骨端線の骨折は、骨の成長を止めてしまうケースもあるとされています


柔らかく衝撃に弱い軟骨でできている骨端線は、強い力が加わると骨折、離開してしまうことがあります。骨端線の骨折は、程度などによって5つのケースに分類されます。

重度なケースは後遺症として骨の成長ストップさせ、骨の変形などを招く場合もあり得るでしょう。
また、たとえ骨折が治ったとしても、後遺症が気づかないうちに出ることもあるので、定期的に専門医の診察を受けることをおすすめします。

骨折により骨端線がダメージを受けると、場合によっては後遺症が出ることもあります

骨端線は、手や足などの骨の両側にある帯状の軟骨組織のことで、成長軟骨板とも呼ばれています。
軟骨組織が増殖して、やがて石灰化して硬い骨となり、身長が伸びたりして体が成長していくという仕組みになっています。

軟骨なので柔らかく脆いという性質があるため、外から強い衝撃が突然加わることや継続的に骨端線に負荷がかかることで骨折、分離してしまうことがあります。
骨端線がダメージをうけると、骨折の程度によっては軟骨組織が機能障害を起こし、増殖が止まってしまう可能性もあると考えられています。
そうなると、骨折部位の骨が伸びなくなり、体の成長を妨げる場合もあるとされています。

ダメージを受けて軟骨の成長が止まると、骨端線が通常閉鎖する年齢よりも早く閉じてしまいます。
すると、その部位だけ他の骨よりも短くなったり、ズレたまま他の骨にくっつくことにより、不自然に曲がったりなどの変形を起こすリスクが高まります。

さらに、関節が上手く動かないことにより運動機能に障害が残る可能性もあるのです。

骨端線の骨折は程度に分けられ、軽度なら治療によって後遺症をもたらさない場合が多いとされています


骨端線の骨折は、程度によって5つに分類されるSalter-Harris分類がよく用いられています。

I型は、骨端線が端から端までまっすぐに完全離開した状態で主に幼児に多いケースです。

II型は骨端線が骨の中心すぎ位までまっすぐ離開し、途中から斜めに離開して片端に三角形の骨片が生じた状態で、5、6歳児に多いケースです。

さらにIII型は、骨端線が一部まっすぐに離開し、途中から関節部の膨らんだ部分、骨端に向かって縦に骨折した状態で、非常に稀なケースだとされています。

IV型は、骨の軸である骨幹から骨折が始まり、骨端線を跨いで途中から縦方向に、骨端に向かって骨折している状態で、上腕骨に良く起こるケースです。

そしてV型は、骨端線が長軸方向に強く圧縮され、挫滅した状態で、足関節や膝関節に起こりやすいケースです。

5つの分類のうち、I、II型は患部が動かないように固定して、骨端軟骨の自然回復を促すことで、骨の成長が止まったり、変形したりすることをほぼ防ぐことが可能だとされています。
III型も骨のズレを正して固定すれば、成長障害が起こる可能性は低いとされています。
IV、V型は場合によっては変形や骨が伸びなくなるなどの成長障害が起こる可能性があるとされています。

骨端線の骨折後は、専門医による経過観察が必要です

骨端線が骨折して、離れて開いてしまったら早期にズレた部分を元に戻して整復し、正しい位置に戻した状態を固定することで、軽度の場合は徐々に回復してきます。
しかし、整復しても骨端線は関節に近い部位なので、腕や足を曲げ伸ばしするなどの少しの動きで、簡単にズレてしまう場合があります。

骨がズレていても関係なく軟骨が増殖して骨が伸びてしまうので、ズレが大きくなり骨が固まってしまうと、もはや整復ができなくなります。
そのため、骨端線の骨折が治癒しても、骨の成長に異常がないか、ズレていないかを定期的にチェックすることが大事です。

また、骨端線の骨折がIV型、V型など重度な場合は骨端軟骨が増殖する機能を失い、骨端線が早々に閉じてしまうリスクもあります。
そうなると骨が伸びないので、特に足の場合は身長の伸びにも影響を与えたり、左右の足の長さに差が出てしまう可能性もあります。

気づかないうちに変形が始まったリ、成長異常が現れる場合も多いので、骨端線の骨折を追った場合は、専門医にかかり継続して成長過程を見守っていく必要があると考えられえています。

(まとめ)骨折で骨端線が傷つくとどうなるの?

1.骨端線の骨折は、骨の成長を止めてしまうケースもあるとされています

骨端線は衝撃を受けると、骨折、離開することもあります。骨折の程度により5つのタイプに分類できますが、重度の場合は骨の成長に影響が出る可能性もゼロではないとされています。

2.骨折により骨端線がダメージを受けると、場合によっては後遺症が出ることもあります

骨端線は柔らかい軟骨で形成されているので、衝撃により骨折、離開する場合もあります。骨折の程度によっては、患部が治癒しても後に骨の成長に影響が出る可能性もゼロではありません。

3.骨端線の骨折は程度に分けられ、軽度なら治療によって後遺症をもたらさない場合が多いとされています

骨端線の骨折は、部位や程度によって5つのケースに分類されます。I~III型は成長障害が出る可能性はほぼないとされてます。
しかし、IV、V型の重度な骨折は、場合によっては骨の成長を止めてしまう可能性があります。

4.骨端線の骨折後は、専門医による経過観察が必要です

骨端線が回復し、骨折が治癒しても特にIV、V型の骨折はその後、骨の成長が止まったり、変形などの後遺症が起こる場合もあります。そのため定期的に専門医を受診し、診察や検査を受け、経過観察を行う必要があります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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院長 齋藤まい医師