乳酸に成長ホルモンの分泌を促す働きがあるのは本当です


乳酸は、筋力トレーニングなどを行った際に発生する物質で知られており、疲労物質と捉えられがちです。しかし、実は成長ホルモンの分泌を促す働きがあることで注目されている物質でもあるのです。

なぜならば、無酸素運動によって乳酸が発生し筋肉が疲れることによって、成長ホルモンの分泌が多くなるという仕組みがあるからです。
さらに、筋肉量の増加やタンパク質、脂肪、炭水化物の消費を促す作用もあると考えられています。

成長ホルモンは筋肉が疲労した時に多く分泌されるといいます

子どもの成長や身長を伸ばすために必要なホルモン、成長ホルモンの分泌に「乳酸」が関係しているという話を聞いたことがありますか?
乳酸は、筋力トレーニングなどの無酸素運動を行った時に発生する物質で、ブドウ糖やグリコーゲンなどの糖質が代謝、消費されることでできると考えられています。

乳酸は、激しい運動を行った際に生まれることから、疲労物質と捉えられ、どちらかというと「からだに悪影響を及ぼす」と認識されがちです。
しかし、実は乳酸は成長ホルモンを分泌させる作用があるといわれているのです。

成長ホルモンは筋肉が疲労した時に多く分泌される仕組みになっているといいます。
そして、筋肉の疲労は乳酸の量によって決まると考えられています。

つまり、乳酸が多ければ多いほど成長ホルモンの分泌がさかんになり、子どものからだを成長させるといえます。また、発生した乳酸には心臓のエネルギー源としての役目もあるといわれています。

さらに、筋肉量の増加やタンパク質、脂肪、炭水化物の消費を促す作用もあると考えられており、からだに悪影響を及ぼすどころか、必要な物質と考えてもよいでしょう。

子どもの身長を伸ばすにはタンパク質が必要です


乳酸によって成長ホルモンの分泌が促進されても、栄養素が十分でないと、その効果が得にくいと考えられます。
分泌された成長ホルモンの効果で子どもの身長を伸ばすためには、子どものからだづくりに必要となる栄養素をしっかりと摂らせることが大切といえます。

身長を伸ばすといえば「牛乳」が思い浮かぶかもしれません。
確かに、牛乳にはカルシウムが豊富で、骨を太く強くする効果が期待できます。

しかし、直接的に成長ホルモンを増やしたり、身長を伸ばしたりする効果は医学的には証明されていません。牛乳の摂取量が一日500ml以上である子どもとそうでない子どもでは、前者の子どもの方が身長の伸びが大きいという調査結果は出されています。

牛乳の摂取も大切かもしれませんが、それ以上に身長を伸ばす上で重要視されているのはタンパク質です。
タンパク質は私たちのからだ、皮膚、髪の毛、筋肉、臓器などのあらゆる生成に関わっている栄養素だと考えられています。

タンパク質の摂取なしでは子どもの成長は期待できないといっても過言ではないでしょう。

また、カルシウムやタンパク質以外にも、亜鉛やビタミンCなどの栄養素をバランスよく摂ることが大切といわれています。

成長ホルモン治療で子どもの身長を伸ばすことが可能です

「すでに子どもの身長の伸びが悪くなっている」「ほかの同年齢の子どもと比べて著しく身長が低い」というような場合には、バランスの良い食事以外にも、成長ホルモン治療を受けることで身長を伸ばしていくことが可能です。
成長ホルモン治療は、毎日自宅で注射器により成長ホルモンを体内に送りこむ治療となります。

成長ホルモン治療を受けると、開始からはじめの一年間に高い効果が現れるのが一般的です。
身長の大きな伸びを感じることはもちろん、骨や筋肉の発達も促進させることができるため、他の子どもと比べてからだの成長が遅れていることをコンプレックスに思うお子さんの悩みを解消することにもつながるでしょう。

成長ホルモン治療を受けるのに適している時期は、3歳頃から思春期後期までの間だと考えられています。

つまり、成人になる前に受けることが推奨されているということです。
また、個人差はありますが、思春期に入ると性ホルモンの影響で骨が成熟し身長の伸びが緩やかになってしまうと考えられます。

このことからも、成長ホルモン治療はなるべく早期に受けた方がよいといえるでしょう。

(まとめ)乳酸には成長ホルモンの分泌を促す働きがある?

1.乳酸に成長ホルモンの分泌を促す働きがあるのは本当です

筋肉が疲労することで成長ホルモンの分泌がさかんに行われると考えられています。
そして、筋肉の疲労を感じるためには、無酸素運動を行い、乳酸を発生させる必要があります。
乳酸に成長ホルモンの分泌を促す働きがあるのは本当だといえます。

2.成長ホルモンは筋肉が疲労した時に多く分泌されるといいます

乳酸は激しい運動を行った際に発生することから疲労物質として捉えられがちですが、成長ホルモンを分泌させる作用があると考えられています。成長ホルモンの分泌が筋肉の疲労によりさかんになり、筋肉の疲労が乳酸の量で決まることが理由とされています。

3.子どもの身長を伸ばすにはタンパク質が必要です

乳酸によって分泌された成長ホルモンの効果を十分に得るには、食事の栄養バランスが大切だといえます。特に、人間のからだのあらゆる部分を生成するタンパク質は、子どもの成長には不可欠だといえます。

4.成長ホルモン治療で子どもの身長を伸ばすことが可能です

バランスの良い食事はもちろん、病院で成長ホルモン治療を受けることも子どもの低身長を改善する方法として高い効果が期待できます。
成長ホルモン治療は3歳頃から思春期後期までに受けることを推奨されています。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師