お子さんのくるぶしの痛みや腫れは、骨端線損傷の可能性があります


高い所から飛び降りるなどして、お子さんが足首をひねり、くるぶしのあたりが腫れたり、痛みが生じたりすることがあります。

この場合、単なる捻挫ではなく軟骨組織の集合体である、骨端線が損傷している場合があるでしょう。
骨端線が損傷しても、専門医にかかり適切な処置を受けることで、骨の成長にほぼ影響はないと言われています。

くるぶしに異常を感じることがあれば、早めに専門医を受診しましょう。

くるぶし周辺の骨端線の軟骨細胞は脆いので、衝撃で損傷することがあります

お子さんが転倒するなどして足首を負傷した際に、とくにくるぶしの外側辺りが大きく腫れたり、皮下出血や強い痛みが生じたりする場合があります。
ただ、腫れや痛みの程度には個人差があるので、さほど目立たない場合もあるかもしれません。

見た目は一見、通常の捻挫のように見えますが、レントゲンを撮って足首外側の腓骨の骨端線に不自然なすき間が見えると、骨端線の損傷が認められます。
骨端線というのは、ちょうど骨のつなぎ目にある軟骨細胞の集まりのことです。

軟骨細胞がどんどん増えていき、軟骨が生成されて硬くなり積み重なることで骨ができていきます。

骨端線は10代後半になると、骨の成熟が完了して自然に消滅して閉じてしまうのです。
しかし閉鎖までは開いており、骨の伸びしろになっています。

つまり、骨端線を損傷したままにすると、軟骨細胞の増殖もうまくいかなくなり骨の成長がストップするのできちんと治しておくことが大事です。

そもそも、軟骨細胞は外からの衝撃には弱く、破壊されやすいので子供の頃のケガが骨端線の損傷につながる可能性は高いとされています。

くるぶしに異常があれば、早めに専門医の診察を受けましょう


くるぶし周辺が腫れて、骨端線が損傷するのは高い所からジャンプしたり、落ちるなど足首に大きな負荷がかかったり、強い衝撃を受けることが原因とされています。

ほかにも、過度のトレーニングより筋肉などが極度に疲労し、骨を衝撃からカバーできなかった場合や物が飛んできたり落ちてきたりして当たる、壁などの障害物に衝突する場合なども当てはまるので注意が必要でしょう。

骨端線が損傷すると、もう骨が伸びないのでは?と心配になる親御さんもいるでしょう。
しかし、患部をギブスなどで固定してしばらく安静にしていれば自然と治るため、骨端線の損傷のみでは手術などの外科的処置は必要ない場合がほとんどです。

ただ、痛みや腫れがたいしたことないので大丈夫だと思い、放置していると治りも遅くなります。
場合によっては骨端線における軟骨細胞の増殖が止まり、骨が伸びなくなったり骨がズレたまま成長したりする変形などの後遺症をもたらす可能性もゼロではありません。

そのため、あまり捻挫の症状が酷くない場合でも念のため、早めに専門医の診察を受けることをおすすめします。

骨端線の回復には睡眠や栄養バランスのとれた食事も必要です

もし骨端線を損傷していても、早めの専門医の診察を受けて適切な処置を受け、安静にしていれば骨の成長にもほとんど影響はないとされています。

しかし、骨端線が傷つき軟骨細胞の動きも弱まっているので、骨の成長を促す成長ホルモンをしっかり分泌させる生活を送り、軟骨細胞を活性化させることが回復には必要です。成長ホルモンは睡眠中に盛んに分泌されるので、夜は8時間以上しっかり眠り、熟睡できる環境を整えることが大事です。

寝る2時間前の飲食を控え、入浴は1時間前までに済ませると心身がリラックスして脳も休まり睡眠に入りやすくなります。

また、湯船に浸かってしっかり体を温めることで寝つきや良くなります。
さらに、寝る前にスマホなどの光を見ないようにし、寝室は暗くしましょう。

そして骨を作るには、食事からしっかり栄養を補給する必要もあります。

骨の材料をとなるタンパク質を始め、丈夫な骨を作るカルシウムやマグネシウム、ビタミンDなどの栄養素を含む食品をバランス良く食事に取り入れるように工夫してあげましょう。

(まとめ)子供のくるぶしの痛みは骨端線損傷の可能性がある?

1.お子さんのくるぶしの痛みや腫れは、骨端線損傷の可能性があります

くるぶしの腫れや痛みがある場合、子供のケースだと捻挫だけではなく骨端線がダメージを受けている可能性があります。

ただし、専門医を受診してきちんと処置を受ければ治るため、早めに受診することがおすすめです。

2.くるぶし周辺の骨端線の軟骨細胞は脆いので、衝撃で損傷することがあります

くるぶしが腫れたり、痛みや皮下出血があったりする場合は単なる捻挫ではなく、骨端線損傷の可能性があります。

損傷を放置すると、骨の成長に影響が出る場合もあるのできちんと治すことが大事です。

3.くるぶしに異常があれば、早めに専門医の診察を受けましょう

骨端線周りの軟骨は柔らかく脆いので、くるぶしの周りに強い衝撃を受けたり、大きな負荷がかかったりすると骨端線が損傷する場合があります。

ただ、早めに専門医にかかって固定、安静にすることで後遺症などにつながる可能性は低くなります。

4.骨端線の回復には睡眠や栄養バランスのとれた食事も必要です

ダメージを受けた骨端線を回復させるには、軟骨細胞を増殖させる成長ホルモンの分泌量を増やす生活が大事です。

夜はしっかり熟睡できるように生活スタイルを見直し、骨に良い栄養バランスのとれた食事がとれるようにしてあげましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
住所 〒160-0023 東京都新宿区西新宿7-21-3 新宿大京ビル7階
お問い合わせ 0120-962-992
院長 沼倉 裕堅 医師