クロニジンを投与することで、成長ホルモンの分泌が促すことができるからです


成長ホルモン負荷試験でクロニジンが投与薬剤として用いられるのは、クロニジンの投与により間接的に脳下垂体が刺激され成長ホルモンの分泌を促すと考えられているからです。
クロニジンはもともと高血圧の治療薬として使用されてきましたが、イタリアなど海外では成長促進療法にも使用されているといいます。

ただし、その効果は成長ホルモン投与には劣るといいます。

クロニジンは脳下垂体を刺激し成長ホルモンの分泌を促します

子どもの低身長が気になる場合、まずは病院で初診時にスクリーニング検査を受けることになります。
その後、病気の疑いがないと判断された場合は経過観察になりますが、成長ホルモンの分泌不全が疑われた場合は、成長ホルモンの分泌の状態をさらに詳しく検査します。

この検査を「成長ホルモン負荷試験」と呼びます。
複数の薬剤を投与し血中の成長ホルモン濃度を測定することで、本当に成長ホルモン治療が必要なのかどうかを判断します。

この成長ホルモン負荷試験で使用される薬剤の一つが、クロニジンです。
クロニジンがこの試験に用いられる理由は、間接的に脳下垂体を刺激し、成長ホルモンの分泌を促すことが可能だと考えられているからです。
クロニジン試験は、クロニジンを経口投与後30分間隔で採血を行い、120分間繰り返すという内容になります。クロニジン試験の結果、成長ホルモンが正常に分泌されていると判定された場合は経過観察になります。

成長ホルモンの分泌不全が疑われた場合は、そのほかの薬剤を用いた試験を行われることや、入院検査などが行われることがあります。
その結果、成長ホルモン分泌不全性低身長症であると判断されたとき、成長ホルモン治療を受診することが可能になります。

海外では低身長症の治療にクロニジン療法が用いられています


クロニジンには成長ホルモンの分泌を促す作用があるとご説明しました。
その効果を子どもの低身長症の治療に用いた「クロニジン療法」というものが、イタリアなど海外で採用されているといいます。
主に、成長ホルモンの分泌が正常なために、成長ホルモン治療が受けられない子どもの低身長症を治療するのに使用されています。

8人の低身長児童に対しイタリアで実験調査が行われています。
クロニジンを夜間に一度服用させた後、20分間隔で採血を行った結果、血中の成長ホルモンの値が増加したというのです。
さらに、該当の低身長児童に半年間かけてクロニジン療法を行ったところ、以前は3.1cmであった年間の成長率が、治療後には10.2cmもの数値に上昇したという報告まであるといいます。
ただし、日本での実験では、成長ホルモン治療と比較するとクロニジン療法の効果は劣るという結果を出しています。

また、クロニジン療法により必ずしも低身長症が治療できるとも限りません。
このことからも、成長ホルモン分泌不全性低身長症の子どもの場合は、クロニジン療法ではなく成長ホルモン治療の方が高い効果が得られるといって良いでしょう。

成長ホルモン負荷試験の痛みや副作用はさほど心配はいりません

成長ホルモン治療を受けるためには、成長ホルモン負荷試験を行わなければなりません。成長ホルモン負荷試験では採血を行う必要があるため、注射が嫌いな子どもにとっては負担になるのではないかと心配される親御さんもいるでしょう。
しかし心配は要りません。こういった専門の病院では、子どもの苦痛を和らげるための工夫がなされています。

はじめにビニールの細い針で点滴をします。この時は針を刺す必要があるため、多少の痛みは感じますが、採血の際には針を刺すことはありません。
点滴の細いチューブから血液を逆流させて採血を行うのが一般的です。

また、クロニジン投与による副作用が心配という方もいらっしゃるでしょう。
クロニジンはもともと高血圧の治療に使用されている薬剤のため、負荷試験を行うと血圧が少し下がり、眠気を催すことがあります。
そのため、転倒などによるけが防止のためにも、病院の行き来は歩きではなく車で行うことが推奨されています。

クロニジンによる副作用は一時的なものと考えられていますが、不安な場合はしっかりと専門医に直接お話を聞くのも一つの手でしょう。

(まとめ)なぜ成長ホルモン負荷試験でクロニジンを用いるの?

1.クロニジンを投与することで、成長ホルモンの分泌が促すことができるからです

クロニジンが成長ホルモン負荷試験に使用されている理由は、間接的に脳下垂体を刺激し成長ホルモンの分泌を促すと考えられているからです。クロニジンには成長促進効果があるとされていますが、成長ホルモン投与には劣るといわれています。

2.クロニジンは脳下垂体を刺激し成長ホルモンの分泌を促します

成長ホルモン負荷試験は、成長ホルモン治療が必要かどうかを判断するために行われます。成長ホルモン負荷試験でクロニジンが用いられるのは、クロニジンには脳下垂体を刺激し成長ホルモンの分泌を促す働きがあると考えられているからです。

3.海外では低身長症の治療にクロニジン療法が用いられています

クロニジンには成長ホルモンの分泌を促す効果があることから、イタリアを代表とした海外の一部地域で「クロニジン療法」が採用されているといいます。ただし、子どもの低身長症を治療する効果は、成長ホルモン治療に比べ劣ると考えられています。

4.成長ホルモン負荷試験の痛みや副作用はさほど心配いりません

成長ホルモン負荷試験では子どもの負担を和らげるために、チューブで血液を逆流させて採血を行います。そのため、痛みを感じることも少ないと言えるでしょう。また、クロニジンの副作用による眠気も、一時的なものだと考えられています。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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院長 齋藤まい医師