成長期が止まる前兆は二次性徴の終了です


子供の身長がもっとも伸びる時期は、二次性徴の時期と重なります。
二次性徴とは性ホルモンの影響を受け始め、成長ホルモンの分泌量も増えている時期です。

この時期は性ホルモンの影響により体にも変化が見られるため、身長の成長が止まる前兆がわかるでしょう。
体つきが変わり大人に近づいてくる頃になると、身長が一気に伸びえて、その後身長が止まります。

身長が止まる前兆は第3期の始まりで判断が可能です

子供の体の変化は、第1期・第2期・第3期・第4期・第5期と5つに分類することができます。

身長がもっとも伸びるのは、第3期です。
それぞれの体の特徴を比較すると、子供の身長があとどれだけ伸びるのかわかりやすいでしょう。

思春期による体の変化は、第2期より徐々に出てきます。
男の子の体は精巣容量が大きくなり、陰茎増大や陰毛が生えていくでしょう。
思春期の開始は、精巣が4ml以上に増えたことで判断できます。

女の子も第2期より乳房の膨らみが大きくなり、乳輪が大きくなることで判断が可能です。

男の子の精巣の容量が4ml以上になる平均年齢は、11歳6ヶ月です。
このころから身長が伸び出し、成長のピークは約13歳になってからです。

11歳の頃の身長は平均が145cmで、大人の平均身長が171cmのため、11歳から大人の身長になるまで26cmも伸びることになります。
男の子によってはこれ以上の身長の伸びが出る場合もあるため、平均的に伸びる数値だと考えておきましょう。

女の子は乳房がふっくらとなる変化だけでなく、初潮をむかえることでも思春期を判断することができます。
思春期の開始は7歳で、身長のピークは10歳ぐらいです。
初潮をむかえる平均年齢は12歳のため、身長の伸びる時期は少し早くなります。

身長を伸ばすには思春期の時期を遅らせる必要があります


思春期をむかえてしまうと身長が伸びる幅はある程度決まってしまうため、できるだけ身長を伸ばしたいと考えているなら、思春期の時期を遅らせる必要があります。
なぜなら子供の身長の成長に関係しているのが性ホルモンだからです。

性ホルモンがつくりだされる時期に身長は一気に伸びますが、成長ホルモンの分泌量が増えていくと成長ホルモンの力が弱まってしまい、身長の伸びは少なくなってしまいます。
思春期の到来とは、性ホルモンの影響を受けているため、思春期をできるだけ遅らせるためには、性ホルモンの分泌を遅らせる必要があります。

日本では海外と比べて思春期をむかえる時期が早く、そのぶん子供の身長の伸びに影響を与えている可能性があるとも言われているようです。
実は性ホルモンの分泌を抑えているのが、睡眠に必要となるメラトニンなのです。

メラトニンが分泌されることで眠気が促されています。
ところが現代の子供たちは睡眠時間が短い傾向があるため、睡眠中にメラトニンの影響を受けにくく、性ホルモンの抑制ができていないと考えられるのです。
幼稚園までの子供は10時間、小学校低学年は9時間、小学校高学年以降でも8時間半の睡眠は必要となります。

これより睡眠時間が短ければ、性ホルモンの分泌抑制ができていない可能性があるでしょう。

伸び始めをチェックすることで食事や睡眠に注意できます

子供の身長の伸びにとって、思春期の始まりはとても大切な時期です。
その時期は一気に1年で10cmくらい伸びる子もいるため、身長のスパート時期を判断するために、日々身長を測るようにしましょう。
男の子の場合、思春期に入るまでは年間5~6cm程度伸びます。

それが身長のスパート時期に入ると、一気に10cmも伸びるため、この時期を見逃さないようにしながら、身長が伸びるために必要な栄養や睡眠に注意するとよいでしょう。
この時期にどのように過ごすかによっても、将来の身長に影響を及ぼす可能性があります。

身長のスパートは3年くらいのため、気が付いたら思春期を終えていたというふうにならないよう、定期的に身長を測るようにしましょう。
栄養面ではタンパク質の摂取が一番重要となります。
骨に必要なカルシウムやマグネシウムも重要ですが、タンパク質がなければ背は伸びないからです。
女の子の場合は思春期頃にダイエットを開始する場合も少なくないため、食事のバランスに注意してあげなければなりません。

スポーツをやっている子供も栄養が不足しやすいため、必要な栄養補給に注意してあげましょう。
合わせて心がけたいのが、身長スパートの時期に適切な睡眠を取ることです。

塾などで睡眠時間が削られてしまうこともありますが、できるだけ睡眠時間を長くとるようにしましょう。

(まとめ)成長期が止まる前兆はあるの?

1.成長期が止まる前兆は二次性徴の終了です

子供の成長期が止まる前兆は、二次性徴で体が変化する時期で判断ができます。二次性徴で身長が一気に伸び、その後身長が止まるからです。成長期を終えてしまえば身長が伸びることはありません。

2.身長が止まる前兆は第3期の始まりで判断が可能です

子供の身長がもっとも伸びる時期は、第3期です。男の子は精巣容量が4ml以上になり、陰毛が生え始めます。女の子は乳房が膨らみ始める頃です。
第3期になると男の子は最終的に26cmも伸びることになります。

3.身長を伸ばすには思春期の時期を遅らせる必要があります

子供の身長をできるだけ伸ばしたいと思うなら、睡眠時間を増やしてみましょう。なぜなら睡眠に必要なメラトニンが十分分泌されていることで、性ホルモンの分泌を抑制しているからです。

4.伸び始めをチェックすることで食事や睡眠に注意できます

子供の身長を伸ばすことを心がけたいなら、身長のスパート時期を見逃さず、食事や睡眠に注意してみましょう。この時期は1年間で通常の倍の伸びを見せるため、適切な栄養とホルモン分泌のための睡眠が必要です。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師