メクリジンが骨端線の成長を促すとは言い切れません


メクリジンに骨端線を成長させる効果が絶対にあるとは言い切れません。

2013年にオンラインの科学雑誌でメクリジンが骨端線を成長させるという論文が発表されてから、メクリジンが注目されるようになりました。
しかし論文の根拠となる実験ではヒトではなくネズミの骨が用いられており、臨床試験での結果が発表されたわけではありません。

子供の身長を伸ばす新薬が開発されるのは喜ばしいことですが、メクリジンが100%効くという実証は今のところされていません。

メクリジンは酔い止めの薬です

骨端線を伸ばす効果があるのではないかと注目されているメクリジンですが、本来は酔い止めの薬として使われてきたものです。
酔い止めの薬に含まれている成分の一つがメクリジンで、市販薬として売られている酔い止め薬の多くに配合されています。

メクリジンが骨端線を伸ばす効果を期待して、メクリジンが含まれている市販薬を常用するのはおすすめできません。
なぜなら乗り物酔いはあくまで一時的な症状に過ぎないので、酔い止め薬も長期連用することを想定して製造されていません。

メクリジンを含んだ酔い止め薬には眠気、眼圧上昇、口の渇きなどの副作用を起こす可能性があります。大人でも副作用のリスクがあるため、身体が成長しきれていない子供にはさらに負担が大きいと予想されます。

酔い止め薬に含まれたメクリジンなどは、抗ヒスタミン成分と呼ばれるものです。
抗ヒスタミン成分は解熱鎮痛剤や風邪薬などさまざまな市販薬に使われおり、身近な成分であるとも言えます。

身近で手に入れやすいものだからこそ、取り扱いには慎重さが求められます。

また酔い止め薬は大人用と子供用に分かれているので、大人用の酔い止め薬は15歳以上にならないと服用できません。

誤って大人用の酔い止め薬を飲ませてしまうことにより、副作用のリスクが高まります。
いかなる薬であっても、本来の目的にそれた服用はやめるようにしましょう。

専門のクリニックでは成長ホルモン治療が行われています


子供の身長を伸ばす効果が科学的に証明されているのは、成長ホルモン剤になります。
成長ホルモン剤は専門クリニックで行われる成長ホルモン治療で使われており、身長に悩む多くの子供たちに使用されているものです。

成長ホルモン治療を開始すると、最初の1年間で著しい身長の伸びが見られることがわかっています。2年目以降の身長の伸び方は緩やかになりますが、その後も治療を続けていくことにより、だんだんと標準の身長に近づくでしょう。

成長ホルモン剤は体内で作られる成長ホルモンと同じ成分であるため、副作用が少ないという特徴があります。

メクリジンには強い副作用が起こる可能性がありますが、成長ホルモンにはそのような心配がなく、安全性が高いです。
成長ホルモン治療は身長を伸ばす効果が高いだけでなく、副作用のリスクを抑えられるというメリットもあります。

食事、運動、睡眠が身長が伸びやすい身体をつくります

子供の身長を伸ばしやすくするためには、食事、運動、睡眠の三大要素を重視しましょう。

成長ホルモン治療は技術が高く、身長を伸ばす効果が期待できる治療法ですが、生活習慣が乱れていては治療の効果が薄れてしまいます。

食事

身長を伸ばすためのサプリメントが売られていますが、子供の発育に必要な栄養素は食事から摂るのが基本です。

とくにタンパク質には骨端線の成長を促す働きがあるため、積極的に摂取するのがおすすめです。タンパク質は肉や魚、大豆などに多く含まれています。

運動

適度な運動は骨端線に良い刺激を与え、身長を伸ばしやすくすると言われています。
ムリな運動は禁物ですが、水泳などの全身運動が骨端線を刺激して、骨の成長を促すと考えられているのです。

睡眠

成長ホルモンは睡眠中に分泌量が増えることがわかっています。
とくに深い眠りであるノンレム睡眠の時に分泌が促進されます。

家庭でも子供の身長を伸ばすためにサポートできることがたくさんあるでしょう。
メクリジンに頼る方法ではなく、普段の生活を見なおすことから始めましょう。

(まとめ)メクリジンは骨端線の成長を促す?

1.メクリジンが骨端線の成長を促すとは言い切れません

メクリジンに骨端線を伸ばす効果があると言われ始めたのは、2013年に論文が発表されたためです。
実験ではヒトではなくネズミの骨が使われており、実際の臨床試験のデータはまだ明らかになっていないため、絶対に効果があるとは言い切れない段階となります。

2.メクリジンは酔い止めの薬です

メクリジンには骨端線を伸ばす効果が期待されていますが、本来は酔い止め薬に配合されている成分です。
酔い止め薬は長期連用することを想定して作られていないため、子供に飲ませ続けると副作用を起こす可能性があります。

3.専門のクリニックでは成長ホルモン治療が行われています

成長ホルモン剤が子供の身長を伸ばす効果については、科学的に証明されています。

メクリジンには強い副作用が起こる可能性がありますが、成長ホルモン剤の副作用のリスクは低く、安全性が高いと言われています。

4.食事、運動、睡眠が身長が伸びやすい身体をつくります

子供の身長を伸ばすためには、食事、運動、睡眠を重視しましょう。
タンパク質は骨端線の成長を促し、適度な運動は骨端線に良い刺激を与えます。

深い眠りは成長ホルモンの分泌を増やし、身長を伸ばす手助けをします。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
齋藤まい医師
さいとう まい/Mai Saito

 

経歴
2006 年 関西医科大学 医学部医学科 卒業
療法人藤井会 石切生喜総合病院 臨床研修医
2008 年 大阪市立総合医療センター 整形外科勤務
2010 年 医療法人浩仁会 南堺病院  整形外科
2011 年 医療法人宝持会 池田病院  整形外科
2016 年 西新宿整形外科

運営者情報

運営クリニック 西新宿整形外科クリニック
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院長 齋藤まい医師