次のような痛み・違和感を感じていませんか?
症状がある場合、何らかの膝関節の疾患が考えられます。
膝関節の構造は、大腿骨・脛骨・膝蓋骨の3つの骨で構成されています。太ももから伸びる大腿骨の先端は丸くなっており、脛骨の表面を転がるように動きます。その周りにはクッションの役割を果たす半月板や軟骨、潤滑油の役割を果たす関節液があることで、スムーズに膝関節が動く仕組みです。
膝関節の仕組みについてはこちらの記事で詳しく解説います。ぜひご覧ください。
膝関節の痛みの原因として代表的な疾患は、次の4つが考えられます。
膝関節の痛みを放置すると症状は進行し、行動が制限されたり、日常生活の動作が困難になったりします。最悪の場合、歩行が難しく寝たきりになってしまうこともあるほどです。まずは整形外科で問診を受け、痛みの原因を特定しましょう。
問診では生活状況や過去の病歴の基本情報をはじめ、例として次のような確認がおこなわれます。
変形性膝関節症とは、クッションの役割を果たす膝関節の軟骨がすり減り、膝に痛みを感じたり、水が溜まったりする疾患のことです。
» 膝に水がたまるとは?考えられる原因と対処法をご紹介
加齢や関節への過度な負荷が主な原因で、年齢が上がるにつれて罹患率が高いといいます。進行性という特徴があり、適切な治療をおこなわないと悪化して、歩くことすら困難になる膝疾患です。
半月板損傷とは、主にスポーツによる怪我や加齢によって弱くなった半月板に負荷がかかり、断裂したり欠損したりしてしまう疾患のことです。半月板とは、膝関節にあるアルファベットのCのような形をした組織のことで、膝関節を支えたり、クッションの役割を果たしています。半月板が損傷すると、膝の曲げ伸ばしが困難になり、最悪の場合は「ロッキング」という膝が動かなくなる状態になります。
靭帯損傷とは、主に事故やスポーツ時、膝に過度な負担がかかることで靭帯が損傷してしまう疾患のことです。靭帯は身体のほとんどの関節に存在する弾力のある組織で、関節を固定したり安定させたりする役割があります。靭帯損傷は特に膝関節に生じやすく「靭帯損傷」というと、膝の靭帯損傷を指す場合が多いといいます。膝の靭帯を強く損傷した場合は強い痛みが生じ、まともに歩くことが難しくなります。
関節リウマチとは、自己免疫機能が異常をきたし、関節に痛み・腫れ・炎症などが生じる疾患のことです。指や手首などの比較的小さな関節に症状から始まり、だんだんと膝や肘など大きな関節に症状が出るのが特徴で、特に30〜50代の女性が多く罹るといわれています。自己免疫機能異常を起こす根本原因は今現在も明らかになっておらず、効果のある予防法がないのが現状です。症状が現れたらまず早期に医療機関を受診することが大切です。
主な膝関節治療は、ヒアルロン酸注射などの保存療法・再生医療・人工関節置換術などの手術療法があり、膝関節の症状や程度に応じて有効な治療法は異なります。
ストレッチは、膝関節の痛みが軽度の場合に有効な治療法です。軽い痛みや違和感がある程度であれば、かえって安静にしているよりも適度にストレッチすることで痛みを軽減できます。毎日ストレッチを続けることで、血行促進、腫れや痛みの予防にもつながります。
ヒアルロン酸注入は、膝関節の保存療法としてよく用いられる治療法です。ヒアルロン酸はもともと人体にある安全な成分で、関節内にも存在しています。膝関節に直接注入することで、関節にかかる衝撃を吸収するクッションと潤滑油の働きをし、炎症や痛みを和らげられます。膝の痛みが軽度の方に有効です。
再生医療は、自身の細胞を利用して自己治癒力を高める最新の治療法です。ヒアルロン酸注入などの保存療法と、人工関節などの手術療法の間に位置する治療法で、症状が中程度の患者さまを対象としています。膝の痛みの原因を取り除き、痛みを改善する効果が期待できます。繰り返しの注射や大きな手術は避けたい、という方に有効な治療法です。
西新宿整形外科クリニックでは、変形性膝関節を対象に最新の再生医療を提供しています。
人工関節手術は、膝関節の症状が重度の場合に有効な手術療法の1つです。関節の損傷部分を除去し、人工関節に置き換えて痛みを取り除きます。痛みの除去と関節機能の回復が期待できる手術ですが、1ヶ月程度の入院やリハビリがあり、費用も高額です。身体に負担のかかる治療法であるため、リスクをふまえて検討することが重要となります。
膝関節の痛みの予防には、日頃の適度な運動や膝のストレッチが有効です。適度な運動は凝り固まった筋肉をほぐし、血流を改善することで痛みを軽減できます。またストレッチで関節を柔らかくすることで、炎症や痛みを和らげられるのはもちろん、予防にもつながります。膝軟骨は一度すり減ると元には戻りません。いくつになっても健康で歩き続けられるように、適度な運動とストレッチを心がけていきましょう。
こちら