成長ホルモンにはグルコースを分解する働きがあります


成長ホルモンには成長促進作用があるだけでなく、中間代謝に関する作用もいくつかあります。その中の一つに、糖の代謝における抗インスリン作用があるといわれています。
筋細胞や脂肪細胞においてのグルコースの取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を促進させる作用などが挙げられると言います。

つまり、成長ホルモンにはグルコースを分解する働きがあるといえます。

成長ホルモンには血糖値を上げる働きがあります

グルコースは血糖のことを指し、日本語ではブドウ糖と呼ばれています。グルコースは体内に取り込まれるときは糖質の状態です。

糖質は炭水化物に多く含まれている栄養素だと考えられています。
糖質が体内に取り込まれると、グルコースに変化して私たちの身体のエネルギー源として使われます。

生物の身体でもっとも使われている糖がグルコースであり、人間が生きていくうえで欠かせない栄養素だといわれています。
しかし、血液中のグルコースの濃度(血糖値)は高すぎるとからだに悪影響を与え、逆に低すぎても同様だと考えられています。

たとえば、血糖値が高すぎると、高血糖の状態になってしまいますし、低すぎると低血糖の状態になってしまいます。
成長ホルモンには、この血糖値を上げる働きがあるとされています。

成長ホルモンには子どもの身長を伸ばす成長促進作用がありますが、ほかにも中間代謝に対する作用もあるといいます。
その作用の一つが糖の代謝における抗インスリン作用です。

筋細胞や脂肪細胞においてのグルコースの取り込みを減少させ、肝臓からのグルコース放出を促進させる作用などが挙げられると言います。
そのため、成長ホルモンにはグルコースを分解する作用があると考えられています。

血糖値はホルモンの働きによって調節されています


血糖値は高すぎても低すぎても私たちの健康に害を及ぼす可能性があるとご説明しました。
通常、血糖値は、血糖値を調節する働きのあるホルモンによって、その値が調節されています。

血糖値は食後に大きく上昇すると考えられており、その時に膵臓から分泌されるのがインスリンと呼ばれるホルモンになります。
インスリンには、血中のグルコース量を減少させるため、グルコースの消費量を増加させる作用があると考えられています。

血糖値を下げるためのホルモンがインスリンということになります。
インスリンが過剰に分泌されると、血糖値が減少していくといいます。

この時に分泌されるのが、成長ホルモンのほかにグルカゴンやアドレナリン、甲状腺ホルモン、糖質コルチロイドなどのホルモンだといわれています。
つまり、これらのホルモンによって血糖値が上昇するということになります。

例えば、成長ホルモンの分泌に異常が生じた場合、血糖値が上昇せず、低血糖の状態になる可能性があるということです。
低血糖というのは、血糖値が60㎎/dl以下の状態を指し、集中力が欠乏したり、気力がなくなったり、イライラしやすくなったりします。

大人はもちろん、子どもにとっても血糖値が調節されていることが大切になります。

成長ホルモンの分泌に異常がある場合、成長ホルモン治療を受けられます

成長ホルモンが正常に分泌されなくなると、低血糖の状態を引き起こすだけでなく、成長促進作用を充分に得られなくなると考えられます。
「子どもの低身長が気になる」という親御さんは、子どもの成長ホルモンが不足している可能性があるということも頭に入れておいてください。

病院で検査や試験を受けた結果、成長ホルモンの分泌に異常がみられる場合、成長ホルモンの投与を行う「成長ホルモン治療」を受けることができます。
成長ホルモン治療を受けると、最初の一年間にもっとも効果が現れると考えられています。

また、成長ホルモン治療により、骨や筋肉の成長が促され、脂肪を分解する作用も期待できます。
成長ホルモン治療は20歳を過ぎると原則受けることができません。

そのため、成長ホルモン治療は早期から行うことが理想的です。

(まとめ)成長ホルモンにはグルコースを分解する働きがあるの?

1.成長ホルモンにはグルコースを分解する働きがあります

成長ホルモンは成長促進作用を持つ以外に、グルコースなど糖の代謝における抗インスリン作用を持っているといいます。筋細胞や脂肪細胞ではグルコースの取り込みを減少させ、肝臓ではグルコース放出を促進させる働きなどをすると考えられています。

2.成長ホルモンには血糖値を上げる働きがあります

グルコースは日本語でブドウ糖のことをいい、糖質として体内に取り込まれ、からだのエネルギー源として使われます。成長ホルモンには血液中のグルコース濃度(血糖値)を上げる働きがあり、同時にグルコースを分解する作用を持っていると考えられています。

3.血糖値はホルモンの働きによって調節されています

血糖値は高すぎても低すぎてもからだに悪影響を与えるため、ホルモンによって調節されています。例えば成長ホルモンの分泌が行われないと低血糖の状態になり、子どもの集中力ややる気が欠乏してしまう恐れがあるということです。

4.成長ホルモンの分泌に異常がある場合、成長ホルモン治療を受けられます

成長ホルモンには成長促進作用がありますから、分泌に異常が生じると、子どもが低身長になる可能性が高いです。成長ホルモンの分泌に異常がある場合、成長ホルモン治療を受けることができ、その結果、骨や筋肉の成長を促進する効果が期待できます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師