成長ホルモンが分泌されるとターンオーバーが促進されることにつながるとされています


成長ホルモンは子どものときには主に背が伸びるような働きをしています。

ですが、成人になっても筋肉や骨、皮膚の細胞のターンオーバーを活発にするための働きなどをしているのです。このターンオーバーは細胞の新陳代謝や生まれ変わりなどのサイクルのことです。
新しい細胞が生まれて次の細胞に入れ替わるまでの期間が正常に保たれることで健康を維持することができます。

成長ホルモンが分泌されることによりターンオーバーも促進されます

成長ホルモンは脳のだいたい中心あたりに位置する脳下垂体から分泌されています。
眠ったときや運動したときなどに視床下部から成長ホルモン放出ホルモンや成長ホルモン分泌抑制ホルモンが分泌され、その影響をうけて成長ホルモンが分泌されます。

その成長ホルモンは血液とともに身体の各組織に運ばれて細胞の分裂を促します。
子どものときには骨の成長に関係する細胞の分裂を促進してターンオーバーを活発にさせることで骨が成長しやすくなり、身長が伸びるようになります。

大人になってからの成長ホルモンは骨の成長ではなく、骨や筋肉、皮膚の細胞を丈夫にするためのターンオーバーを促す働きをします。
皮膚のターンオーバーは、皮膚細胞が一番奥の層から生まれて次々と新しく生まれる皮膚細胞に押されて、皮膚の表面に押し上げられていき、最後には細胞が死んだ状態で自然にはがれて落ちるという構造になっています。

身体のさまざまな場所で起きているターンオーバーが正常な周期でいることで身体が健康に保たれ、成長ホルモンの分泌量によってもターンオーバーの周期が変わってきます。

成長ホルモンの分泌は多すぎず少なすぎない量が必要です


子どもの身長が伸びるためや大人の骨や皮膚、筋肉が作り出されるためのターンオーバーの促進に必要な成長ホルモンの分泌量は日常生活の過ごし方で変わってきます。
成長ホルモンは視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモンや成長ホルモン分泌抑制ホルモンによって作られますが、成長ホルモンが少ないと新陳代謝が下がり、細胞の成長が遅くなります。

成長ホルモンが少ないことで細胞のターンオーバーの期間が長くなり、古い細胞から新しい細胞への入れ替わりが遅くなることでケガをしても治りが遅くなるなどの問題が生じます。
ただ、成長ホルモンが多すぎても問題が発生することもあります。

成長ホルモンが多く分泌されすぎると、細胞の成長がターンオーバーの周期に追いつけず、未成熟な細胞では骨や筋肉、皮膚が弱くなってしまう場合もあります。
ターンオーバーの周期が遅すぎず早すぎないように成長ホルモンが正しく分泌されるためには、充分な睡眠時間をとり規則正しい生活を送ること、バランスの良い食事をとる、またストレスを溜めないなど健康的な日常生活を送ることが大切です。

成長ホルモンには身長を伸ばす以外にもさまざまな働きがあります

成長ホルモンには、小児期の子どもの身長を伸ばす働きや、成人の筋肉や骨、皮膚の細胞のターンオーバーを早める働きのほかにも、身体の脂肪を分解する働き、血糖値を上げる働きなどがあります。
脳下垂体から成長ホルモンが分泌されると、成長ホルモンは血液とともに身体の各器官に運ばれてさまざまな場所の細胞に働きかけます。

小児期の子どもの場合には成長ホルモンが骨を伸ばす働きをするのですが、成長板が完成したあとには骨はもう伸びることなく、身長の伸びも止まり、骨などが丈夫になるような働きをします。
それから成長ホルモンは脂肪を分解する働きをし、脂肪が分解されて身体の中の脂肪が減ってくるころには、今度は脳のニューロペプチド Y(NPY)細胞が活動を始めて成長ホルモンの働きを抑制します。

NPY細胞は食欲を強めて脂肪を蓄える働きをするため、成長ホルモンの働きとのバランスで健康な脂肪量を調整することができるようになります。
成長ホルモンは筋肉を作るだけでなく、筋肉を動かすエネルギーになるブドウ糖を供給する働きも行います。

(まとめ)成長ホルモンはターンオーバーに関係があるの?

1.成長ホルモンが分泌されるとターンオーバーが促進されることにつながるとされています

成長ホルモンは子どもの背を伸ばすための働きをしています。成人になってからも筋肉や骨、皮膚の細胞のターンオーバーを活発にする働きで健康を維持するために作用しています。

2.成長ホルモンが分泌されることによりターンオーバーも促進されます

成長ホルモンは脳の中心辺りにある脳下垂体から分泌されています。成長ホルモンは身体の各組織に運ばれて細胞の分裂を促し細胞のターンオーバーを促進する作用をもっているため、正常なターンオーバーが保たれることで身体の健康を維持することができます。

3.成長ホルモンの分泌は多すぎず少なすぎない量が必要です

成長ホルモンが少ないと細胞のターンオーバーの期間が長くなり、細胞の入れ替わりが遅くなることで健康上の問題が生じます。成長ホルモンが多く分泌され過ぎると細胞の成長が追いつかなくなるという問題も生じることになります。

4.成長ホルモンには身長を伸ばす以外にもさまざまな働きがあります

成長ホルモンは、子どもの身長を伸ばしたり、大人の筋肉や骨、皮膚のターンオーバーを早めたりする以外にもさまざまな働きがあるのです。身体の中の脂肪を分解する働き、エネルギーになるブドウ糖を供給するために血糖値を上げる働きなどがあります。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師