生活習慣を整えることで、骨端線の閉鎖をある程度は遅らせることができるとされています


骨端線は大人になると閉鎖しますが、閉じる年齢は一般的に10代後半だとされています。
骨端線が閉じると骨の成長も止まり、身長も伸びなくなります。

できるかぎり閉鎖を遅らせるためには、まず骨の成長を促す生活習慣を身に着けることが大事です。
そのためには、骨の材料となるタンパク質やカルシウムを中心とした栄養バランスのとれた食事を摂る必要があります。
さらに、十分な睡眠と適度な運動も欠かせません。

また、骨端線を損傷し放置すると場合によっては早期に骨端線が閉じるリスクもあるので注意が必要です。

骨端線の閉鎖を遅らせるには、睡眠や栄養のある食事などがポイントとなります

骨と骨のちょうど境目にある骨端線は、軟骨細胞が細胞分裂を繰り返して増殖しながら、骨が生成され積み重なって伸びていきます。

そして、大人になるにつれ骨の成熟が完成すると閉鎖し、骨の成長は止まるので身長も伸びることはありません。閉鎖年齢は男女で差がありますが、大体10代後半位なのが一般的です。
骨端線の閉鎖を少しでも遅らせるには、骨の材料となる栄養を積極的に食事から摂取するのが効果的だとされています。

骨はアミノ酸の一種、コラーゲンが枠組みとなり、そこにカルシウムが肉付けされるという形で太く、伸びていきます。
古い骨が破壊され、新しい骨ができるというように新陳代謝を繰り返しているのです。

大事なのはアミノ酸を作るタンパク質とカルシウムですが、他にもカルシウムの吸収を促すマグネシウムやビタミンDも必須となります。
そして軟骨細胞を活性化させる、成長ホルモンの分泌を促進する亜鉛も摂取しておきたい所です。

さらに、成長ホルモンは睡眠時の熟睡中にもっとも分泌が多くなります。

夜更かしをあまりさせず、夜ぐっすり睡眠を摂ることで骨端線の閉鎖を遅らせることができる可能性もあるのです。

骨端線の損傷は閉鎖を早めることにもなるので、注意が必要です


骨端線の周辺には、軟骨細胞が作り出した骨の元となる軟骨が積み重なっています。

柔らかくて脆いので強い衝撃を受けたり、長期にわたりムリな負荷がかかったりすると損傷するリスクもあります。
骨端線が損傷程度によっては、骨の成長に影響が出る場合もあり、本来閉じる時期よりも早く骨端線が閉鎖する可能性もゼロではありません。
骨端線の閉鎖を遅らせること以上に、閉鎖を早めないように気をつけることも大事なのです。

骨端線の損傷は、運動時におけるオーバーワークや筋肉や関節などに重い負荷のかかる筋トレ、転倒や運動時のケガなどが原因となります。
運動量などに気をつけ、ケガをしないように運動前後にストレッチを行う、筋肉をしっかり伸ばすことなどが予防策になります。

また、捻挫や突き指などでケガをし、腫れや内出血、痛みが生じる場合は軽度であったも、骨端線損傷の恐れがあるので、きちんと専門医の診察を受けることも大事です。
早期に適切な処置を受ければ、骨端線が損傷しても回復する可能性があるからです。

骨端線の有無や骨の成長具合は専門の医療機関で調べることができます

お子さんが低身長で、骨端線の閉鎖時期というよりも、骨端線そのものの有無や骨の発育具合などが気になるという親御さんもいるでしょう。

そんな時は、一度クリニックで検査を受けることがおすすめです。
骨端線はレントゲンでは黒い線状に、骨は白く写ります。
また骨には骨年齢といって、成熟度により骨が何歳位に当たるかを年齢で示す方法があります。

レントゲン写真により、骨端線が開いているか、骨年齢は実年齢に相当しているかなどを確認することができるのです。

骨端線が閉鎖していなければ、骨年齢が低くてもまだ骨が成長し、身長が伸びる可能性は残されています。

さらに、血液検査により血中の成長ホルモン濃度を調べ、正常に分泌されているかも調べられます。成長ホルモンの分泌量が少ないなど異常が分かれば、ホルモン療法により注射でホルモンを補充することも可能です。

骨端線の閉鎖年齢はほぼ決まっているので、時機を逸すると骨が伸びる機会を失うことにもなりかねないので、早めの受診を検討してみてください。

(まとめ)骨端線の閉鎖を遅らせることはできるの?

1.生活習慣を整えることで、骨端線の閉鎖をある程度は遅らせることができるとされています

骨端線が閉じる年齢は大体決まっていますが、少しでも遅らせるためには食事や睡眠、運動などのポイントで、生活習慣を整える必要があります。
さらに、骨端線がダメージを受けると閉鎖が早まる可能性もあるので気を付けましょう。

2.骨端線の閉鎖を遅らせるには、睡眠や栄養のある食事などがポイントとなります

骨端線の閉鎖年齢は大体決まっていますが、少しでも遅らせるためには、毎日の食事で骨を作る栄養素を含んだ食品を摂取することが大事です。

また、骨を伸ばす作用のある成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるので、しっかり眠ることも重要です。

3.骨端線の損傷は閉鎖を早めることにもなるので、注意が必要です

骨端線の周りにある軟骨は、やわらかいので衝撃を受けると損傷する可能性があります。

損傷を放置すると、骨の変形や骨端線の早期閉鎖が起きる場合もあるので、痛みなどがあれば早めに専門医の診察を受けましょう。

4.骨端線の有無や骨の成長具合は専門の医療機関で調べることができます

お子さんの骨端線の有無や骨の成長具合が気になる場合は、専門医療機関で検査を受けられることをおすすめします。
骨端線はレントゲンで黒い線状に写るので、まずレントゲンを撮ります。
さらに、血液中に成長ホルモン濃度を調べるために採血も行うのです。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師