成長ホルモンの分泌量は年齢によって変化すると考えられています


成長ホルモンは人の生涯を通して分泌されるホルモンですが、その分泌量は年齢によって変化していくと考えられています。

一般的に、成長ホルモンの分泌量は小児期にも多いですが、ピークに達するのは、15~17歳前後の思春期だといいます。
その後は徐々に分泌量を減らしていくといわれています。
また、思春期を過ぎた頃が成長ホルモン治療を終了する目安になっています。

成長ホルモンの分泌量は思春期後期にピークになるといわれています

成長ホルモンの役割にはさまざまなものが挙げられます。

成長ホルモンの分泌量が不足すると、同年齢の子どもに比べ身長が低い、身長の増加率が低いなどの「低身長」の症状が起きてしまう可能性があります。
この「成長ホルモン」は、人の生涯を通して分泌されるホルモンですが、生まれてから高齢になるまで、常に一定量分泌されるというわけではありません。

加齢により徐々に分泌量が低下していくと考えられています。
一般的には、成長ホルモンの分泌量は小児期に多いとされており、ピークに達するのは思春期前後だといわれています。

思春期のなかでも前期より後期の方がより成長ホルモンの分泌量が増えると考えられています。
思春期の時期は平均的な年齢こそ決まっているものの、個人差があることは否めません。

男児よりも女児の方が早く思春期を迎えることが多いといいます。
男児の場合は11歳頃~、女児の場合は10歳頃~思春期を迎える子どもが多いと考えられています。

思春期の終わりは男女ともに18歳前後だといいますので、成長ホルモンの分泌がピークになるのは、15~17歳頃だといえます。

成長ホルモンが分泌不全になると心身にさまざまな症状をもたらします


成長ホルモンの分泌不全により低身長の症状が現れ始めるのは3~4歳頃からだといいます。
成長ホルモンの分泌量が不足すると、成長ホルモン分泌不全性低身長症のほかにも心身にさまざまな症状をもたらすと考えられています。

  • 記憶力や集中力の低下、やる気の欠如
  • 体の免疫機能の低下
  • 骨の成長、発達不全
  • 筋肉量の減少
  • 生殖機能や性的成熟の遅れ
  • 体脂肪の増加

代表的な症状だけでもこれほどの数が挙げられます。
このなかでも、多感な時期の子どもにとって大きな影響を与えるのが生殖機能や性的成熟の遅れだといえます。

二次性徴が他の子どもよりも遅れているというのは、成長ホルモン分泌不全性低身長症の身体的特徴でもあるといいます。
具体的には、身長が低い割に全体のバランスが良いことや声変わりが起きていないこと、生殖器の発達が遅れていることなどが挙げられます。

親には相談できないけれど、子ども自身はコンプレックスに思っているかもしれません。
「子どもの身体的特徴がこの項目に当てはまる」という親御さんは、一度クリニックで相談してみると良いでしょう。

成長ホルモン治療を行うことで低身長を改善することが可能です

成長ホルモンの分泌量に問題がある場合、成長ホルモン治療を行うことで分泌量を正常にし、低身長を治すことが可能とされています。
成長ホルモン治療はSGA性低身長症であれば3歳以上から、それ以外の場合は5歳以上から受けるのが一般的です。

早い年齢から治療を受けた方が得られる効果は大きいといわれているため、なるべく早くクリニックを受診することをおすすめします。
成長ホルモン治療は、成長率が低下し、成人身長になった時点で終了することが多く、ちょうど思春期が終わる時期と重なると考えられています。
目安としては、骨年齢が男子で17歳以上、女子で15歳以上だといわれています。

または、1年間の身長増加が1㎝以下になったときです。

骨年齢は手のレントゲン写真を撮ることで調べることができます。
低身長は成長ホルモンの分泌不全のほかに、骨の病気や染色体に問題があるケース、脳の腫瘍などが原因の可能性もあります。

まずは医師に相談してみて、子どもの低身長の原因を把握しましょう。

(まとめ)成長ホルモンの分泌量は年齢によって違うって本当?

1.成長ホルモンの分泌量は年齢によって変化すると考えられています

成長ホルモンの分泌量は小児期に多く、ピークに達するのは思春期前後だといわれています。成長ホルモン治療も、思春期の終了とともに終えるのが目安です。思春期を過ぎても分泌は続きますが、加齢とともに減少していくのが一般的です。

2.成長ホルモンの分泌量は思春期後期にピークになるといわれています

成長ホルモンの分泌量は加齢により徐々に低下していくといわれており、ピークに達するのは思春期後期の15~17歳前後だと考えられています。成長ホルモンの分泌量が不足すると、低身長の症状が出てしまう恐れがあります。

3.成長ホルモンが分泌不全になると心身にさまざまな症状をもたらします

成長ホルモンの分泌量が不足すると、成長ホルモン分泌不全性低身長症が発症する以外にも、心身にさまざまな影響を及ぼすと言います。脳や体、骨、筋肉、生殖機能などを正常に発達させ働かせることができなくなる可能性があります。

4.成長ホルモン治療を行うことで低身長を改善することが可能です

成長ホルモン分泌不全性低身長やその他の病気が原因で低身長になっている場合、成長ホルモン治療を行うことで治療することが可能です。成長ホルモン治療は早い年齢から受けることが推奨されていますので、まずはクリニックで相談してみましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師