成長ホルモンが欠乏することは子どもの低身長の原因です


成長ホルモンは子どもの成長だけでなく、大人にとっても必要不可欠なホルモンとして知られています。成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、骨や臓器、筋肉、心臓、脳などに直接働きかける作用を持っているといいます。

子どもの成長を促進させる作用や人の代謝を調節する作用が主な働きです。
そんな成長ホルモンが欠乏すると、子どもの低身長を招く恐れがあると考えられます。

子どもの成長ホルモン欠乏は低身長の原因になります

子どもがすくすくと育ち、成長期にどんどん身長を伸ばしていくためには、成長ホルモンと呼ばれるホルモンが不可欠と考えられています。
子どもの身長が低いことが気になる、また、一年間の身長の伸びが悪い……などの場合は、もしかすると成長ホルモンが欠乏しているのかもしれません。

成長ホルモンは脳の下垂体から分泌されているホルモンで、骨や臓器、筋肉、心臓、脳などに直接働きかける作用を持っているといわれています。
子どもの成長を促進させる作用や人のからだの代謝を調節する作用を持っているため、子どもにとっても大人にとっても大切なホルモンだといえます。

そんな成長ホルモンが欠乏すると、子どもの低身長を引き起こす可能性が高いと考えられています。
さらに、子どものころから成長ホルモンが欠乏していると、将来生活習慣病にかかる恐れもあるといいます。

また、大人になってから成長ホルモンが不足することもあり、その場合はからだの代謝機能が上手く働かないことで様々な症状が現れる原因となります。
子どものうちに成長ホルモンが欠乏した場合、8割~9割のケースが原因不明とされています。

脳の下垂体に腫瘍ができることや遺伝が原因となるケースもありますが、比較的少ないと考えられています。

成長ホルモン治療の前に、検査や試験を受ける必要があります


成長ホルモンの欠乏により子どもが低身長症となってしまった場合、医療機関で成長ホルモン治療を受けることで治療することが可能です。
成長ホルモン治療を開始する前には問診や検査を行う必要があるのですが、その中には血液検査も含まれます。

血液検査では甲状腺ホルモンや甲状腺刺激ホルモンの他に、IGF-Iと呼ばれる物質の内分泌検査も行います。IGF-Iは、本来成長ホルモンの働きにより分泌される成長因子だと考えられており、このIGF-Iが正常に分泌されているかどうかは、検査の上で非常に重要な要素となります。

検査の結果、成長ホルモンが欠乏している疑いがあるとされた場合には、成長ホルモン分泌刺激試験と呼ばれる精密検査に移ります。
検査や試験の結果、成長ホルモン分泌が正常であると診断された場合は、治療が不要となるか、経過観察になることが大半です。

ただ、一部の病気の場合は、成長ホルモンが欠乏していなくても成長ホルモン治療を受けることが可能です。もし、これらの検査や試験により治療を要する低身長であることが認められると、成長ホルモン治療を受けることができます。

検査は小児内分泌科や内分泌内科、一部の小児科などで行う事ができるでしょう。

子どもの低身長症は成長ホルモンの欠乏以外が原因の場合もあります

子どもの身長が著しく低い場合、成長ホルモンが欠乏していることが原因とは限りません。
なぜなら、子どもの低身長はほかの要因でも起こり得るからです。

ここでは、子どもの低身長の原因となる症状をご紹介します。

ターナー症候群

女性にのみ起こると考えられている性染色体異常症です。性染色体は通常XXと二本ありますが、この症状の人はX染色体を1本しか持たないといわれています。
低身長だけでなく、奇形症症状がみられることがあります。

軟骨異栄養症

四肢が短く、著しく低身長をもたらす先天性の「軟骨無形成症」と症状の程度が軽い「軟骨低形成症」とが挙げられます。遺伝子変異が主な原因とされていますが、生まれた時から低身長であるわけではありません。
この症状を持つ人の成人身長は男性で130㎝程度、女性で125㎝程度だといわれています。

愛情遮断症候群

子どもの低身長は、心理的な要因で起こることもあります。
母親が適切な育児を行うことができず、愛情を十分にそそぐことができない、それとともに十分な栄養を与えることができないことによって、栄養障害が起こると考えられています。

(まとめ)成長ホルモンが欠乏するとからだにどんな症状が出る?

1.成長ホルモンが欠乏することは子どもの低身長の原因です

成長ホルモンは脳の下垂体から分泌され、子どもの身長を促進させたり人の代謝を調節したりする作用を持っていると考えられています。成長ホルモンは生涯通して必要な物質ですが、欠乏がみられると、子どもの低身長の原因となります。

2.子どもの成長ホルモン欠乏は低身長の原因になります

脳の下垂体から分泌される成長ホルモンには、子どもの成長を促進したり、からだの代謝を調節したりする機能があるといわれています。子どもにとっても大人にとっても大切なホルモンであり、子どもの成長ホルモンが欠乏すると低身長の原因になると考えられています。

3.成長ホルモン治療の前に、検査や試験を受ける必要があります

低身長症は、成長ホルモン治療を受けることにより治療することが可能です。成長ホルモン治療を受けるためには、IGF-I(成長因子)などのホルモンの分泌検査や成長ホルモン分泌刺激試験などで成長ホルモンが欠乏していることが認められる必要があります。

4.子どもの低身長症は成長ホルモンの欠乏以外が原因の場合もあります

子どもの低身長症は、成長ホルモンが欠乏していることだけが原因とは限りません。ターナー症候群や軟骨異栄養症、愛情遮断症候群などが原因で起こることもあると考えられています。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師