背を確実に伸ばす漢方はありません


子供の背を伸ばすと謳っている漢方薬やサプリなどは医学的な根拠がないと言えるでしょう。背を伸ばすためには、成長ホルモンの働きが重要になると言われています。

身長はサプリや漢方などによる栄養ではなく、成長ホルモンが働くことによって、身長が伸びると考えられています。もし身長が伸びない場合は、成長ホルモンの分泌に異常がある可能性もあります。

その場合、成長ホルモン療法が効果的と言えるでしょう。成長ホルモン療法とは、注射を行う治療法となります。

専門のクリニックで施術は利用できるため、子供の成長にお悩みの場合は、信頼できる医師に相談してください。

背を伸ばすための漢方は、医学的な根拠がありません

漢方薬とは中国が起源ですが、日本で独自に発展した漢方医学で使用される薬のことです。東洋医学の一つに分類され、西洋医学とは考え方が異なります。

漢方を用いる東洋医学は、身体が本来持っている自然治癒力を引き出し、状態を改善する医学です。そのため原因がはっきりしない体調不良や不定愁訴などさまざまなケースで処方されています。

市販されている漢方の中には、背が伸びるかの様に謳ってる商品も多く販売されています。しかし漢方で確実に背が伸びる医学的な根拠は示されていません。

むしろ子供に対して、安易に市販の漢方やサプリなどを与えるのは良くないとも言われています。場合によっては、成長期の身体に副作用をきたす恐れがあります。

成長期の各臓器や神経系などは、年齢に伴い急激な変化が起こります。そのため漢方であっても内服するのには注意が必要です。

漢方は本来、一人ひとりの病態や症状に合わせて、オーダーメイドで処方していくものです。つまり医師の判断のもとに薬の種類や量を調節する必要があります。

必ず医師に相談した上で、必要であれば飲むようにしてください。

成長ホルモン療法を行う場合があります


子供の背は、成長ホルモンの働きによって伸びると考えられています。このため身長が伸びないという場合は、何らかの原因で成長ホルモンの分泌が低下している場合はあります。

成長ホルモンとは、脳下垂体から分泌されているホルモンです。このホルモンが働くことによって、軟骨を形成し骨の成長を行うと言われています。

背を伸ばすだけでなく、糖や脂質の代謝、たんぱく質の合成などにも関わっているとされています。成長ホルモンの分泌に異常が起こると、低身長と呼ばれる病気になることがあります。

低身長になると、同年齢の子供と比較すると身長が低くなります。成長ホルモンの分泌異常による低身長の場合、成長ホルモン療法を行うことがあります。

成長ホルモン療法は、医師によって必要があると判断されると治療が開始されます。成長ホルモンは、内服しても効果がないと言われているため、注射を行う必要があるでしょう。

成長ホルモン療法はホルモンを補うことによって、その子供自身が本来持っているはずの成長に導くためのものです。そのため背以外にも、あらゆる成長に繋がる効果が期待できます。

子供の背に不安がある場合は、信頼できる医師に相談しましょう

成長ホルモン療法は、基本的には成人身長まで行います。成長ホルモン療法は、できるだけ早く開始した方がよいと言われているため、気になる場合は早期治療・早期受診を心がけましょう。

まずは子供の背が、同年齢の子供と比較してどうかをチェックしてください。成長曲線を描くことで、背の伸びが平均的かどうか確かめることができます。

-2.0SDから+2.0SDの間に95%程度の子供が含まれます。-2.0SDの子供は100人のうち2~3人程度の割合とされています。

-2.0SD以下や子供の背に不安や悩みがある場合には、できるだけ早めに専門のクリニックや病院を受診するようにしましょう。

病院を受診することで血液検査など多くの検査を行い、低身長の状態となる原因を調べることができます。

低身長は、成長ホルモンの分泌異常だけが原因ではありません。とくに原因がわからないケースもあります。

信頼できる医師に相談を行うことで、子供の成長を安心して見届けることができます。

(まとめ)背を伸ばすのに効果的な漢方はあるの?

1.背を確実に伸ばす漢方はありません

背を伸ばすと謳っている漢方薬には、医学的な根拠がありません。なぜなら身長は漢方薬による栄養ではなく、成長ホルモンによって伸びるものだからです。

もし身長が伸びにくく、成長ホルモンの分泌異常がある場合は、成長ホルモン療法が効果的でしょう。

2.背を伸ばすための漢方は、医学的な根拠がありません

漢方薬は東洋医学の一つです。背が伸びると謳っている漢方には、医学的な根拠は示されていません。

成長期の子供には、漢方薬で副作用を起こす恐れがあります。必ず医師に相談し、内服するようにしてください。

3.成長ホルモン療法を行う場合があります

成長ホルモンは骨の成長やたんぱく質の合成などに働きます。成長ホルモンの分泌が低下すると、低身長になることがあります。

医師が必要と判断した場合、成長ホルモン療法を行うことがあります。成長ホルモン療法で、本来の成長に繋がる効果が期待できます。

4.子供の背に不安がある場合は、信頼できる医師に相談しましょう

成長ホルモンは必要があれば、できるだけ早期に開始しましょう。成長曲線において-2.0SDや子供の成長に不安がある場合には、医療機関を受診するようにしてください。

低身長の原因を調べることで、早期に治療を開始することが可能となります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師