成長期はタンパク質やDNA合成のために亜鉛が必要です


亜鉛には多数の作用がありますが、そのなかでも成長期に重要となってくるのが、亜鉛によるタンパク質やDNA合成の働きです。
これらの働きにより胎児や乳幼児の発育にも必要な栄養素だといえます。

もちろん成長期の子供にも欠かせることができないミネラルですから、子供の成長のために亜鉛の摂取を心がける必要があると言えるでしょう。

亜鉛は細胞の合成に必要なミネラルです

成長期の子供は新陳代謝が活発で、新しい細胞にどんどん生まれ変わっています。
日々新しい細胞に生まれ変わることで子供は成長することができるのです。

亜鉛はその細胞の合成に必要となるミネラルで、成長期の子供には欠かすことができません。
細胞が生まれ変わるときに元の機能と同じ細胞が生まれるのは、細胞一つひとつにDNAという設計図が書き込まれており、そのとおりにタンパク質を合成するからです。
体内にある60兆個もの細胞が正しくコピーされるのは、DNAがあるおかげでしょう。

そして亜鉛は、タンパク質やDNAの合成に関わるミネラルで、新しい細胞の生まれ変わりに欠かすことができません。
タンパク質は体のいたる場所に存在していて、亜鉛は皮膚の健康を守るためや、臓器の合成など、重要な働きを持っています。

私たちの体は毎日分解と合成を繰り返していて、とくに新陳代謝が激しい成長期の子供は、亜鉛を適切に摂取しなければなりません。
体内でタンパク質が合成されるには、食事で摂取したタンパク質を分解する酵素の働きが重要となります。
亜鉛にはこの酵素の構成成分としても使われており、筋肉や骨、臓器などを作り替えるための栄養補給にも関係しているものです。

亜鉛は食事からとるのが難しく不足しやすい栄養素です


亜鉛が多く含まれている食品は、牡蠣やレバー類などです。魚介類や肉類に多く含まれているため、野菜ばかり食べる人や、ムリなダイエットをしている子供、偏食がある子供でも不足している可能性があります。
そもそも亜鉛は単体では吸収されにくく、食事で摂取しても十分な量がとれているとは限りません。
野菜に含まれるシュウ酸、穀物や豆類に多いフィチン酸を同時に摂取することで、亜鉛の吸収が阻害されてしまいます。

日本人は穀類からの亜鉛摂取量が多いようですが、魚介類や肉類も効率よく食べないと、不足している可能性があるでしょう。
加工食品を多く摂取する場合も注意が必要です。食品添加物が亜鉛の吸収を阻害しやすく、加工食品自体にも亜鉛の含有量が少なくなっています。
インスタント食品や加工食品ばかりの食生活では、子供が亜鉛不足になっている可能性があるのです。

亜鉛が不足するとおこりやすいのが味覚障害で、ファーストフードを食べる機会が多い若者に、味覚障害が増えているともいわれています。
意外と見逃されやすいのが、スポーツをしている子供でしょう。

亜鉛は汗や尿から排出されていき、普段からスポーツをしている子供は不足しやすいのです。

成長期の子供に必要な亜鉛の摂取量は年齢により違います

亜鉛が不足するとタンパク質やDNAの合成ができなくなり、子供の成長に影響を及ぼします。
不足しているのがわかりやすいのは、味覚障害でしょう。

貧血や皮膚炎、脱毛が見られる場合も亜鉛不足を疑ってみてください。
亜鉛不足が疑われる場合は、年齢に応じた適切な摂取量を満たしているのか考える必要があります。

以下の表を参考にして摂取量を気にしてみましょう

適切とされている亜鉛の摂取量
  • 1~2歳 男女ともに3mg
  • 3~5歳 男女ともに4mg
  • 6~7歳 男女ともに5mg
  • 8~9歳 男の子の場合6mg女の子の場合5mg
  • 10~11歳 男女ともに7mg
  • 12~14歳 男の子の場合9mg 女の子の場合8mg
  • 15~17歳 男の子の場合10mg 女の子8mg

どの年齢も推奨量に比べ平均摂取量が低い傾向があるため、亜鉛は不足しやすいといえます。
亜鉛が不足していると感じる場合は、一汁三菜のようなバランスのよいメニューを心がけましょう。
特定の食品を増やすのではなく、いろいろな食材を食事に取り入れることで亜鉛は補いやすくなります。

それでも足りない場合は、おやつにナッツ類・チーズなどを活用すればよいでしょう。
亜鉛はビタミンCやクエン酸と組み合わせると、吸収力を高めることができます。
魚介類や肉類にレモン汁をかけて食べる方法や、お酢を調味料に使って吸収量を高める方法もおすすめです。

(まとめ)成長期の子供に亜鉛は必要ですか?

1.成長期はタンパク質やDNA合成のために亜鉛が必要です

亜鉛はタンパク質やDNAの合成に必要なミネラルで、胎児や乳幼児の成長や、成長期の子供にとって欠かせない栄養素とされています。
新しい細胞をつくるためにも、亜鉛の摂取は必要と言えるでしょう。

2.亜鉛は細胞の合成に必要なミネラルです

亜鉛は細胞の合成に必要なミネラルです。タンパク質やDNAの合成に亜鉛が必要で、常に新しく生まれ変わっている細胞が正しくコピーされるために、亜鉛は必要だといえるでしょう。

3.亜鉛は食事からとるのが難しく不足しやすい栄養素です

亜鉛は魚介類や肉類に多く、ほかの栄養成分により吸収が阻害されやすく、不足しやすいミネラルです。加工食品を食べる機会が多い家庭や、スポーツをしている子供も不足している可能性があるでしょう。

4.成長期の子供に必要な亜鉛の摂取量は年齢により違います

亜鉛は子供の年齢に合わせて足りているか確かめておきましょう。全体的に不足しやすい傾向があるため、一汁三菜のように複数の食材を取り入れる食事がおすすめです。
おやつにナッツ類やチーズを取り入れても亜鉛が摂取できます。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師