ストレスは低身長の原因のひとつです


子どもの低身長の原因となり得るものはいくつもありますが、心理社会的な原因が低身長を引き起こしているとされています。
この社会心理的原因と名づけられたものが私達が日頃、「ストレス」と呼んでいるものになります。

ストレスははっきりと目に見えるものではないため、たとえ家族であっても子どものストレスを見過ごしてしまうことがあります。
低身長治療において、子どもと親との関係性は非常に重要な要素となります。

子どもが家庭内でストレスを感じているような場合には、親との関係性を改善することから始めなければ、低身長治療を受けても効果を最大限に実感することは難しくなります。

愛情遮断症候群が低身長を引き起こします

愛情遮断症候群とは、家庭に問題を抱えている子どもの成長に遅れが見られることを言います。
両親のうちどちらかが、あるいは双方が不在がちなどで子どもが親の愛情を充分に感じられなかったことが原因で引き起こされます。

極端な例を挙げると両親の不仲や家庭内暴力、育児放棄など、家庭内にある問題が深刻であればあるほど、子どもが受ける心のダメージも深くなる傾向にあります。

心に重い負担を背負った子どもは成長ホルモンの分泌が低下し、他の子どもよりも成長が遅れて低身長となってしまうと考えられています。
この疾患に効く薬剤はありませんが、治療法としては入院させて心理カウンセリングをしたり、栄養指導を行ったりすることもあります。

愛情遮断症候群の子どもは入院で一時的に家庭から解放されることで、身長が伸び始めることがあるとされています。
しかし再び家庭に戻ると身長が伸びなくなることから、ストレスの根本的な問題を解決するには長い時間を要します。
家庭内の問題は当事者同士の意識に相違があったり、第三者が立ち入りにくかったりと、課題が残されたままになってしまうケースも見受けられます。

このようにストレスが原因で低身長となってしまうことは、実際にはほとんど起こらないと考えられています。
とはいえ、どんなに忙しくても普段から子どもに愛情を示すことは、親としてあるべき姿だと言えるでしょう。

過干渉や甘やかしになると子どもの成長と自立を妨げることになるので、適切な距離を意識して向き合うことが大切です。

愛情遮断症候群になると低身長以外の影響が出ることがあります


愛情遮断症候群の子どもには低身長だけでなく、ほかにも成長の遅れや障害の兆しが見られることがあります。

・表情に変化がなく、あまり笑わない
・人と目を合わせない
・常に動作がゆっくりしている
・知的発達や言語能力の遅れ
・触られるのを極端に嫌がる
・怒りっぽく、かんしゃくを起こしやすい
・眠りが浅いなどの睡眠障害

これらが愛情遮断症候群の主な症状となりますが、子どもの性格や家庭環境によって症状の表れ方は異なってきます。
現代では共働きの家庭も多く、子どもとの時間をなかなか持てないという悩みを持った人も少なくありません。

しかし何か特別なことはできなくても、子どもとの信頼関係を深めることはできます。
子どもと会話する時間を作る、食事やお風呂を共にするなど、普段の生活においてごく当たり前のことをおざなりにしないことが、その一歩ではないでしょうか。

ストレスを癒やすにはよく眠ることが効果的です

心身共にリラックスした状態でぐっすりと眠ることができれば、ストレスの解消に繋がります。
睡眠の重要性はそれだけにとどまらず、子どもの身長にも大きく関わってきます。

子どもの身長を伸ばすために必要な成長ホルモンは、深い眠りであるノンレム睡眠の時に分泌が高まるからです。

このように質の良い睡眠を得ることがストレスを軽減し、低身長を解消することにも繋がります。
それでは睡眠の質を上げるには、どのような工夫が必要になるのでしょうか。

夜眠る前に、必ずお風呂に入れるようにしましょう。
お子さんがまだ小さい場合は、一緒に入ることでコミュニケーションの時間を作ることにもなります。
身体が温まった状態であれば心身がリラックスし、眠りに落ちやすくなります。

成長ホルモンの分泌が多くなれば、身長が伸びる可能性も高くなります。
専門医療機関に相談をしながら、子どもとのコミュニケーションを図ることがストレス性の低身長を防ぐことになります。

(まとめ)ストレスは低身長の原因になる?

1.ストレスは低身長の原因のひとつです

子どもの低身長を引き起こす原因のうちストレスは目に見えるものではないことから、発覚しづらいという側面があります。低身長治療において親子関係は非常に重要であり、子どもが家庭内でストレスを感じている場合は、問題点を突き止めなければなりません。

2.愛情遮断症候群が低身長を引き起こします

愛情遮断症候群とは、家庭に問題を抱えている子どもの成長に遅れが見られるというものです。家庭内で子どもが充分に愛情を感じられないことによって成長ホルモンの分泌が低下し、低身長の原因となります。

3.愛情遮断症候群になると低身長以外の影響が出ることがあります

愛情遮断症候群の子どもは低身長以外にも、成長の遅れなどが見られることがあります。笑顔が少なく無表情であったり、怒りっぽくなったりなど、ストレスの受け方によってさまざまな症状が現れます。

4.ストレスを癒やすにはよく眠ることが効果的です

質の良い睡眠はストレスを軽減させ、子どもの身長を伸ばすのに必要な成長ホルモンの分泌を高めます。子どもの低身長について気になることは、専門医療機関に相談をしましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師