お子さまの身長を伸ばすためには睡眠が大切です。しかし睡眠の質や寝方まで気を付けている方は少ないのではないでしょうか。この記事では睡眠と身長について、睡眠の質を高めるポイントや推奨される寝方をご紹介します。

睡眠と身長が伸びることの関係性

子どもの身長は乳児期から思春期にかけて大きく伸びます。このときに重要な役割を果たしているのが「成長ホルモン」です。
成長ホルモンが骨や肝臓に働きかけることで「ソマトメジンC(IGF-I)」という物質を作り出します。このソマトメジンCが、子どもの骨にある「骨端線(成長線)」という軟骨組織に作用し、軟骨細胞を増殖させることで身長が伸びていくのです。さらに成長ホルモンには、タンパク質の合成を促進して骨を支える筋肉を強化する作用もあります。

この成長ホルモンの約3分の2は睡眠中に分泌され、特に「深い眠り」のときに最も分泌されます。つまり身長を伸ばすためには、十分な睡眠時間を確保するのはもちろん、睡眠の質を向上させることが大切です。このように身長と睡眠には大きな関わりがあります。

重要なのは深い睡眠の時間帯

成長期の睡眠は、子どもの身体的・精神的な発達に重要な役割を果たします。特に身体的な成長に大切なのは、深い睡眠の時間帯です。

睡眠には浅い眠りの「レム睡眠」があり、この時間帯に夢をみるといわれています。反対に深い眠りの「ノンレム睡眠」があり、この時間帯に成長ホルモンが分泌されると考えられています。

特に最も深い眠りの時間帯といわれる、眠りはじめから3時間程度は、成長ホルモンが多く分泌されるといいます。つまり成長期の子どもにとって、眠りの深い睡眠を十分に取ることが大切になってくるのです。

日本人は欧米人に比べ、平均的に睡眠時間が短いといわれています。日本人の平均身長が世界的に低い要因は、睡眠時間の短さが関係しているのではないかともいわれています。

睡眠は学力にも影響する?

睡眠時間は学力に影響を及ぼすといわれています。
睡眠不足はやる気や集中力の低下、イライラさせる原因となり、結果的に学力の低下にもつながると考えられます。実際の全国学力調査によると、8~9時間の睡眠を取っている子どもの正答率が高いとの報告があるほどです。

また、勉強のあとに睡眠をとることで学習内容が定着するといわれています。これは浅い眠りの時間である「レム睡眠」が関係しています。

「レム睡眠」の時間帯に夢を見るのは、記憶を整理しているからだと考えられています。つまり子どもが学習した内容や運動フォームなどのさまざまな知識は、眠っている時間帯に整理され、記憶されるのです。

記憶の定着・学力向上のためにも、子どもの睡眠時間の確保は大切です。
なお「休日にいつも以上に寝ている」という、いわゆる「寝だめ」は医学的に大きな効果はないとされています。日々の十分な睡眠の時間や質を確保するように心がけましょう。

身長を伸ばすための睡眠時間は?

身長を伸ばすための理想的な睡眠時間は、年齢によって異なります。
以下が目安となる必要な睡眠時間です。

  • 5歳頃:11時間程度
  • 10歳頃:10時間程度
  • 15歳頃:9時間程度
  • 16歳頃:8時間半程度

年齢とともに、必要な睡眠時間は少なくなります。上記の睡眠時間を目安に、年齢に応じた睡眠時間をとるとよいでしょう。

最近では、子どもたちの夜型化が問題となっています。遅くまでの塾通いやテレビゲーム、インターネットの普及などで、睡眠時間がどんどん短くなっているといいます。身長を伸ばすためには遅くても22時までには就寝し、年齢に応じた十分な睡眠時間を確保するようにしましょう。

身長が伸びる寝方?睡眠の質を高めるポイント

身長を伸ばすためには、睡眠時間だけでなく睡眠の質も重要です。睡眠の質を向上させるポイントをご紹介します。

湯船につかって身体を温める

就寝前に入浴することで、睡眠の質を高められます。湯船につかって身体が温まり、お風呂から出るとその後ゆるやかに体温が下がっていきます。この際に睡眠欲が高まり、睡眠の質が向上するといわれています。
入浴のタイミングは、寝る前の2〜3時間前が理想的です。

寝る前の食事を工夫する

寝る前の食事は消化の時間を考え、睡眠の3時間前に終えるようにしましょう。寝る直前に血糖値を上げることは、睡眠の妨げになると考えられています。また、脂質の過度な摂取も睡眠の質が低下する可能性があります。睡眠は、臓器や脳を休める時間でもあります。揚げ物などは消化に4時間はかかるため、消化のために臓器が活動することになり、睡眠の質が下がってしまうのです。寝る直前の飲食は控えるようにしましょう。

睡眠向上のためにおすすめなのは、グリシンというアミノ酸です。手足の血流を改善させて、深部体温を下げる効果があります。人は眠くなると自然と体内の温度を下げますが、グリシンが体内の深部体温を下げてくれることでスムーズな入眠が期待できます。

寝る前にスマホを見ない

寝る前の光刺激は睡眠の質を低下させてしまいます。特に気を付けたいのがスマホのブルーライトです。ブルーライトは、メラトニンという睡眠ホルモンの分泌を抑えてしまい入眠しづらくなります。脳が昼間だと勘違いを起こし、寝付きが悪くなり睡眠の質が下がります。
スマホに限らず、テレビやPCゲームも同様です。就寝の1時間前はスマホやテレビ、PCは見ないようにしましょう。

室温を調整する

睡眠の質を向上するためには、寝室の温度を調整することも大切です。快適に眠りにつける温度を保つため、適度に毛布や衣服などで調整したり、エアコンを活用したりするとよいでしょう。季節に応じて、適度な室温や湿度に調整するようにしてください。
また室温だけでなく、寝やすいようにカーテンで寝室を暗くする、騒音は遮断するなど、寝室の環境を整えることも効果的です。

身体に合った寝具を選ぶ

身体に合わない寝具は、肩凝りや腰痛の原因になることもあります。十分な睡眠時間があったとしても、身体に負担がかかった状態では、睡眠の質が高いとはいえません。身体に合った快適な枕、ベットマットを選ぶことで睡眠の質向上につながります。
疲れてソファーやコタツでそのまま寝てしまった、という方も少なくないでしょう。しかし身体に負担がかかり、深い眠りにつくことは難しいため、必ず布団で寝るようにしてください。

身長が伸びやすい寝るときの体勢

うつ伏せや横向きなど、寝るときの体勢は人それぞれです。しかし仰向けで寝ることが一般的にはよいとされています。「身長が伸びやすい寝方」というのは一概に言えませんが、仰向けの方が睡眠の質が高いといいます。横向きは血流を悪化させたり、不要な寝返りが多くなったり、深い眠りにつきにくいといえます。正しい姿勢寝ることが睡眠の質向上となり、ひいては身長の伸び率にもつながる可能性もあるでしょう。

まとめ

「寝る子は育つ」というのは本当で、身長と睡眠は大きな関わりがあります。目安となる睡眠時間を確保し、睡眠の質を上げる工夫をしてみましょう。身長が伸びやすい寝方や姿勢というのは、一概に言えませんが仰向けが推奨されます。身体に負担のかからない姿勢や快適な寝具で寝ることが望ましいでしょう。

西新宿整形外科クリニックでは、身長が気になるお子さまに「成長ホルモン治療」を実施しています。睡眠や食事の生活習慣を見直しても身長が伸びない場合は、別の原因が隠れている場合があります。お子さまの身長が気になったら、クリニックに相談するのも1つの選択肢です。まずはお気軽に、当院の無料カウンセリングにてお話をお聞かせください。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師