ソマトロピンは成長ホルモン製剤の一種です


成長ホルモン治療は、毎日自宅で成長ホルモン製剤を注射器で投与する治療になります。
その際に投与するのがソマトロピンであり、ソマトロピンは成長ホルモン製剤の一種として使用されています。

骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長や、ターナー症候群、慢性腎不全などによる子どもの低身長を治療するのに用いられています。

成長ホルモン治療ではソマトロピンを使用します

成長ホルモン治療には、ソマトロピンが大きく関係しているといいます。

ソマトロピンとはどのようなものなのでしょう。
ソマトロピンとは、遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤で、191個のアミノ酸から構成されているペプチドのことです。
ソマトロピンは成長ホルモン治療に用いられている薬剤です。

無色澄明の液状で、剤型は注射剤といった特徴があります。

子どもの身長を伸ばすのに必要とされる成長ホルモンの一種として考えられており、実際に動物実験により身体の成長を促進する作用があることが分かっています。
ヒトにおいては、成長ホルモン分泌不全性低身長やターナー症候群、軟骨異栄養症、慢性腎不全などの特定疾病が原因の低身長をもつ子どもに対し、成長促進効果があるとされています。

また、成長促進作用だけでなく、タンパク質の合成や代謝、糖の代謝、脂質の代謝、電解質の代謝、血糖値の上昇、脂肪分解などの作用をもっていると考えられています。
ソマトロピンを用いた成長ホルモン治療では、治療をはじめてから一年間の間に非常に大きな効果が現れるといいます。

成長ホルモン治療は、骨端線が閉鎖する前に行う必要があると考えられているため、小児期に行うのが理想的だといわれています。

ソマトロピンを投与してはいけないケースもあります


ソマトロピンは正しく使用すれば、大きな副作用を起こす心配はほとんどないと考えられています。

しかし、投与してはならないケースもあるため、信頼できる医師に相談して治療を進めていくことが大切です。
ソマトロピンは糖尿病の患者には投与してはならないとされています。
その理由は、成長ホルモンには抗インスリン作用があると考えられているからです。

また、悪性腫瘍のある患者にも投与が禁止されています。
これは、成長ホルモンが悪性腫瘍の細胞を増殖させる恐れがあるからです。

ほかにも、妊婦や妊娠している可能性のある女性への投与にも注意が必要とされています。

低身長症の原因がプラダーウィリー症候群である場合に、肥満や呼吸器障害のある方も使用してはいけないとされています。
ソマトロピンの副作用として、まれにけいれんや発疹、じんましん、吐き気、腹痛、関節痛などの症状を起こすこともあります。
ほとんどの場合が一過性のものですが、万一の場合に適切な処置をしてもらえるよう、きちんとした病院で成長ホルモン治療を受けるべきだと言えます。

成長ホルモン治療が成功すると、親御さんはもちろん、子ども自身にとっても喜ばしいことです。
まずは治療が可能か、病院で相談してみましょう。

ソマトロピンは注射針を外して冷蔵庫で保管します

ソマトロピンの使用法については、事前に病院で医師から説明があると思います。
しかし、使用に慣れるまではなかなか扱いや保管が難しいかもしれません。

まず、注射を打つ前に、注射針に異常がないかチェックをしましょう。
もし注射針の保護シール破れや欠けなどがみられる、またはカートリッジにヒビ割れがある、薬剤に変色がみられるというような場合は、使用を止めましょう。

その後、注射針やカートリッジに異常がないことを確かめたら、注射針を真っ直ぐに付けます。
このとき、斜めになっていると液が出なくなる恐れがあるため、注意が必要です。
保管の際は注射針を外して冷蔵庫に入れます。

冷蔵庫の温度は2~8℃程度が良いとされており、高温多湿の場所を避けることが大切です。
ただし、冷凍庫で凍結させてはいけません。

万が一凍らせてしまった場合、その薬剤は使用しないようにしましょう。
もし、どうしても使用方法や保管方法が分からない場合は、遠慮なく医師に相談してください。

(まとめ)ソマトロピンは成長ホルモン治療に関係があるの?

1.ソマトロピンは成長ホルモン製剤の一種です

成長ホルモン治療では、注射器を用いて成長ホルモン製剤を投与するのが基本となります。成長ホルモン製剤の名称を「ソマトロピン」と呼び、成長ホルモン分泌不全性低身長などの治療に用いられています。

2.成長ホルモン治療ではソマトロピンを使用します

ソマトロピンは成長ホルモン治療に使用される天然型ヒト成長ホルモン製剤のことです。成長ホルモン分泌不全性低身長やターナー症候群、軟骨異栄養症、慢性腎不全が原因の低身長を治療する効果があるといわれています。

3.ソマトロピンを投与してはいけないケースもあります

ソマトロピンは糖尿病の患者や悪性腫瘍のある患者、妊婦さん、プラダーウィリー症候群の一部の方には投与してはいけないとされています。しかし、通常は大きな副作用の心配はなく、成長ホルモン治療が成功し親子で喜ばれている方がほとんどです。

4.ソマトロピンは注射針を外して冷蔵庫で保管します

ソマトロピンは使用前に注射針やカートリッジ、薬剤などに異常がないかを確かめるようにしてください。万が一異常がみられる場合は使用をやめましょう。
また、保管の際は注射針を外した状態で冷蔵庫で保管します。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 沼倉 裕堅 医師