支障がないレベルに回復します。そのため、普通に歩けるようになったから大丈夫と思ってもいけません。

原因と病態

受傷の原因は、関節に直接力が加わるものと加わらないものがあります。
膝の関節の場合、関節に直接力が加わるものはタックルが直接膝に入ったことによる怪我、関節に直接力が加わらないものは着地で膝を捻じった怪我がその例として挙げられます。
靭帯の外傷は程度により、1度(部分断裂)から3度(完全断裂)に分類されます。

診断

診断の決め手はまず、外力のかかった方向や、怪我をしたときの膝の位置や姿勢など、怪我をした時の状態を詳細に聞くことから始まります。関節に血が溜まっているかどうかも診断の重要な要素となります。

その後の診察では、押さえて痛むところの場所、靭帯の怪我で関節が不安定になっていないか、などの所見をとります。MRI検査は多くの情報を与えてくれる有用な検査です。

予防と治療

直達外力による怪我は防ぎようがありません。
非接触性の怪我については、怪我をしないような身体の使い方や基本的な切り返し・着地動作をトレーニングで身につけることによってある程度防止できるのではないかと考えられています。

捻挫の治療は、靭帯・半月板など、どの組織がどの程度の損傷しているかにより、手術による治療と手術以外の保存的治療のいずれかを選択します。
手術は関節鏡を用いるなど、小切開で行うものが多く、保存的治療の場合もギプスによる長期の固定はできるだけ避け、装具やサポーターを用いて早くから運動を開始する機能的治療が主体となっています。

監修医師紹介

監修医師紹介

西新宿整形外科クリニック 川原 昭久 院長 Akihisa Kawahara

  • 【所属学会】
    日本整形外科学会
  • 【資格】
    日本専門医機講認定 整形外科専門医
  • 【学会発表実績(筆頭演者として)】
    神奈川整形災害外科研究会