「子供の身長が低いのは、自分の背が低いから」と諦めていませんか?
たしかに子供の身長は、親の影響もありますが、それだけでなく、食事や生活習慣も関係しているのです。
そこで今回は、子供の身長を伸ばす方法や日常的に意識したいポイントをご紹介していきます。

 

身長が伸びる仕組みを解説

子どもの身長を伸ばすためにできることを知る前に、まずは身長が伸びる仕組みについておさらいしておきましょう。

子どもの骨の両端には「骨端線(こったんせん)」と呼ばれる軟骨があり、これが成長することで身長がどんどん伸びていきます。

骨端線の成長に大きく関わるのは、「成長ホルモン」「甲状腺ホルモン」「性ホルモン(男性ホルモン・女性ホルモン)」の3つです。

それぞれが骨の成長を促進したり、同時に骨を成熟させたりといった重要な役割を持っています。

詳しくは下記の記事で詳しくご紹介しています。ぜひ併せてご覧ください。
>>意外と知らない?子供の身長が伸びる仕組み

身長に影響する3要因

身長に影響を与える3つの要因として挙げられるのが、「ホルモン」「栄養」「遺伝」です。

ホルモンには前述した通り、骨の成長や成熟を促す役割があります。
ホルモンと同じく、亜鉛や鉄、ビタミンなどの栄養も骨組織の生成を加速させる要因です。

そのほか、両親からの遺伝も身長に大きく関わってきます。

低身長の基準は「-2.5SD」

SDスコアについて理解するには、まず「成長曲線」について知っておく必要があります。成長曲線とは年齢ごとに身長と体重を曲線化したもので、全国の子どものデータをもとに指標となる標準の成長曲線が描かれています。

そして、SDスコアとは、この標準の成長曲線とは別に描かれた「標準偏差」のこと。子どもごとの成長の偏りをある程度データ化し、それを曲線に描いています。

>>成長曲線を見る

平均値よりも高い場合は+、低い場合はーで表記され、その中で「-2.0SD以下」に当てはまる子どもが低身長と判断されます。

 

子供の身長を伸ばすための4つのポイント

子供の身長の伸びには、食事や生活習慣が大きく影響しています。
特に重要とされる4つのポイントをご紹介しましょう。

質のよい睡眠

子供の身長の伸びに重要な役割を果たす「成長ホルモン」の約3分の2は、睡眠中に分泌されるといわれています。
このため、「寝る子は育つ」といわれるように、睡眠は、身長にとって欠かせない重要な要素の1つです。
成長ホルモンは、特に「深い眠り」に陥っているときに分泌されるので、生活リズムや、睡眠環境を整えて、熟睡しやすくすることが大切です。

バランスのよい食事

身長の伸びに関わる栄養素といえば、骨を伸ばす「タンパク質」、骨を丈夫にする「カルシウム」、骨の構成成分の「マグネシウム」、タンパク質の合成や骨の発育に関わる「亜鉛」などが知られています。
ただし、栄養素というのは、すべての栄養素がバランスよく体の中に充足することで、はじめてその効果を発揮するので、「これさえ摂っておけば大丈夫」というものはありません。
タンパク質やミネラルはもちろんですが、炭水化物、脂質、ビタミン、食物繊維も、過不足なく摂取することが大切です。

適度な運動

適度な運動は、成長ホルモンの分泌を促すとともに、骨に刺激を与えて骨の成長を促進します。
また運動をすることで、お腹が空いて食欲が増進したり、ほどよく疲れて熟睡できたりもします。
ただし、「このスポーツをすれば背が伸びる」というようなものはありません。
大切なのは、子ども自身が好きだと思える運動を定期的に長く続けていくことです。

標準体重をキープ

肥満になると、成長ホルモンの分泌が悪くなる傾向があります。
少しぽっちゃりしているくらいなら問題はありませんが、過度な肥満は、身長の伸びを妨げる可能性があるので注意しましょう。

また痩せすぎて栄養不足だと、生命維持のために、優先的に栄養が使われるので、身長を伸ばすことができません。
ただし、少食の子に無理に食べさせようとすると、食事自体が苦痛になってしまう可能性もあります。
「おやつを食べ過ぎていないか」「運動不足や運動のし過ぎではないか」など、なぜ食欲が出ないのかを考えましょう。

思春期の過ごし方を見直すことも重要

思春期は、生後からの1年に続いて身長が急激に伸びる時期。
思春期の到来は、女の子の平均が9歳前後、男の子の平均が11歳前後になります。
思春期の間に伸びる身長は女の子で22cm前後、男の子で25cm前後とほぼ決まっており、思春期が訪れる前の身長によって思春期を終えた後の最終身長(成人身長)が決まります。
そのため、思春期が遅く訪れた方が、最終身長が高くなる傾向にあるのです。

思春期の訪れをできるだけ遅くして身長が伸びる可能性を高めるには、性成熟を抑制する作用を持つメラトニンというホルモンをしっかり分泌させることが大切です。
メラトニンは夜間に暗くなると分泌され、睡眠にも深く関わっています。
思春期くらいの年齢の子供は習い事や宿題、またはゲームなどで寝る時間が遅くなりがち。睡眠が十分にとれていないとメラトニンが不足してしまいます。
メラトニンが十分分泌されるよう生活リズムを整え、睡眠をしっかり摂るようにしましょう。

まとめ

身長は、子どもの成長が顕著に現れる部分の一つだからこそ、同年代の子どもと比べて不安になってしまいがち。今回の記事を参考に、まずは普段からできることを少しずつ取り入れていくといいでしょう。

「全部試しているけど生活習慣の改善だけでは身長がなかなか伸びない…」とお悩みの方は、成長ホルモン治療も選択肢に入れてみるのもおすすめです。

西新宿整形外科クリニックでは、お子さまの現状把握や治療についての疑問解消などを目的とした無料カウンセリングも受け付けています。

お子さまの身長についてお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師