成長ホルモンが体をつくり、メラトニンは成長ホルモンの分泌を促すからです


成長ホルモンは、体の新陳代謝を活性化させ、子どもの身長を伸ばす働きを持つホルモンといわれています。睡眠時に多く分泌されるといい、22時から2時までの間は成長ホルモンが特に多くなると考えられています。

この成長ホルモンの分泌がピークになる時間帯への眠りを誘うのがメラトニンで、メラトニンには成長ホルモンの分泌を促す働きもあるといいます。

成長ホルモンとメラトニンは子どもの身長を伸ばすのに必要なホルモンです

子どもの身長を伸ばすために、また、子どもの低身長を防ぐためには質の良い睡眠を十分にとる必要があるといわれています。
子どもの成長に睡眠が欠かせない理由は、二つのホルモンに起因しており、それらのホルモンには子どもの身長を伸ばす働きがあると考えられています。

一つ目のホルモンは、成長ホルモンです。
成長ホルモンはタンパク質を合成し体の新陳代謝を促す作用をもっているといいます。
そのため、子どもの体をつくり、身長を伸ばすために必要不可欠なホルモンだといえるのです。

この成長ホルモンは、日中にも分泌は行われていますが、70%程度は睡眠時に分泌されると考えられています。
特に、22時から2時までの「ゴールデンタイム」と呼ばれる時間帯に多く分泌されるといいます。
また、入眠から1~2時間程度までの深い眠りのときに分泌されやすくなるといいますから、ゴールデンタイムの時間帯に深い眠りに入っていることが理想的です。

そして、成長ホルモンの分泌をゴールデンタイムに合わせるために必要なホルモンがメラトニンだといわれています。
このことから、メラトニンは別名「睡眠ホルモン」と呼ばれることもあります。
さらに、メラトニンには成長ホルモンの分泌を促す作用もあるといいます。

メラトニンは体内時計を整える働きをもっているといいます


成長ホルモンの分泌をピークとなる時間帯に合わせるためには、メラトニンの分泌が開始される時間帯を意識する必要があります。
メラトニンは起床後、太陽の光を浴びてから15~16時間後程度から分泌がはじまるといいます。

つまり、朝7時に起床して太陽の光を浴びた場合、22時くらいからメラトニンの分泌が始まり、自然と眠たくなるということです。
その場合、成長ホルモンの分泌がピークになる22時にちょうど合わせられるため、子どもの身長を伸ばすのに効果的だと考えられます。

メラトニンが、なぜ睡眠を誘う「睡眠ホルモン」と呼ばれているかについてご説明します。

そもそも、睡眠は体内時計に依存したリズム現象といわれており、メラトニンはそのリズムを整える作用をもっていると考えられているからです。
たとえば、太陽の光を夜間に浴びたとします。
すると、本来の体内時計が狂い、夜間に分泌されるはずのメラトニンは抑制されてしまうことになるでしょう。

実際には、夜間にカーテンを開けても太陽の光は浴びることはないですが、太陽の光と同じ作用を持つ光は、子どもの身近にあるといいます。
それは、パソコンやスマートフォンの画面から発生している「ブルーライト」です。
ブルーライトを夜間に浴びることで、メラトニンが抑制されてしまう恐れがあるとされています。

理想的な睡眠時間を維持させるために家庭での工夫が必要です

皆さんのお子さんは夜何時頃に就寝しているでしょうか?現代の子どもは、習い事や塾、テレビゲーム、スマートフォンなどにより睡眠時間が短い傾向にあります。

睡眠時間が不足すると、成長ホルモンの分泌が正常に行われず、子どもの低身長を招いてしまうことがあります。
小学校4~6年生、中学生までは9時間、高校生であれば8時間程度が子どもの成長にとって理想的な睡眠時間だといわれています。

しかし、実際の子どもの平均睡眠時間はこれを下回っており、海外諸国と比較しても圧倒的に短いといえます。理想的な睡眠時間を維持させるためにも、親御さんがお子様を眠りにつきやすいような生活リズムに整えてあげる必要があるでしょう。

たとえば、寝る2時間前までは食事をしないことが大切です。

寝る直前に食事をすると、消化が十分に行われず深い眠りを妨げる原因になってしまいます。また、寝る前にゲームやパソコン、スマートフォンなどの操作をなるべく控えるようにさせるのも効果的でしょう。

(まとめ)なぜ、成長に成長ホルモンとメラトニンが必要なの?

1.成長ホルモンが体をつくり、メラトニンは成長ホルモンの分泌を促すからです

成長ホルモンは子どもの身長を伸ばすのに必要な物質として知られています。成長ホルモンの分泌がピークになるのは、22時から2時の間だと考えられており、その時間帯に深い睡眠に入るためにはメラトニンが欠かせないといいます。

2.成長ホルモンとメラトニンは子どもの身長を伸ばすのに必要なホルモンです

子どもの成長に必要な成長ホルモンは、70%ほどが睡眠中に分泌されると考えられています。成長ホルモンの分泌を十分に行うためには、22時から2時までの間に深い眠りについていることが理想的で、そのために欠かせないのがメラトニンだといいます。

3.メラトニンは体内時計を整える働きを持っているといいます

太陽の光を浴びた15~16時間後にメラトニンの分泌が始まるといいます。朝の7時までには起床するのがベターでしょう。太陽の光と同じ作用を持つブルーライトを夜間に浴びると、体内時計が狂ってしまう可能性があります。

4.理想的な睡眠時間を維持させるために家庭での工夫が必要です

日本の子どもの平均睡眠時間は、海外諸国に比べると圧倒的に短く、成長ホルモンの分泌に悪影響を及ぼしていると考えられます。理想的な睡眠時間を確保するためにも、家庭で食事やルールなどの工夫を行い、子どもが規則正しい生活を送れるようにしましょう。

監修医情報

西新宿整形外科クリニック院長
沼倉 裕堅 医師
ぬまくら ひろかた/Hirokata Numakura
経歴
東北大学医学部医学科 卒
湘南藤沢徳洲会病院 内科・救急科・整形外科
いわき市医療センター 整形外科
竹田綜合病院 整形外科
山形市立病院済生館 整形外科
Mahidol Univ. Ramathibodi hospital 整形外科(タイ)
いしがみ整形外科クリニック
西新宿整形外科クリニック

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院長 沼倉 裕堅 医師