母乳を飲まなかったことも身長が伸びない原因のひとつと考えられています


子どもの身長が伸びない原因のひとつとして、母乳を飲む量が不十分だったというものがあります。
母乳は栄養素の面で大変優れており、粉ミルクなどの人工乳と比べて栄養価が高いという特徴があります。

そのため、本来母乳で育つべき時期に何らかの理由により母乳をあまり飲まなかった子どもは、身長が伸びにくくなると考えられています。
子どもをできるだけ母乳で育てることが推奨されるのは、母乳が子どもの成長に大きな影響を与えるからです。

母乳には多くの栄養素が含まれています

母乳には子どもの成長に欠かせない多くの栄養素が豊富に含まれています。
離乳食が始まるまでの間、子どもはほぼ母乳だけを食事とし、水などの他の水分を補給する必要もほとんどありません。

母乳だけで生きていくことが可能なほど、母乳は生まれたばかりの子どもにとって完全な食事であると言えます。
母乳に含まれている主な栄養素には、次のようなものがあります。

たんぱく質

身長を伸ばすために最も必要な栄養素だと言われているのが、たんぱく質です。
たんぱく質は骨だけでなく、皮膚、臓器、髪の毛、血液など身体を組織するあらゆるものに関わってきます。免疫機能を高める作用もあるため、さまざまな疾患から身を守る抵抗力が備わります。

ビタミン

ビタミンの中でも特にビタミンDには、カルシウムの吸収率を高める働きがあります。
カルシウムそのものに身長を伸ばす効果はありませんが、丈夫な骨を作るために欠かせません。
身体の外へ流れ出やすいカルシウムを体内にとどめ、骨の代謝を助けるビタミンDは積極的に摂取したい栄養素です。

母乳の味や質は母親の体調によって大きく左右されると言われています。
母乳をたくさん飲んでいたはずなのにお子さんの身長が伸びない場合は、ストレスや睡眠不足などによって、母乳の質が落ちてしまった可能性があります。

初乳は子どもの免疫機能を高める効果があります


母乳の中でも出産して2~3日後に乳腺から分泌される母乳のことを初乳と言います。
この初乳は量はさほど多く分泌されませんが、免疫グロブリンA(IgA)と呼ばれる免疫物質を含んでおり、細菌、ウイルス、アレルギーの原因となる物質の侵入を防ぎます。

また初乳の中にはラクトフェリンというたんぱく質が特に多く含まれ、生まれたばかりの子どもを感染症から守る役割を果たします。
初乳100mℓあたり、およそ600mgのラクトフェリンが含まれているとされ、グラス1杯の水に例えると角砂糖2分の1個が溶けた割合と同じだと言われています。

出産してから3週間以降の母乳になると、ラクトフェリン濃度はその3分の1程度に減少します。
WHOでは少なくとも生後半年までは母乳で育てることが望ましく、2歳になるまでは母乳を与えることを推奨していますが、卒乳するタイミングは子どもによって個人差があります。

一般的には子どもが自然と母乳に関心を示さなくなった時が、卒乳のタイミングだとされています。

身長が伸びないと悩んだら専門医療機関で成長ホルモン治療を受けましょう

母乳が子どもの成長に欠かせないものであることをお伝えしてきましたが、お子さんがすでに授乳の時期を過ぎている場合は身長を伸ばす治療を検討しましょう。
専門医療機関では成長ホルモンを投与することによって、子どもの身長を伸ばす治療を行っています。

成長ホルモンは経口投与すると胃の中で分解されてしまうため、内服薬では摂取できません。
投与は注射によって行われ、それ以外の方法で投与したとしても効果はないとされています。

成長ホルモンは生涯にわたって分泌されますが、子どもの身長を伸ばせる時期は限られています。
つまり骨端線が閉じていなければ治療を受けられる可能性がありますが、骨端線が閉鎖している場合は治療を受けることができません。

なぜなら骨端線が閉じてしまうと、いくら成長ホルモンを投与しても身長を伸ばす効果が出ないからです。身長を伸ばす治療は時間との勝負でもあります。

なるべく早い時期に信頼できる専門医療機関を訪れ、カウンセリングを受けることをおすすめします。

(まとめ)母乳を飲まなかった子どもは身長が伸びないって本当?

1.母乳を飲まなかったことも身長が伸びない原因のひとつと考えられています

子どもの身長が伸びないのは、生まれたばかりの頃に母乳を飲む量が不十分だったことが考えられます。栄養価の高い母乳は子どもにとって栄養素の基本であり、身長など子どもの成長に大きく関わってきます。

2.母乳には多くの栄養素が含まれています

母乳には子どもが健やかに育つための栄養素が豊富に含まれています。骨の成長を促すたんぱく質や、骨を丈夫にするカルシウムの吸収を高めるビタミンDなど、どれも子どもにとって欠かすことのできない栄養素です。

3.初乳は子どもの免疫機能を高める効果があります

初乳とは出産後2~3日経ってから分泌される母乳のことを言います。免疫グロブリンA(IgA)を含み、細菌、ウィルス、アレルゲンなどが侵入するのを防ぐ役割を果たします。
また免疫を高めるラクトフェリンが多く含まれていることでも知られています。

4.身長が伸びないと悩んだら専門医療機関で成長ホルモン治療を受けましょう

母乳は子どもの成長に不可欠なものですが、授乳期を過ぎたお子さんの場合は成長ホルモンの投与で身長を伸ばすことができます。ただし成長ホルモン治療は骨端線が閉鎖すると効果が出ないため、早めに専門医療機関を受診しましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
田邊雄医師
たなべ ゆう/Yu Tanabe

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経歴
富山県立富山中部高等学校卒業
金沢医科大学医学部医学科卒業
順天堂医院 初期研修医
順天堂医院 初期研修修了
順天堂医院 整形外科入局
順天堂大学大学院 整形外科学講座
下記順天堂医院関連施設にて勤務・研修
(順天堂本院、順天堂練馬、伊東市民病院、宮川病院、杏雲堂病院、浅草病院、東部地域病院、賛育会病院、王子病院 等)
日本整形外科学会認定 整形外科専門医取得
順天堂大学大学院 医学博士取得
SBCグループ・西新宿整形外科 入職
西新宿整形外科  医院長
ロコモアドバイスドクター 就任
(「ロコモ チャレンジ!推進協議会」公認)

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 田邊雄医師