膝関節が外れる感じ…
考えられる疾患

膝関節が外れるような違和感の原因は、さまざま考えられます。特に次のような膝疾患により生じる場合が多いといわれています。

膝関節脱臼

膝関節脱臼、または膝関節亜脱臼とは、大腿骨顆部関節面(太ももの骨)と脛骨顆部関節面(すねの骨)の位置がずれて、連結ができていない状態のことです。事故やスポーツなどで膝関節に大きな力が加わり、可動域を超えてしまった場合に起こるといわれています。

膝の皿が脱臼する「膝蓋骨脱臼」とは異なり、膝の位置がずれることで激しい痛みと腫れがともない、歩行も困難になります。

膝関節脱臼の詳細はこちら>

半月板損傷

半月板は大腿骨と脛骨の間(膝関節)にある組織のことで、骨を支えたり、クッションの役割を果たしたります。半月板損傷は、スポーツの怪我などによる場合と、加齢によって損傷する場合があります。

この半月板損傷によって、膝関節が外れるような感覚が生じる可能性があります。

半月板損傷の詳細はこちら>

膝靭帯損傷

靭帯は、関節にある骨と骨をつなぐ働きをする弾力性のある組織のことをいいます。特に膝の靭帯損傷は、激しいスポーツで膝に過剰な力が加わることで生じやすく、スポーツ選手に多い膝疾患の1つです。強い痛み、腫れ、熱感が生じ、損傷した直後は歩くことも難しいでしょう。

数週間で徐々に症状はおさまっていきますが、膝靭帯を損傷すると、膝が不安定になり膝関節が外れているような感覚が生じる可能性があります。

膝靭帯損傷の詳細はこちら>

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、主に加齢などによって膝関節の軟骨がすり減り、膝に違和感を覚えたり、痛みを感じたりする膝疾患です。特に立ち上がりや歩きはじめに膝の違和感や痛みが生じる場合、変形性膝関節症の疑いがあるといえるでしょう。中高年に多い膝疾患ですが、激しいスポーツや事故などにより若い年代でも発症するケースがあります。

変形性膝関節症は進行性の病気で、進行すると日常生活に支障をきたしたり、安静にしていても膝が痛くなったりします。

変形性膝関節症の詳細はこちら>

膝関節が外れる感じは
何で改善できる?

膝関節が外れる感じは、次のような治療法で改善が期待できます。

まずは、病院へ

膝関節に違和感を覚えたら、まずは病院を受診することをおすすめします。なぜなら、適切な治療法は症状や疾患のグレードによって異なるからです。無闇に自己判断でセルフケアをするより、医師に診てもらって適切な治療法を受けるのがベストです。
膝関節の痛みであれば、整形外科のクリニックを受診しましょう。

マッサージ

痛みがなく症状が軽度の場合は、マッサージやストレッチで改善が見込める場合があります。適度に身体を動かすことは、かえって安静にするより膝関節の痛みの軽減につながります。ただし痛みや炎症が生じている場合は、悪化を招くことがあるので控えましょう。

入浴中や入浴後など、身体が温まっているときにおこなうのがおすすめです。

膝関節の痛みに効果的!自宅で出来る簡単ストレッチ>

保存的治療

膝疾患の治療法には、抗炎症薬や注射、リハビリテーションや運動を用いた保存的治療があります。初期段階や症状が軽度の場合におこなう治療法で、手術よりも身体への負担が少なく、気軽に受けられる治療法です。注射で痛みをおさえたり、リハビリで運動機能を改善させたりします。

再生治療

再生治療は、保存的治療と手術療法の間に位置する新しい治療法といわれています。自身の細胞を利用して自己治癒力を高める効果があり、変形性膝関節症をはじめとした膝疾患の症状改善が期待できる新治療です。腕から採取した自身の血液から成長因子抽出し、加工・濃縮したものを患部に注入することで、膝の痛みを改善します。

膝関節再生医療の詳細はこちら>

手術

人工関節置換術などをはじめとした手術療法は、保存的治療や再生治療では改善が難しい重度の場合に用いられます。手術の内容によりますが、3週間〜1ヵ月の入院がともない、身体への負担も大きい治療法です。手術でしか改善できない状態になるまで放置せず、初期段階のうちに病院へ受診し、適切な治療を受けることが大切です。

膝関節が外れるような症状が出たら
早めに病院へ!

膝関節にはさまざまな疾患が考えられ、治療法もそれぞれ異なります。自己判断でケアをしたり、そのまま放置してしまったりすると、のちに症状が悪化する恐れがあります。重症化すると、大掛かりな手術を受けなくてはならなくなり、最悪の場合、歩行困難で寝たきりとなることも考えられます。

早めに病院で適切な治療法を受けて、初期段階から改善していくことが大切です。膝関節が外れるような症状が現れたら、早めに整形外科の病院を受診しましょう。