椎間板を伸ばすと、身長が伸びる場合があります


身長を測った結果は、朝晩で2cmほど違います。
背骨を構成している椎間板は、寝る前に水分がなくなり薄くなります。そして、睡眠中に水分を吸収して厚みがでるため、起床時に身長が伸びます。

そのため、整体などの施術によって、起床時に近い椎間板にすることが可能とされています。
これによって、椎間板が伸ばすことができ、一時的に身長を伸ばすことができるいわれています。

正しい姿勢は、椎間板の働きをサポートします

背骨は、7個の頸椎、12個の胸椎、5個の腰椎が連なっています。
それぞれの骨の間に椎間板は存在し、緩衝材の役割を果たしています。

椎間板は、水分、細胞成分、プロテオグリカンからなる円盤状の繊維軟骨で弾力性があります。
そして、体の動きに伴って、ある程度変形が可能です。
歩いている時や走った時に、足から伝わる衝撃は、椎間板が吸収してくれます。

これによって、背骨を左右に捻ったり、曲げたりといった動作をとることができるのです。
就寝前の椎間板は、朝より約2cm前後縮まります。
これは、普段は意識していないですが、人間は重力に逆らって生活しています。

背骨の緩衝材である椎間板が、重力の負荷により潰れて、少しずつ水分が逃げ薄い状態になるからです。
そして、睡眠中に水分を再吸収することにより元の厚さに戻ります。

こういったことから、起床時の椎間板は、最も水分を含んで厚みがあるとされています。
姿勢が悪い子どもは、起床後の椎間板が正常な水分量に戻っていない可能性があります。

S字が強調されている背骨や猫背などは、適正な背骨の状態に戻すことで、椎間板を正常な水分量に戻すことができます。背骨を整えることで、身長を伸ばせる可能性もあります。

また、整体などで正しい姿勢に矯正することで、ホルモンバランスを調整することも期待できます。
成長ホルモンの分泌が促され、身長が伸びたという例もあります。
姿勢が悪いと実身長より低くも見えるので、子どもにはいつも正しい姿勢を意識させるようにしましょう。

身長が伸びない原因が病気であれば、治療が必要です


背骨のゆがみを正すことで身長をわずかに伸ばすことはできます。
しかし、根本的な身長の問題自体を解決することは難しいでしょう。

子どもには個性があり、身長や発育もそれぞれ違います。
発育のパターンもそれぞれで、ゆっくり伸びる子どももいれば、早く身長が伸びてその後あまり伸びない子どももいます。

ただ、身長がなかなか伸びない原因には、なんらかの病気によるものがあります。
その場合は、原因を特定し、適切な治療をすることが重要と言えるでしょう。
いくつか例を挙げます。

成長ホルモン分泌の異常

出産のときの仮死状態や事故などの脳の外傷、脳腫瘍などで、脳下垂体が障害を受けることがあります。そうすると、脳の下垂体から成長ホルモンが分泌されなくなり、身長の伸びが悪くなります。
軽度の場合、はっきりした原因はわかりません。

ターナー症候群

2000人に1人くらいの割合でみられる染色体異常の病気です。
また、心臓病や難聴などの合併症の問題もあります。

SGA性低身長症

早産や身長や体重が小さいまま生まれた子どもは、子宮内発育不全と呼ばれます。
3歳くらいまでに身長は伸びることが多いですが、身長が伸びない場合もあります。
これらの病気が原因である場合、低身長治療を行うことで身長を伸ばすことができる可能性があります。少しでも疑いがあるようでしたら、早めに病院を受診しましょう。

成長ホルモン療法は、自然なタイミングで成長ホルモンの分泌を促します

低身長と診断された場合、成長ホルモン治療が有効と言われています。
成長ホルモン治療とは、注射などで成長ホルモンを直接投与することによって、状態の改善を図るという治療法です。
通常、眠り始めのタイミングで大量の成長ホルモンが分泌されるため、毎晩寝る前に注射することにより、自然なタイミングで成長ホルモンが睡眠中に増えるようにすることができます。
成長ホルモンは内服しても無効ですので、注射が必要となります。

在宅での注射が主な投与方法とされていますが、優しく安全に注射できる器具も開発されているため、痛みの心配などは不要でしょう。
ホルモン治療の効果が得られるのは、骨が成熟するまでの期間です。

早く治療を開始することができれば、標準身長に近づく可能性も高くなりますから、子どもの身長が伸びなくてお悩みであれば、まずは信頼できる病院での診察をおすすめします。

(まとめ)身長を伸ばすにためには、椎間板を伸ばせばいい?

1.椎間板を伸ばすと、身長が伸びる場合があります

身長は、1日で約2cm前後変化するといわれています。起床時に身長が高いのは、寝る前に薄くなった椎間板が睡眠中に水分を吸収して厚みがでるためです。椎間板を伸ばすことで、一時的に身長を伸ばすことができる場合があります。

2.正しい姿勢は、椎間板の働きをサポートします

子どもの姿勢が悪いと、椎間板の働きが正常でない可能性があります。
整体などで適正な背骨の状態に戻すことは、椎間板の働きを正常にし、身長を伸ばすことができる可能性があります。

3.身長が伸びない原因が病気であれば、治療が必要です

身長が伸びない原因は、体質によるものと病気によるものがあります。
病気が原因の場合は、適切な治療を受けることで、身長を伸ばせる可能性があります。
早めに病院を受診し、原因を特定することが重要です。

4.成長ホルモン療法は、自然なタイミングで成長ホルモンの分泌を促します

成長ホルモン治療は、注射などで成長ホルモンを直接投与することで行います。
ホルモン治療の効果が得られるのは、骨の成熟するまでの期間ですので、早めの治療が必要です。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師