低身長の治療をいつから始めなければいけないという決まりはありません


専門医療機関で行われている低身長の治療には、いつから始めなければいけないという決まりはありません。とはいえ、低身長の治療はいつでも始められるというものでもないのです。

専門医療機関で行われている低身長の治療は、成長ホルモンを注射によって投与することで治療を進めていきます。
この成長ホルモンが身長を伸ばす効果を発揮できる期間には終わりがあり、一般的には思春期を過ぎてしまうと思うような効果が出ないと言われています。
学童期にあたる5~12歳から治療を始めるのが望ましいとされますが、適応期には個人差があるため、専門医療機関のカウンセリングを受けることをおすすめします。

思春期を過ぎて骨端線が閉じると成長ホルモンを投与しても身長は伸びません

思春期を過ぎてしまうと成長ホルモンを投与しても身長が伸びないと言われるのは、骨端線という骨の端にある部分での細胞の増殖が止まってしまうからです。
骨端線は一度閉じてしまうと二度と開くことはなく、いくら成長ホルモンを投与してもそれによって身長が伸びることはありません。

思春期を過ぎた頃といっても、子どもによって骨端線が閉じる年齢には個人差があります。
骨年齢が男の子で17歳以上、女の子で15歳以上に至ると骨端線が閉じると言われていますが、これより早く閉じる子どももいれば、もっと遅い時期に閉じる子どももいます。

この骨年齢は手のレントゲン写真を撮影することで、簡単に調べることができます。

通常レントゲン撮影では骨は白く映りますが子どもの場合、骨端線が開いている状態であればレントゲン撮影では黒く見えます。
もし骨端線があるはずの部分がレントゲン写真で白く映るようであれば、それは骨端線が閉じてしまったことを意味します。

このように低身長の治療を始めるにあたってはレントゲン撮影で調べ、成長ホルモンの投与が有効であるかどうかをまず見極めることになります。
もし成長ホルモンの投与を考えているのであれば、なるべく早い時期に専門医療機関に相談しましょう。

成長ホルモンの投与による治療を受けるには条件が定められています


成長ホルモンの投与対象となる条件が定められていますが、これは成長ホルモンの投与が有効な疾患に対してのみ、治療が受けられるからです。
現在、専門医療機関で低身長と診断された3歳以上の子どもが対象となっています。

下記に挙げた疾患は、成長ホルモンの投与が有効とされた主なものになります。

・SGA性低身長症
・成長ホルモン分泌不全性低身長症
・甲状腺機能低下症
・ターナー症候群
・ラダー・ウィリー症候群
・軟骨異栄養症
・小児慢性腎不全など

成長ホルモンの投与は自宅で週に6~7日、就寝前に自己注射にて行います。

タンパク質の一種である成長ホルモンは内服しても胃で消化されてしまうため、ペン型注射器を使って投与します。
低身長の改善に有効な成長ホルモンは副作用が少なく、まれに頭痛などが起きることもありますが、一時的なものに過ぎないので重篤な症状には至りません。

成長ホルモン治療では健康保険の適用や助成金などの補助が利用できます

成長ホルモンによる治療は高額なイメージもあり、医療費について不安に思う方は少なくありません。
先に挙げたSGA性低身長症などの疾患については、健康保険の適用が認められています。

一般的に成長ホルモン治療は3歳以上のなるべく若い年齢から開始し、思春期が始まるまで継続的に続けるのが望ましいとされています。
このことから健康保険が適用されても長期間の治療によってある程度の費用はかかりますが、国や自治体による助成制度を利用することで、医療費を抑えることができます。

各制度によって条件が定められており、補助金を受けるには手続きが必要となっています。
低身長の治療をいつから始めようかと悩んでいらっしゃるのであれば、まずは該当する地域の助成金制度について調べてみましょう。

また保険適用などを受けられない場合でも、専門医療機関にて相談を受け付けています。

(まとめ)低身長の治療はいつから始めるべき?

1.低身長の治療をいつから始めなければいけないという決まりはありません

低身長の治療にはいつから始めなければならないといった決まりはありませんが、いつからでも始めて良いというものでもありません。治療に使われる成長ホルモンは一般的に思春期を過ぎたあたりから効果がなくなるとされるため、早めの治療開始が望ましいです。

2.思春期を過ぎて骨端線が閉じると成長ホルモンを投与しても身長は伸びません

思春期を過ぎると成長ホルモンの投与が無効になると言われるのは、男の子で17歳、女の子で15歳を過ぎた頃に骨端線が閉じてしまうからです。骨端線が閉鎖する年齢には個人差がありますが、なるべく早い段階で治療を始めることが重要です。

3.成長ホルモンの投与による治療を受けるには条件が定められています

成長ホルモン治療を受けられるのは3歳以上と定められ、治療対象となる疾患も成長ホルモンの投与が有効であると認められたものに限られます。自己注射による自宅での治療となりますが副作用もほとんどなく、たとえ起きてもごく軽い一時的な症状です。

4.成長ホルモン治療では健康保険の適用や助成金などの補助が利用できます

成長ホルモン治療は低身長の改善に効果的ですが、高額な医療費がかかるというイメージを持つ方もいます。条件を満たせば健康保険の適用や、国や自治体による助成金制度を受けることができるので、お住まいの地域の助成金制度について調べてみましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

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院長 齋藤まい医師